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藍井エイル再び活動休止

藍井エイルが2度目となる活動休止を発表した。最初の活動休止はデビューから約5年経った頃に発表された。そして、今回も活動再開から5年で休止発表となった。

前回も今回も体調不良が活動休止の理由だ。前回はメンタルが理由ではと憶測されていたが、本人側からは公式なアナウンスはなかったし、今回も中長期的な治療・療養が必要としかアナウンスされていないので、その体調不良がメンタルから来るものなのか、そうではない病気なのか、ケガなどフィジカル面の損傷なのかは分からない。

また、前回もそうだったが、新譜リリース直後に活動休止しているので、尚更、色々とアニソンに興味ある人たちが憶測したくなってしまう面もあると思う。

個人的にはアニソン歌手とカテゴライズされる人たちの置かれている特殊なポジションがそのアーティストの心身にストレスを与えているのではないかという気がする。

Billboard JAPANの年間チャートやレコード大賞受賞者、紅白歌合戦出場者の顔触れを見ていると、アニソンは大いに盛り上がっているように見える。

でも、Official髭男dismにしろ、King Gnuにしろ、Adoにしろ、去年人気を集めたアニソンの多くは一般的な邦楽アーティストによるものなんだよね。

いわゆるアニソン歌手にカテゴライズされるアーティストで、年間チャート上位に入ったり、レコ大や紅白に絡んだのはAimerだけだ。
Aimerはあまり、自らアニソン歌手と名乗ったりはしていないし、一般邦楽アーティストとのコラボも多いが、所属レーベルがアニソン系のSACRA MUSICなので、アニソン歌手と呼んでも問題ないと思う。

一般邦楽アーティストでないアニソン担当アーティストには音楽活動をする声優もいるが、彼等・彼女たちはかつてほどのCDセールスを記録できなくなっている。とはいえ、アニメファン・声優ファンという固定層をガッチリと掴んでいるので、まぁ、安定した活動はできているとは思う。

坂本真綾や花澤香菜のように結婚・恋愛などで一時期、CDセールスが落ちても、再び盛り返してくるケースもあるし、最近の声豚には声優の結婚・恋愛どころか、櫻井孝宏のゲスすぎる結婚詐欺まがいの不倫にすら寛容的な者が多いので、本人の人気そのものが落ちない限りは、もしくは、メンタルやフィジカルのトラブルを抱えなければ声優はアーティスト活動も続けていけるといったところではないだろうか。

でも、いわゆるアニソン歌手って中途半端な立ち位置なんだよね。

LiSAやAimerのデイスコグラフィを見ても分かるように、機会さえあれば、アニメと離れた楽曲をリリースし、一般邦楽アーティストとコラボしようとしている。
つまり、アニソン歌手と呼ばれている人たちは本音では、アニソン歌手ではなく、ただの歌手・アーティストと呼ばれたいと思っているし、オタク以外のファンが欲しいと思っているし、オタクマナーでない声援をしてくれる人たちにライブに来て欲しいと思っているということだ。

声優アーティストの場合は毎回、固定ファンがCDを買ってくれる、ダウンロードしてくれるから、本人の人気が落ちない限りはそんなに個々の楽曲のセールスに開きはない。

しかし、アニソン歌手はタイアップがついた作品によってバラつきがある。ましてや、アニオタ・アニソン好き以外にアピールできる楽曲なんて滅多に生まれない。

そうした、アニオタ以外にファン層が広がらないジレンマというのもメンタルをやられる理由になっているような気がする。  

LiSAやAimerは「鬼滅の刃」や一般邦楽アーティストとのコラボ、アニメ以外のタイアップで別格になれたが、それ以外のアニソン歌手にはそうしたチャンスは少ないからね。

藍井エイルが最初に活動休止するまでの5年間に彼女ととともに人気を集めていたアニソン歌手には春奈るなや綾野ましろがいたが、彼女たちは今では限りなく、“あの人は今?”状態になっている。
エイルが復帰してから再び活動休止するまでのこの5年間では、halcaやASCA、亜咲花、ReoNaといった辺りがエイルに次ぐポジション争いをしているといった感じだが、正直言って、知名度は春奈や綾野レベルにも到達していない気もする(ReoNaは武道館公演が控えているから、限りなくエイルに近いところまで来てはいるが)。

結局、アニオタしか見ないアニメのテーマ曲をやっているだけじゃ、ファン層は広がらないし、ファン層が広がらないとアニメ以外のタイアップや一般邦楽アーティストとコラボする機会もやって来ないという、卵が先かニワトリが先か状態になっているんだよね。

LiSA、Aimer、エイルと並ぶ、この10年くらいのアニソン界の先頭ランナー集団の1組であるClariSは去年、「リコリス・リコイル」のテーマ曲“ALIVE”で存在感をアピールしたけれど、そんな彼女たちですら、それまでは「マギレコ」関連曲以外はパッとしない状態が何年も続いていたからね。

アニオタ以外になかなかファン層が広がらない。しかも、そのアニオタの支持も楽曲のタイアップ次第で変動する。その結果、ライブにはいつも同じような面子しか来ない。

まぁ、自分は歌手・アーティストだと思っている人からすればストレスだろうね。

別にエイルや彼女を含むアニソン歌手の全てがアニメやアニオタを嫌っているとは思わないけれど、彼等・彼女たちはやっぱり、アニソン歌手と呼ばれることに何らかの抵抗は持っていると思うんだよね。LiSAですら、そんな感じの発言をしていたしね。

まぁ、アニソン歌手のメンタル問題に関しては何の解決策もないのが現状だから、本人がその立場を割り切れるか否か、ファンがアニメ関連以外の活動を受け入れられるかどうかだと思う。  

Aimerは比較的、非アニメ楽曲でも支持されている曲が何曲かあるけれど、LiSAですら、一般向け楽曲は一般にはそんなに届いていないから、言い方は悪いが、この2人より下のポジションに位置するエイルやReoNaあたりが、アニオタ以外にも知られる存在になるのは至難の業だと思う。

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