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キリエのうた

監督が岩井俊二で、主演と主題歌がBiSH解散からまだそんなに経っていないアイナ・ジ・エンド。共演は公開初日時点ではジャニーズ事務所と呼ばれていたSMILE-UP.に暫定的に所属しているSixTONESの松村北斗。それに、かつての技術スタッフを見下した発言に加えて、最近では神宮開発問題で批判されている三井のCMに出ていることから、環境保護派からの印象も悪化している広瀬すず。といった布陣を見ると東宝作品に思えてしまうが、本作は東映作品だ(冒頭の東映ロゴに波しぶきがなくて驚いた)。

内容を一言で言うとまとまりのない作品といったところだろうか。

まず、主人公が歌えるけれど話せないという設定がきちんと活かされていなかった。実際は小声でしかも枯れた声でしか話せないだから、なんだそれはという感じだ。結局、演技は上手とは言えず発声も独特であるアイナを起用するために無理矢理作った設定でしかない。

それから、時系列を行ったり来たりする構成でしかも、アイナがキリエと名乗るストリート・ミュージシャンを演じているが、これが実は主人公の名前ではなく姉の名前であり、しかも、姉妹の両方をアイナが演じているから、時系列をぐちゃぐちゃにした構成にすると、今見ているシーンが姉の話なのか妹の話なのか分からなくなってしまう。姉の方のキリエは別の女優が演じるべきだったと思う。
まぁ、岩井俊二はアイナと広瀬すずの制服姿を撮りたかっただけだとは思うが。確かに可愛いよね。

あと、典型的なパヨクやフェミの思想に毒された人間が作ったクソ映画という感じだった。

そもそも、路上で演奏することは東京では条例違反だ。公道や公園なら都や区市町村、商業施設の敷地内ならその施設の所有者が許可を出さなければ路上で演奏はできない。
 
この作品で描かれた規模のストリート・ライブなら警察の取り締まりの対象になるのが普通だ。

なのに最後のフェスまで警察を出さないというのは不自然な展開もいいところだ。しかも、このフェスでは現場責任者が許可証を持たずに家に置いてきたなどと言ってライブをやっていたことが問題なのに、それを注意した警察を悪者扱いするなんて典型的なパヨク思想だ。迷惑な騒音だらけのデモをパヨクはやりたがるからね。
そもそも、騒音被害の通報があったことを考えると、きちんと届け出していれば警察も知っているはずだし、イベント責任者の前に公園の管理者に聞くはずだから許可証を出せとは言わないはず。そう考えると、無許可なのに許可を取ったふりをしていたようにしか見えないんだよね。全く同情できない。

それから、東日本大震災による津波で家族を失い孤児になった主人公に救いの手を差しのべようとした姉の恋人(こいつはこいつでクソ野郎だが)や小学校教師に対する役所の対応も典型的な支援をしない役人というテンプレ描写で見ていてイラッと来てしまった。

それに、事前の宣伝ではあまり触れられていなかったけれど、東日本大震災絡みの話にするのは卑怯だよね。これだと批判しにくくなるからね。
そう言えば、東日本大震災の被災者を支援しろと主張する人ほど、東日本大震災のことをただの震災と呼ぶのは何故?本作の登場人物もそうだったけれど。せめて、大震災って呼べよって思う。震度1の地震で慌ててつまずいてケガしたって、それは被災なんだから、東日本大震災だけを震災と呼ぶな!
というか、阪神大震災だって、まだ30年が経っていないんだから、東日本だけを大震災って呼ぶのも関西の人に対して失礼なんだけれどね。
ところで、松村北斗って「すずめの戸締まり」に続いて、また、東日本大震災を巡るトリッキーな作品に出ているのか…。

そして気になったのは勘違いしたフェミ思想のごとく、男を悪者として描いていたことだ。

まだ高校生だった主人公の姉を妊娠させておきながら親にそのことを言わなかった松村北斗演じる医者の息子は確かにクソだ。

でも、広瀬すず演じる主人公の友人でマネージャーの女は結婚詐欺を働いていたのに、その被害者が彼女や友人である主人公に反撃しようとしたら、ストーカーの通り魔とかレイプ犯みたいな扱いにされるのは違うでしょって思う。まあ、このクソ女を演じた広瀬すずの演技は良かったけれどね。広瀬すずって、主演やヒロインの時より助演の時の方が圧倒的に好演している率が高いんだよね。

《追記》
岩井俊二は拡大公開作品としては前作に当たる「ラストレター」では庵野秀明を俳優として起用していたが、今回は樋口真嗣か…。オタク界隈に媚びているのか?それとも、岩井俊二の本質はこちらなのか?

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