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ポプテピピック 再放送(リミックス版)

テレビアニメの再放送が行われる際は必ずしも初放送時そのままの状態でオンエアされるとは限らない。
ローカル局などでたまに行われる初放送から1週間以内に再放送という場合はそっくりそのまま流れることもあるが、そうでない時は、提供ベースとか次回予告、エンドカードなどがカットされるケースが多い。

また、初放送時に納期の都合で不完全な状態で納品されたものや、不適切な描写が判明した場合は再放送時に修正された状態で放送されることもある。

中身は変えてなくても画質や音質をリマスターしたバージョンでオンエアされることもある。

さらに、新規ファン獲得とか新規タイアップ獲得などの名目でオープニングやエンディングが新たなものにさしかえられることもある。

そのほか、何話かまとめて再放送する場合には、各話で共通するオープニングやエンディングがまとめて1回といった形に省略されることだってある。

でも、ここまでは純粋に再放送と言っていいものだ。そうした再放送の概念をぶち壊したのが2018年1月期に放送された「ポプテピピック」だ。

放送枠は30分となっていたが、実際は15分枠のアニメとして作られていて、前半が本放送、後半が再放送という形になっていた。

まぁ、配信サービスとかYouTubeでは一度見たエピソードを続けてもう一度見ることもあるので、そうしたオンエアの仕方はネット民との相性は良かったのではないかとは思う。

でも、単なる再放送だったら、このアニメがここまで話題になることはなかった。

何と、再放送パートではボイスキャストを変更したバージョンで放送したのだ!それどころか、場合によっては映像が前半とは異なることもあった。

こうした放送形態のおかげで「ポプテピピック」は大絶賛されることになり、アニオタやネット民、サブカル厨だけでなく、一般にもブームは広がっていった。
アニソンというのは普段はリリース初週にアニオタなど固定ファンがCDを買ったりダウンロードするだけで、2週目以降は大幅に順位を落とすのに、上坂すみれが歌う主題歌“POP TEAM EPIC”がBillboard JAPANのチャートでしばらく上位に居座ることができたのは一般にも広がっていった証拠だと思う。

ただ、この作品を批判すると、面白さが分からないのはモノを見るセンスがないから、元ネタの知識がないから無知な奴だからみたいな扱いを受ける風潮があったのも事実で、それは個人的には好きになれなかった。
「ギャラクシー街道」が公開されるまでの三谷幸喜、「BECK」が公開されるまでの堤幸彦に対する“世論”もそうだったが、確実にそれと同じものがあったと思う。

でも、あまりにもアニオタやネット民、サブカル厨などの熱がすごかったので、気付けば自分も毎週見るようになってしまった。
特にヘルシェイク矢野のあたりからは、否定派よりも肯定派になっていた。

とはいえ、放送が終わった瞬間、一気にブームが去ってしまったこともあり、もしかしたら、ポプテピピックってステマだったのではないかと思う人も増えた。そう思う人の中には、放送時に絶賛していた者もいたが、自分もそのクチだ。

2019年春に2話まとめて放送するスペシャル版が放送された時には、本当に1年前にあれだけブームを起こした作品の新作なのかと思うほど、大きな話題にはならなかった。

そして、そのままポプテピという存在は忘れ去られてしまうのではないかとも思われた。

それから2年半。突然、ポプテピの再放送が行われると発表された。
誰もが、“何故?今更、再放送?”と思ったに違いない。
自分はスルーしようと思っていたくらいだし。

でも、そう思わず、“何か仕掛けてくる”と察知していた人も多かったようで、とりあえず、チェックしようと思った人も結構いた。
「涼宮ハルヒの憂鬱」の初放送時にエピソードナンバーを無視した順番で放送したことが話題となったが、それに近いことをやってもおかしくはなかったしね。

そして、実際、第1話の再放送が行われると、ネット上は大騒然となった。
何しろ、初放送時の本放送パートも再放送パートも、ボイスキャストが変更されていた=改めて収録されていたからだ。

演者の誰かが不祥事を起こしたりして該当箇所のみの台詞を収録し直すということはあっても、再放送用にキャストをシャッフルして再収録するなんて前代未聞だから、そりゃ、大騒然となるのも当然だ。

ただ、ヘルシェイク矢野は吹替というか、ボイスオーバーというか、新たに声優によるアフレコにしたのは失敗だったと思うが。
そういえば、昔はアニメや洋画、海外ドラマの吹替はアニメーションのキャラクターや海外の俳優など他人の演技に台詞をあてることからアテレコと呼んでいて、実写作品で俳優が後日、自分の演技に合わせて台詞のみを収録し直すことをアフレコと呼んでいたけれど、いつの間にか全てアフレコって呼ぶようになってしまったよね…。

それから、上坂すみれの主題歌も途中からリミックス・バージョンに差し替えられたのに、また途中からオリジナルに戻してしまったのも何がしたいのかよく分からなかったな。

あと、2019年春にスペシャルとして放送した2話は今回のリミックス版と呼ばれる再放送では放送されなかったが、これは初放送時に通常の再放送バージョン以外にも、ネット配信用などさらなる別キャスト・バージョンが作られたから、もういいでしょってことなのかな?

まぁ、でも、今回のリミックス版は十分に話題になったから、オワコンになったと思われていたポプテピを復活させることには成功したと思う。

というか、このリミックス版って、2期の制作決定を発表するための、壮大な前フリだったんだね…。

それにしても、ポプ子ってよく見ると可愛いよね。髪おろしている時なんてマジで可愛い。時々、お気に入りの風俗嬢っぽい雰囲気の時もあるしね。

《追記》
フェイク予告コーナーで流れる「星色ガールドロップ」に登場するアイドルグループ“ドロップスターズ”を演じる3人の声優の格付けは初放送当時は明らかに小倉唯が水瀬いのりや上坂すみれを上回っていたけれど、今は圧倒的に水瀬いのりがトップだよね。声優アーティストとして、こむちゃっとカウントダウンの年間首位も獲得したしね。
そして、「ウマ娘」としての活動を除いたソロ声優アーティストとしての小倉唯のポジションは、かつてのユニット、ゆいかおりの相方、石原夏織にすら追い越されてしまった感があるよね…。
まぁ、初放送から4年近く経っているから、人気とか立ち位置が変わるのも当然なんだけれどね。

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