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『彼女、お借りします』第3期

今期は死期が迫った千鶴の祖母に女優として活躍しているところを見せてあげようと和也が自主制作映画作りに奔走するエピソードに特化したストーリー展開となっている。

なので、千鶴以外のヒロインの印象は非常に薄くなっている。るかは時々、出番があるし、墨はフィーチャーされた回があったからまだマシだが、麻美なんてほとんど出番がない。そこへ来て、恋愛感情はお互い持っていないようだが、みにという新たな女子キャラまで出てきている。

メインヒロイン以外の存在が希薄で、その次に出番が多い女子キャラが恋愛感情がいっさいないキャラというのでは、いわゆるハーレムものアニメ・コミックとしては成立していないと言わざるを得ないと思う。

そういう意味では出来の悪い作品だと思う。

また、映画制作なんてそんな甘いものじゃないよとツッコミたくもなる。無名の女優の卵、というかレンタル彼女が主演の映画のためにクラファンに協力しようなんて人は普通はいない。それに、重要なラストシーン、しかも夜景の撮影で本来の監督やカメラマンが不在で素人の和也がカメラを回すというのもありえない。2人だけの時間を作るためのご都合主義展開でしかない。プロ、アマ問わず映像制作に携わったことがある者なら、なんだコレって言いたくなると思う。

ただ、和也と千鶴の距離感が縮むという点では意義のある3期だったと思う。また、予想通りのベタ展開だけれど映画の完成直後に祖母が死ぬというのも感動的ではあった。

でも、かのかりというのは女優を目指すメインヒロインの話ではない。あくまでも、演技の勉強の一種と金稼ぎを兼ねてレンタル彼女をやっている女子大生と彼女にガチ恋した客の話だ。

なので、この3期のラストでは不完全燃焼でしかない。表向きは彼女ということになっているるか、一度は破局したものの嫉妬から来る未練のような感情を持っている麻美。この2人との関係はきちんと清算しないとハーレムものとしては成立しないと思う。ただ、3期終了直後に4期制作決定の発表がされていないだけに、「かのかり」というコンテンツの人気が不安定なんだろうなというのは感じてしまう。



とりあえず・今期で一番良かったのは1期のEDを歌っていたhalcaがOP担当として戻ってきたことかな。

あと、高橋李依はすごいね。声優に詳しくない人だったら、本作の墨と、「推しの子」のアイ、「るろうに剣心」の薫を同じ声優が演じているとは思わないよね。

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