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大勢の中でぽつんといる際に考えていること

こんにちは、産婦人科医の高尾美穂です。

今回もみなさんからいただいた質問からご紹介してみたいと思います。


初めまして。
高尾先生の考え方や、生き方にリアルボイスが気付きとなり、救いとなっています。
質問ですが、ぽつんとなった時のやり過ごし方を教えてください。
高尾先生はどんなことを考えて、何をしているのか教えていただきたくお便りしました。
私は40代半ばの専業主婦です。
実家とは離れたところに嫁ぎ、中学と幼稚園に通う子育てに忙しく、友達はいません。
SNSのやり取りなどにも加わらず、自分の時間も持てて爽快と感じる一方、親同士の集まりで孤立してしまいます。
入っていけない雰囲気があり、集団に入ったらとても疲れそうと考えてしまいます。
一人を楽しもうとするのですが、どこに目線を持っていけばいいのか、どうその場をやり過ごせばいいのか。
産婦人科医である高尾先生なら会合もたくさんあるでしょうし、きっとどこに行っても居心地良くされているのだろうと察します。
ぽつんを、快適に過ごすコツを教えてください。

ということで、よくありますよね。

どうでもいい集まりで、どうでもいい間柄同士の人たちが、どうでもいい会話をしてその場、時間を過ごしている。

その中に加わりたくない人が、大抵1人や2人はいて、そういう方達は一見、浮いてるように見える。

そういった方に相当するのかなと思える方からの質問です。
今回は、大勢の中で一人でいる時について考えていきましょう。

大勢が集まる場での過ごし方

私がパーティーなどの多くの人が集まる場で、うまく立ち振る舞えるタイプかと言うと、全くそうではありません。

例えば、産婦人科医の集まりも年に数回はあって、多くは学会のような勉強する場があり、その後に懇親会があります。

この懇親会も公式で開催されるものの後に、近いもの同士が集まって二次会みたいなものがあるということを知っているのは、簡単に言うとSNSのおかげです。

正直それほど、産婦人科の先生方ともSNSですら繋がっていないので、目にすることはあまりありません。
しかし、最近のSNSというのは非常におせっかいで、わざわざあなたが見た方がいいものという形で、全然関係ない人からの投稿を見せてくれたりします。
その結果、同じ学会に行っていた方たちが、その後二次会などで盛り上がってるような飲み会の写真を目にする事は少なからずあります。

そこに私がいるかといえば、皆さんのご想像の通りおりません。

自宅から行ける学会であれば、車で向かい、すぐに帰るというタイプですので、そもそも懇親会すら最初の乾杯の挨拶ぐらいまでしかいないタイプです。

なぜかと言うと、この質問をいただいた方と同じです。

その場でどうやって時間を過ごせばいいのかという事に、頭を使いたくないからです。

例えば、学会で同級生と偶然会ったり、地方に住んでいる方が東京での学会に来てくれたりすることなどはあります。

そうやって一緒に予定を合わせて動くような場合は、久しぶりに会えて、いろんな話もしたいので、その人とご飯に行けば良いわけです。

お話ししたい先生がいらっしゃるのであれば、そういう懇親会の場でしかなかなか話せないので、突撃してお話すれば良いだけです。

でも、別にその場の空気を楽しみたい、なんとなくみんなの輪の中にいたいとかのために時間を使いたいと思わないです。
そのような考えもあり、あえてそういう場を選ばないという選択をよくしています。

ただ、この方のご相談は少し状況が違います。
例えば、お子さんの待ち時間などで、どうしても他の方と一緒に過ごさないといけない時間に、自分だけがぽつんとしてしまう状況はあり得ると思います。

私が、そういう時に何をしているかと言いますと、人間ウォッチングをしています。

もちろん空気が悪くならないように配慮だけはしております。
では、何をするかと言うとニコニコしておきます。
ニコニコしておいた上で、ただ少しだけ離れたところからみんなを眺めている。

あの人の靴かわいいな、あの持っているバッグは最新のだなとか、そういった眺め方をすることもあります。
他にも、あの人つまらなそうだな、話の輪には入っているけどつまらなそうなど、色んなシチュエーションを観察しています。

結局今の時代であれば、みんなが携帯を持っていますので、少しその場にいたら、また抜けて、また携帯をいじっているみたいなことを観察しています。

簡単に言うと、どうでもいい時間だから、どうでも良く過ごすわけです。

それが別に自分にとって自分が一人そこにぽつんといる状況が寂しいとか、人から浮いていて、残念なことなんて少しも思っていない状態で、その時間をとりあえず過ごさなくてはいけないからそこにいる。

そこでできることは何だろうと考えると、人間ウォッチングということになるわけです。

人の振る舞いからの学び

人間ウォッチングでも、例えば、物とか靴とかであれば、いつでも見ることができます。
それはどんな場面でも見る事ができるので、私は、その人の立ち振舞いや、身の乗り出し方、手振りを見たりすることが多いです。

こういった場所には、たいてい人気者がどこにもいます。

そういう人がどんな振る舞いをしているのかを見るのは、とても勉強になります。

その人の真似をしろという意味ではなく、例えば、どういう振る舞いが、人の目を引きつけたり、人からの理解や賛同を得られたりするのだろうかといった目線で、人間ウォッチングをすることはお勧めできると思います。

ぽつんといる状況の中で心地よく過ごす方法は、私自身がぽつんという状態をあんまり嫌だと思っていないので、別に一人でぼーっとしていても快適なタイプですから、本気で時間つぶしたいと思うのであれば、そういった場から少し外に出て、廊下とかで本読んでいたりすると思います。


私は、大抵小さな本ぐらいは鞄に入れているタイプですので、もし本当に今その場を過ごすのが、少し辛いということであれば、その場から離れてしまいます。
例えば、お手洗いとかにいくのも全然良いでしょうし、戻ってきてとりあえずそこにいる状況だけでも悪くないです。

そこで、最初に話したみたいにニコニコして、その場の空気をなんとなく悪くしない感じを作っておくと、1人、2人声かけてくれる人がいるだろうと思います。

そういう人とお話をすればいいですし、わざわざ大きな円になっているど真ん中に、首を突っ込んで話す人もいますけど、私はそういうタイプではないかなと思ったりしてます。

書いてくださったイメージのように、私がグループの真ん中に常にいるとタイプではありませんので、心地よい時間の過ごし方という点に関しては、自分なりの心地よさは過ごせていると思います。
皆さんが想像するような、どこの場でも華やかで、輪の中心にいてというようなタイプではないということも知っていただいてもいいかもしれないなと思っております。

まとめ

私なりの対策としては、そうゆう場に行かない。

これが私のまず一番目の対策で、その時間をどうしても過ごさなくてはいけないのであれば、ニコニコしながら人間ウォッチング。

そこで鞄や靴をウォッチングしてもいいですが、身振りや手振り、それから身の乗り出し方、目線の送り方、こういったものを学ばせてもらうということも1つです。

そしてもう一つとしては、本当に暇だと感じた時には、外に出て、自分の好きな時間として使うというのもありかなと思っていたりもします。

ぽつんといる状態は、おそらく多くの人が経験している事だと思います。

特に友達の結婚式に呼ばれた際に、その友達しか知り合いのいない、結婚式の立食パーティーなどは、本当に悲惨ですよね。

そういうのはもう私昔から割と申し訳ないけど断るようにしてました。知り合いがいる、当然友達同士で、同級生でとかそういうのであれば当然時間潰せますから、全然いいですけど、たった一人しか知らないのが新婦みたいな状況はなるべく自分は避けるようにしてきたかなと思ったりしています。

この大勢の中で、ぽつんといる状態というのは世の中でよくあることです。

私は、その状況が悲しい、自分だけ惨めだみたいに感じることは、まず思わなくていいと考えています。

ぽつんといる状態も、自分なりに有意義な時間にしていきたいですよね。


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