【論文レビュー】「組織から支援されているなぁ」と社員が認識するとどんな良いことがあるの?:Rhoades & Eisenberger (2002)
仕事をしているときに「あー、組織から助けてもらっているなぁ、助かるなぁ」と感じることがあると思います。このような、組織から支援されているという認識のことをPerceived Organizational Support(以下POS)と言います。POSが何によって影響され、POSが何に影響を与えるのかについて、70本以上の論文をメタ分析したレビュー論文の紹介です。
まずは理論から
POSの背景には、組織的支援理論(Organizational Support Theory: 以下OST)があります。すごくざっくりいうと、OSTは、社員は組織を擬人化してみなす傾向があり、社員は組織から支援され、かつ社員は組織のために貢献するといった社会的交換関係があると考える理論です。POSは、社員側から見た組織からの支援に関する認知を扱う概念という位置付けになります。
説明変数:POSは何から影響を受けるのか
説明変数として見出されたものには三つあります。①組織の公正な手続き(fair organizational procedures)、②上司支援(supervisor support)、③望ましい報酬と職務状態(favorable rewards and job conditions)、です。
人による支援も大事だし、しくみやプロセスも大事だし、外的状況を整えることも大事、という感じでしょうか。分析の結果、この中でも「①組織の公正な手続き」が最もPOSに影響すると著者たちは結論づけています。
目的変数:POSは何に影響するのか
他方、目的変数としては、①情緒的コミットメントの向上(increased affective commitment to the organization)、②業績の向上(increased performance)、③離脱行動の減少(reduced withdrawal behaviors)、の三つが示されています。なお、離脱行動とは、離職意思(turnover intention)や実際の離職(turnover)を含んだものと著者たちは位置付けています。
おまけ
と、ここまで一通り本論文を読んできて、POSに関する論文の記事ってどこかで読んだ気がするなぁと思ってググってみたところ、LDC2期生の石黒さんがnoteの挙げておられました。石黒さんの方が簡潔で分かりやすくまとめておられるので、POSに関心を持たれた方は以下をお読みください!
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