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英語文献読書会:LMX(Leader-Member eXchange)を学ぶ。

立教LDC同期の杉江さんからご紹介いただいて、リーダーシップに関する論文を集めた書籍の読書会に参加しております。(杉江さん、いつもありがとうございます!)今回は、僕が発表を担当したLMX(Leader-Member eXchange)の章についてまとめてみます。

書籍はPeter Guy NorthouseのLeadership Theory and Practice (7th edition)です。いわゆる特性アプローチ、スキルアプローチ、状況対応アプローチ、等々、リーダーシップの系譜を学べる良書です。翻訳はされていませんが、非常に読みやすい簡潔な英文で書かれているので興味ある方は見てみてください。以下は読書会で扱った第7版を載せてますが、最新版はもっとお安いのでご安心くださいませ。

LMXとは何か。

リーダーシップに関する理論の中で、最も私が知らない領域だったので希望させてもらいました。まずはLMXの定義から。

LMXはリーダーとフォロワーの二者関係に焦点を当てた理論です。この理論の特徴は、従来のリーダーシップ理論が、リーダーの立場、フォロワーの立場、状況に着目といったものに焦点が当たっていたのに対して、LMXはリーダーとフォロワーという両者の関係に注目している点が特徴です。

多様なフォロワーとの関係はVDL(Vertical Dyad Linkage)と呼ばれ、リーダーは各フォロワーとのVDLの総和として関係性が描き出されます。こうした多様なフォロワーはIn-GroupOut-Groupとに分類されます。それぞれの特徴をフォロワーの言動や結果についてまとめるとこんな感じです。

LMXは当初、こうした二者関係に着目していました。その後のLMX研究は、組織としての効果性へと目が向くように移行しています。調査の結果からは、リーダーとフォロワーの交換関係が向上することで、退職率の低下組織コミットメントの向上といった組織面でのポジティヴな結果が出ることも明らかになっています。

ではリーダーとフォロワーの関係性はどのような段階を経て発展するのでしょうか。Leadership Makingという概念定義を用いて、以下のような三つの段階があり、その関係性が向上することでフォロワーにとってもメリットがあると言われます。

最後に、LMXの理論がもたらす強みと、批判されている内容とも述べられているので以下にまとめておきます。

今回は私が担当したLMXの章だけを扱いましたが、本書はリーダーシップ理論を網羅的に扱っています。リーダーシップに関心のある方にはオススメの一冊です。シンプルな英語で書かれており、少なくとも、フッサールの邦訳本よりも遥かに理解しやすかったです。

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