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アメニティエアコンとパッシブハウス

現在の家作りに求められる「快適・省エネ」についての技術的ポイントを
工務店側の視点でご紹介。


前回、浜松のパッシブハウス(ちゃんと『パッシブハウス認証』取得予定のパッシブハウス)の、ゲルマン魂が横溢する風量測定の話をした。

これが前回の記事

で、年があけてから、このモデルハウスを建設したコットンハウスの社員さんむけに空調を中心にした勉強会を開催した。

2Fのエアコン(ダイキン製アメニティビルトインAC)をご説明

コットンハウスさんは真面目な社員さんばかりだ。
勉強会を開催すると、いつも、血走った目で話を聞いてらっしゃる。
これはまずい。適当な事は言えない。緊張感100%。

で、これが私とコットンハウスさんの面々。
20人(2000wの発熱!)が高々断熱住宅内にいたので、
オーバーヒート。
汗ばんだので1月の窓を開けた。

前列中央が私

コットンハウスさんは浜松のビルダーさんで、以前から付加断熱の高断熱住宅を提供している。そんなビルダーさんだからこそ、むしろ、パッシブハウスの「価値」に対しての理解が早く、「是非、浜松に紹介したい!」となった。
そして、今週末いよいよ一般にお披露目なのだ。

https://www.cotton-house.jp/news/22374

この寒い時期であればいかにパッシブハウスが暖かいかがよくわかるので
機会があれば是非五感でパッシブハウスの良さを理解してほしいです。


閑話休題。
この物件で採用したエアコンはダイキン製アメニティエアコン。
住宅においてダクト式空調の設計をする際はよく採用する。

出展:ダイキンHP アメニティビルトイン 色んな設置が可能

本体は天井埋込形のパッケージエアコンと同じ。
室内機は直方体で、それ自体では使えない。
その直方体に設置方法や用途に合わせて、吹出側に吹出チャンバーや吹出グリル、吸込側に吸込チャンバーや吸込グリルを設置する。
よって、使い方を自由に設定できる。
吹出側にチャンバーやアダプターを設置した場合は内径φ125~200の保温ダクトを設置して各部屋に吹き出させることが多い。

吹出口の例 OK器材製
吹出口の例 ベンテック製
※本来は換気用給気グリル よって、用途、設置場所を考慮しないと結露リスクがある

パッケージエアコン(業務用エアコン)の天井埋込形との大きな違いは
「能力」だ。
パッケージの場合、能力は定格5.0kw~となる。
対してアメニティビルトインは2.8kwが一番小さくそれから3.6、4.0、5.0kwのラインアップとなっており、住宅のような小空間に適している。
例えば、こんな感じの面積を最大冷暖房面積として設定している。
2.8、3.6kw ⇒ ≒65m2
4.0、5.0kw ⇒ ≒80m2
※天井高を2400とした際の面積
※冷暖房面積は冷暖房能力ではなく、冷房運転時の最大風量をベースに算出している。また、2.8、3.6kwは同じ風量、4.0、5.0kwは同じ風量
※この最大冷暖房面積は6地域においてUA=0.56w/m2k、ηAC=1.3、C=1.0cm2/m2より優位な性能を有する住宅において適用している。
※これは私が設定している基準であって、メーカー基準ではない。

今回のパッシブハウスは建物の断熱性能、夏期日射遮蔽性能が<すこぶる>高いので、実際は4.0kwのエアコンで120m2ほどのモデルハウス全体を冷暖房する。住宅用途としては2.8kwでも足りるが、モデルハウスであるため、真夏に20人在室、という事が考えられるため、4.0kwの能力とした。

また、熱交のSA(熱交換後の新鮮空気)をアメニティビルトインの吸込側に送って、室内のリターンと混合、外気処理。
エアコンのSAダクトを使って、給気することもできる。
(ややこしい。いずれ詳細を説明します。)

「ビルトインエアコン」は一般名称で、定格2.8kw~5.0kwの能力のビルトインは他メーカーからも販売されている。しかし、ほぼダイキン製を利用している。
主な理由は2点。
1,ダイキン自社で「10年延長保証制度」を用意している。

※ルームエアコンやパッケージエアコンは対象外

これはとてもありがたい。エアコンは家づくりにおいて、エアコンはむしろ入居後が本番。そして、必ず10年経過頃からトラブルが増える。それが、メーカーによって、手厚く保証されているのは、私も熟睡できるのだ。
※ただし、室内機、室外機外の冷媒ドレン、ダクト、吹出口等のトラブルは対象外。

2,圧倒的なアフターメンテナンス体制
ソ連の民衆をしばりつけたKGBのように全国に網羅されたメンテナンス網によって、トラブルがあった際は、翌日、場合によっては当日に駆けつけてくれる。こんなありがたい話はない。

ということで、
・使いやすいサイズ
・使い勝手(吹出、吸込に色々と細工できる)
・換気連動(熱交の新鮮空気を外気処理)
・10年保証
・メンテ体制

によって、圧倒的に使いやすいのだ。
以後、お見知りおきを。

そんなこんなで、本日はここまで。

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