島敬雄/住宅熱環境コンサルタント ㈱simsim代表取締役

<断熱・気密・冷暖房・換気>の知識を駆使し、住宅の熱環境をプロデュースする仕事をしてい…

島敬雄/住宅熱環境コンサルタント ㈱simsim代表取締役

<断熱・気密・冷暖房・換気>の知識を駆使し、住宅の熱環境をプロデュースする仕事をしています。そんな仕事をしながらアラビア語を話すのは日本広しといえども私だけかと。 https://simsim-hevac.com/

最近の記事

「仲間づくり」をしています

現在の家作りに求められる「快適・省エネ」についての技術的ポイントを 工務店側の視点でご紹介。 このところ勤しんでいる活動についてご報告。 私の専門は住宅の熱環境です。 今まで300棟以上の注文住宅やモデルハウスの <断熱×気密×冷暖房×換気>をサポートしてきました。 その中で得意ジャンルは空調(冷暖房・換気)です。 実際に、このnote上で空調について、特にダクト式空調について色々と書かせていただきました。 ダクト式空調のメリットは何かと言うと、「ちゃんと設計できる」と

    • <快適・省エネ>がゴールです

      現在の家作りに求められる「快適・省エネ」についての技術的ポイントを 工務店側の視点でご紹介。 ※㈱ユニソンに以前執筆したコラムを一部修正した内容となっています。 ユニソンのコラムについては以下から。 UA値やC値より大切なこと 昨年末、『ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス実証事業調査発表会 2023』の報告がありました。 chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://sii.or.jp/meti_ze

      • カウンターアローファンは風量に注意

        現在の家作りに求められる「快適・省エネ」についての技術的ポイントを 工務店側の視点でご紹介。 我ながらどこに需要があるのかわからないタイトル。 でも具体的商品をタイトルにいれて、あーだこーだ書くと 以外にビュー数が伸びる、という打算。 カウンターアローファン。三菱電機製の中間ダクトファン。 画像にあるようにバズーカ砲の形状で前後にダクトをつないで、送風システムを作ることができる。 あまりメジャーではない。 でも工務店さんはダクトを使った送風システムを組む際 結構、このフ

        • アメニティエアコンとパッシブハウス

          現在の家作りに求められる「快適・省エネ」についての技術的ポイントを 工務店側の視点でご紹介。 前回、浜松のパッシブハウス(ちゃんと『パッシブハウス認証』取得予定のパッシブハウス)の、ゲルマン魂が横溢する風量測定の話をした。 これが前回の記事 で、年があけてから、このモデルハウスを建設したコットンハウスの社員さんむけに空調を中心にした勉強会を開催した。 コットンハウスさんは真面目な社員さんばかりだ。 勉強会を開催すると、いつも、血走った目で話を聞いてらっしゃる。 これは

          パッシブハウスの風量測定

          現在の家作りに求められる「快適・省エネ」についての技術的ポイントを 工務店側の視点でご紹介。 ザ・年の瀬。 つい先日、竣工まじかとなったパッシブハウスの換気システムの風量測定に立ち会った。場所は浜松市。 この物件の冷暖房と換気計画に携わっている。 パッシブハウス。ドイツで生まれた省エネ住宅の「基準」。 ※以下、Passive Houseのサイト(英語です) 様々な「基準」があるが、代表的なものとして 年間暖房負荷:15kwh/m2 (床面積1m2あたりの年間暖房負荷が1

          風量を気にすべき設備について   「乾太くん」と室内負圧

          現在の家作りに求められる「快適・省エネ」についての技術的ポイントを 工務店側の視点でご紹介。 珍しく、具体的商品について書きます。 乾太くん。ガス式の衣類乾燥機。リンナイ製。 大人気です。 巨人・大鵬・卵焼き。そして乾太くん。 実際に、お客様から預かった住宅図面を見ると、かなり高い頻度で 乾太くんが置かれている。 きっと素晴らしいに違いない。 ただ、設置にあたって注意が必要。 乾太くんの運転は機内でガス燃焼させる。 また、乾燥過程で排湿を伴う。 よって、機内に排気ファンが

          風量を気にすべき設備について   「乾太くん」と室内負圧

          「夏を快適に過ごせました」(環境測定報告)

          現在の家作りに求められる「快適・省エネ」についての技術的ポイントを 工務店側の視点でご紹介。 すっかり肌寒くなっているのに夏の測定のご報告であることが痛恨です。 遅筆というか、一人時間差攻撃というか、時期的にずれずれ。 そうは言っても、ちゃんとした夏の環境を作れていたので、是非紹介しなくては、という使命感で一杯です。(じゃあ、早く報告しろよ俺、という円環構造でございます。) そんなこんなで、馬鹿に暑かった夏を思い出しながら読んでください。 夏の測定を行ったのはオオトリ建設

          「夏を快適に過ごせました」(環境測定報告)

          通年計測のススメ

          現在の家作りに求められる「快適・省エネ」についての技術的ポイントを 工務店側の視点でご紹介。 そんなこんなで、温熱環境のサポートをしている豊川の誠一建設さんと、OBさん宅にご訪問した。 目的は、通年で温湿度と消費電力を計測するために計測器を設置するためだ。 誠一建設さんはこちら。社員さんはみんな真面目で愚直。好感度抜群です。 住宅は新城市。入居してまだ数カ月。 インターフォンをポチ。 「すいません、温湿度計の設置にきました。」 「はーい、わかりました。」と、奥様。 やや

          快適性と省エネを決める最後の一手はエアコンだ。

          現在の家作りに求められる「快適・省エネ」についての技術的ポイントを 工務店側の視点でご紹介。 そんなこんなで、タイトル通りの内容を書く。 工務店は空調設備にはごにょごにょする。 工務店さんの「新築住宅を計測しました」発表を聞く機会は多い。 が、江川卓の右肩のように違和感を感じる事が多い。 違和感の正体は何か。 それは『空調設備には舌足らず問題』だ。 工務店さんの発表はだいたい以下の流れが定番だ。 ①こんな敷地でこんなご要望なのでこんなプランにしました。 ②UA値は〇

          快適性と省エネを決める最後の一手はエアコンだ。

          名古屋モデルハウス夏の計測開始

          現在の家作りに求められる「快適・省エネ」についての技術的ポイントを 工務店側の視点でご紹介。 「異常気象」をヒリヒリと感じる今日この頃。 皆様におかれましては健やかに夏をお過ごしでしょうか? そんなこんなで、以前、気密測定結果をご報告した名古屋のモデルハウスがいよいよ竣工し、夏と冬の風物詩、温湿度・消費電力測定を始めました。 ちなみに気密測定結果は以下の記事をご参照あれ。 C値は0.3cm2/m2でした。ゴリゴリ。 で、工務店さんと物件の詳細は以下をご参照あれ。 2

          全館空調の入替工事もやったりする

          現在の家作りに求められる「快適・省エネ」についての技術的ポイントを 工務店側の視点でご紹介。 全館空調が日本に導入されて久しい。 (と、書いたものの黎明期は知らない。 すわりが良いからこう書きだしてみる。) 建物は20年、30年と齢を重ねていくが、そこに搭載された空調設備は10~20年の間に交換を迎える。 よって、設備更新が発生する。 しかし、いざ壊れた時、 「どうやって交換したらよいか分からん。」 とか「新築の時に導入した設備メーカーに見積とったら途方もなく高かった。」

          まずは『G2性能」を標準仕様に!! (ユニソン・コラム再録)

          私が以前お世話になった株式会社ユニソンのwebページで住宅の断熱性能に関するコラムを執筆させていただきました。 こちらで再録します。 (よろしければ以下からユニソンのコラムにご登録ください。  住宅に関する情報を入手できます。) 以下、コラム内容 「まずはG2性能を標準仕様に!!」 住宅の断熱性能が加速度的に高くなっています。長らく国が示していた断熱の最高等級は4(6地域、UA=0.87w/m2k)だったのに、あれよあれよと等級5,6が誕生し、瞬きをしていたら等級7(6

          まずは『G2性能」を標準仕様に!! (ユニソン・コラム再録)

          「気密測定体験会」やります

          イベント告知です。 一緒に<快適・省エネ>な住まい作りを行っている愛知県刈谷市の河井建築さんの構造現場で気密測定を衆人環視のもと行います。 ↓ 申し込みフォームです  ※河井建築さんの申し込みサイトに飛びます  ※お施主様向けのイベントです。プロの方はご遠慮ください。 https://www.kawaikenchiku.co.jp/event/2023%E5%B9%B46%E6%9C%8818%E6%97%A5%E6%97%A510%EF%BC%9A30%EF%BD%9E

          気密測定のご報告と、それから先のご紹介

          現在の家作りに求められる「快適・省エネ」についての技術的ポイントを 工務店側の視点でご紹介。 そんなこんなで、気密測定を行いました。 場所は名古屋市中川区。 ビルダーさんは名古屋市中川区のオオトリ建設さん。 社長は大工さん出身というだけあって、真面目に家作りをされており、現場に足を運べばそれをヒシヒシと感じる。 今回、気密測定を行った現場はモデルハウス。 「島さん、是非、一緒にモデルハウスの熱環境に関してかかわって。」 と、お声掛けいただき ええ、是非是非!と二つ返事で始

          気密測定のご報告と、それから先のご紹介

          正しくダクト式空調を設計・施工する

          現在の家作りに求められる「快適・省エネ」についての技術的ポイントを 工務店側の視点でご紹介。 前々回、体感見学会について書いた。 この記事の最後に「次回、現場を見学いただいた前先生について書く」と予告していたが、早くも1か月経過。 我ながら、筆が遅い。 そんなこんなで、前先生。 東京大学の准教授。 主に、住宅の<快適・省エネ>を研究対象にされていて、発信も多い。 フィールドワークをとても大切にされている先生で、とにかく、およそ<快適・省エネ>文脈に関する現場には自ら足

          「あれ」ってそもそも何だっけ?     

          ① 「UA値」住宅設計者は、その住宅がどれぐらいの外皮性能(断熱性能)なのかを説明する義務がある。また2025年以降は設計している住宅を、国が定める「省エネ基準」に適合させる義務が発生する。よって、住宅の提供者として、最低限知っておくことが必要な「用語」や「単位」がある。そういったアレコレを解説。 住宅の断熱性能を語る上で一番取り上げられている「用語」がUA値。 UA値は政策的に言うと2025年の義務基準の一つなのだ。 超えなきゃいけないハードル。 具体的には以下の大項目2

          「あれ」ってそもそも何だっけ?