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気密測定のご報告と、それから先のご紹介

現在の家作りに求められる「快適・省エネ」についての技術的ポイントを
工務店側の視点でご紹介。


そんなこんなで、気密測定を行いました。
場所は名古屋市中川区。
ビルダーさんは名古屋市中川区のオオトリ建設さん。

社長は大工さん出身というだけあって、真面目に家作りをされており、現場に足を運べばそれをヒシヒシと感じる。
今回、気密測定を行った現場はモデルハウス。
「島さん、是非、一緒にモデルハウスの熱環境に関してかかわって。」
と、お声掛けいただき
ええ、是非是非!と二つ返事で始まったプロジェクト。
着工前から<断熱・気密・冷暖房・換気>について、打合せを重ね、
そして、気密測定(中間時測定)。

さて、当日。
5月のそこそこ日差しが強く、でもカラッとした気候。
朝の現場は風も弱く穏やか。

風速0.7m/s
※気密測定は3.0m/s以下で行うべし。

2階の窓に測定器を設置し、減圧法により測定実施。
(減圧法・・室内から室外に強制的に空気を抜いて、室内を負圧にすることによって、隙間からの空気流入量を計測する方法、その反対を加圧法と言う。)

測定は土曜に実施。職人さんのいない静かな現場で、大きな気密測定器のファンは静かに回転する。
ファンの音が終始小さいと言うことは「少ない風量で大きな圧力差」を作れている=気密性能が高いという証拠なのだ。バタフライエフェクト的な。

ややあって、測定は無事終了。
測定結果はC=0.3cm2/m2。
おお、優秀。

まごうことなき高気密住宅なのだ。
しかも、単にC値のみを追い求めた<猪突猛進>気密性能ではない。
猪突猛進とはどういうことかというと、お隣の工務店・競合やら、SNSの情報で聞きかじって「とにかくC値を高めよう」となった、とする。
で、C値が0.5cm2/m2を切った。
わー、素晴らしい、とスタッフ大喜び。
でも、レンジフードを動かすと、トイレのファンが逆転したり、子供が帰宅時に玄関ドアを開けられなくなったり、窓がピーピー笛を吹き始めたり。
そういう問題が増えている。それもこれも猪突猛進、一心不乱、色即是空に
C値を追い求めたから。
(詳しくは過去の記事参照されたし!)

私はそうならないように、対策を呼び掛けている。
そしてこの物件はしっかりその対策を取っている。

事ほど左様に、このモデルハウスでは今、名古屋で家を建てるにあたって、費用対効果、快適性、ランニングコスト等を勘案して、私がベストではないか?と考える<断熱・気密・冷暖房・換気>コンセプトが盛り込まれている。
7月竣工予定のこのモデルハウスについて、今後もレポートしていきます。

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