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「見えないものは感じよう」気密測定のイベント報告

先日(2022年11月13日)、これから家作りをお考えの方向けに気密測定を行うイベントを開催した。
主催は河井建築さん。

https://www.kawaikenchiku.co.jp/

勉強熱心で、営業・設計・現場が一体となってよりよい家作りを志向していらっしゃる。
私も家作りのお手伝いをさせていただいている。

住宅における<気密>の大切さは一般の方にも浸透しつつあると感じる。
よって、住宅選びの際の一つの指標として
「御社の住宅のC値(気密性能を表す単位)は平均どれだけですか?」
と、質問するお施主さんも増えている。
気密は住宅という商品に織り込まれた一つの「価値」であり、建物本体金額に含まれている。

タイルやキッチンや「天井高2200」はショールームやモデルハウスで確認できる。しかし、気密という商品価値は契約前に確認できない。何故なら施工によって担保されるからだ。
また、入居後もなかなかその商品価値を確認しにくい。気密は無色透明だからだ。村上龍でさえ、限りなく透明に近いとはいえブルーなのに。
前時代的住宅であれば、冬場の隙間風が「そういや、この家には気密(という商品価値)はなかったな。」と気付かせてくれるだろうが。

よって、住まい作りにおいて気密(C値)が気になりだしたお施主さんは悩ましい。気密が気になった以上、それを理解したいはずだ。
そこで、「これから住宅を考えているお施主さん向けに」気密測定の実測パフォーマンスを工務店さんと一緒に定期的に行っている。
無色透明、身に見えない「気密」を五感で感じてもらいつつ、日頃気密測定を行っている私がゴリゴリ理屈を叩き込み、五感+理屈で気密を理解してもらおうという主旨だ。
先日の河井建築さんとのイベントがまさにそれ。

猫背気味に説明する私

で、これが当日の画像。

・建物の気密とは?
・気密によるメリット
・C値とは?
・C値の目安(ランキング的なもの)

について、レジュメを渡してご説明し、実際に気密測定を実施
その後、圧をかけっぱなしにして、漏気個所を探したり、「漏気があると計画換気が難しい」ことを肌で感じてもらうパフォーマンスを行ったり。

参加されたのは4組。皆さん真剣に観察され、たくさんのご質問をいただいた。その一つ一つに真摯にお答えした。
イベントが終わりを迎える頃には、ご参加された方はとても晴れやかな表情をされ、異口同音に「とても勉強になりました。ありがとうございます!」と、勿体ないぐらいの感謝のお言葉をいただいた。
きっと、目に見えない「気密」という、なんというか<鵺(ぬえ)>みたいな存在のその手掛かりを得て、可視化されたからではないか、と思う。

さて、肝心の気密結果だが、C値0.3cm2/m2というとても素晴らしい測定結果だった。

測定結果C=0.3cm2/m2

そもそも、こんなイベントが成立するのは気密について真面目に取り組んでらっしゃる河井建築さんあってのこと。
ちなみにイベントの前に
「河井さん、前日とかに予備測定します?(別途費用はかかりますが)」
と、聞いてみた。
当日、期待通りの性能が出なかったら、公開処刑に等しいからだ。
しかし、その質問に対する答は
「必要ないです。」だった。
イベントの際は、毎回このスタンス。
公開処刑となるいわれはないという、施工に対する圧倒的自信。
感服いたします。

そんなこんなで、今後も気密測定イベントを開催しますので、
気密という<鵺(ぬえ)>の、その一端に触れたいとお思いの方とお会いする機会をお待ちしております。
(イベント告知は河井建築さんのHPで!また、他のエリア・工務店さんとも同様のイベントを不定期で開催しています。そちらも、今後ご案内していきます。)

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