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それ、Fundsなら実現できます【FundsAC2022連動】

※ これは「Funds Advent Calendar 2022」24日目の記事です。※

ご無沙汰しております。ファンズ CLO(Chief Legal Officer)の髙尾です。note更新は前回のAC2021連動のエントリー以来ちょうど1年、2年連続24日登板ということでイブの人になりつつあります。

2021年12月24日の記事でFundsについて以下のようなことを書きました。

Fundsに愛情と情熱を注ぎ続けられる大きな理由の一つは、この拡張性の高さにあります。Fundsこそが日本の資産運用の在り方をアップデートする存在であると本気で信じられるのです。

さて、Fundsに翼を授けるのは?

今年11月28日に政府の「新しい資本主義実現会議(第13回)」で決定されたスタートアップ育成5か年計画(以下、5か年計画)を読んでいて、「この方向性、Fundsにピッタリ合ってるじゃん、政策実現の担い手になれるのではないか。」と強く感じたので、5か年計画の内容に触れながら、Fundsの拡張性について少し語ってみようと思います。

政府の政策方針:成長と分配の好循環

岸田政権発足後、2021年10月15日の閣議決定により「新しい資本主義実現会議」が設置されました。この会議の位置づけは、官邸主導で政策を推進する司令塔といったところで、コンセプトの違いはあれど、菅政権では成長戦略会議(安倍政権では未来投資会議)が担っていた役割を継承するものです。

新しい資本主義実現会議のコンセプトとは何か。以下のとおり、経済政策に関しては「成長と分配の好循環」です。この言葉は岸田首相も繰り返し発言され、メディアでも多用されてきたのでご存じの方も多いと思います。

「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」をコンセプトとした新しい資本主義を実現していくため、内閣に、新しい資本主義実現本部を設置しました。

内閣官房・新しい資本主義実現本部

このコンセプトに基づいて、5か年計画や「資産所得倍増プラン」(以下、倍増プラン)で具体的な政策プランが示されているわけですが、「成長と分配の好循環」を実現する鍵は以下の記載に端的に示されていると思います。

我が国において家計金融資産に占める現預金の割合が欧米諸国に比べて大きいことは、戦後、企業が銀行などの金融機関からの借り入れで調達する間接金融が発展してきたことも一因である。貯蓄から投資を実現し、直接金融への転換を推進することは…企業の成長を支えるリスクマネーを円滑に供給することにもつながる。
中間層がリターンの大きい資産に投資しやすい環境を整備すれば、家計の金 融資産所得を拡大することができる。また、家計の資金が企業の成長投資の 原資となれば、企業の成長が促進され、企業価値が向上する。

倍増プラン 1頁

5か年計画の政策パッケージとFunds

5か年計画では、現在8,000億円規模のスタートアップへの投資額を2027年度に10兆円規模にまで拡大することを掲げ、ユニコーン(時価総額10億ドルを超える未公開企業)を100社創出、スタートアップを10万社創出、日本がアジア最大のスタートアップハブになるという政策目標を掲げています。

その上で、①スタートアップ創出に向けた人材・ネットワークの構築、②スタートアップのための資金供給の強化と出口戦略の多様化、③オープンイノベーションの促進を具体的な政策パッケージの3本柱としていますが、ここでは特に②の中から注目すべき施策を取り上げます。

事業成長担保権の創出

まず、「事業成長担保権の創出」です。

有形資産を多く持たないスタートアップ等が最適な方法で成長資金を調達できる環境を整備するため、金融機関が、不動産担保等によらず、事業価値やその将来性といった事業そのものを評価し、融資することが有効である。
そのため、スタートアップ等が、事業全体を担保に金融機関から成長資金を調達できる制度を創設するため、関連法案を早期に国会に提出することを目指す。

5か年計画 18頁

成長性の高いスタートアップに対し、事業性に着目してプレIPOの段階で融資を供給することは、スモールIPO(小粒な状態で上場しその後もグロースしない)の問題を解消し、スタートアップを大きく育てる上で重要なテーマです。例えば、Uber、Airbnbは上場前にそれぞれ40億ドル、10億ドル規模のデット調達を行っており、プレIPO段階でのグロースにデットを有効に活用しています(c.f. Venture Debt a Maturing Market in VC)。

今年は日本でも銀行による100億円を超えるスタートアップデットの事例が出てきましたが、事業特性上、債権に着目したABLな発想で融資判断を行うことが可能と思われるケースであり、多様な業態のスタートアップが将来性(キャッシュフローの創出能力)について適切な評価を受け、デット調達の機会を十分に確保できる状況を実現する必要があります。

Fundsの参加企業は上場企業中心でありつつ、実は未上場企業についても、例えば、五常・アンド・カンパニーさんにこれまで合計8億円の貸付を実施しており(現在、募集中のファンドを募集金額は合計11億円)、GENDAさんに合計5億円の貸付を実施しています。

当社の審査手法については、あまり対外的に情報発信をしていないですが(AC2021のある金融マンのつぶやきは貴重)、将来のキャッシュフロー分析に注力した審査スタイルを2019年1月のサービス開始から4年にわたり追求してきました。事業性に着目した審査能力は、当社の経営上のケイパビリティを構成するものであり、事業成長担保権に馴染む審査手法をどこよりも実践してきた(=事業成長担保権の活用ポテンシャルをどこよりも有している)事業者であると自負しています。

銀行等によるスタートアップへの融資促進

さらに、5か年計画は「銀行等によるスタートアップへの融資促進」を項目として掲げ、銀行等に対し、より明確かつ直接的にスタートアップへの資金供給を注文しています。

融資を通じたスタートアップヘの資金供給について、金融行政方針等に基 づく銀行等へのモニタリングの中で…スタートアッ プ向けの支援の状況についても、機動的に確認、フォローする。

金融機関によるファンドの組成や地域金融機関によるスタートアップへの投資を促進する。…銀行からスタートアップへの継続的な投資については、投機的な非上場株式として制約の対象としないことを明確化し、周知する。

5か年計画 18-19頁

家計の金融資産2,005兆円のうち、預貯金が1,100兆円と過半を占めていることからすれば(2022年9月末現在。c.f. 日本銀行速報)、預貯金のリスクマネー化をいかに実現するかは極めて重要な課題です。倍増プランが、「貯蓄から投資を実現し、直接金融への転換を促進することは…企業の成長を支えるリスクマネーを円滑に供給することにもつながる。」と指摘している点にも同様の問題意識を読み取ることができます。

預貯金のリスクマネー化は、金融機関自身が事業性に着目した融資を積極化したり、スタートアップへの投資を活発に行うことによって実現し得るものですが、事業性に着目した審査能力を活かして、Fundsがここで価値を提供する余地もあると思っています。例えば、金融機関向けにデットファンドを組成したり、シンジケートローンのアレンジャーとなって事業成長担保権を伴うコンソーシアムを形成するといった形で、預貯金を成長資金に振り向ける機能を果たすことが考えられます。

改めて、Fundsの強み

Fundsは資産運用サービスの中でも、自分たちで商品を組成して借り手企業に対する資金供給を支援している点に強みがあります。これは、プライマリー市場で商品提供を行っていると言い換えることもでき、セカンダリー市場で商品提供を行うサービスなどと比較して成長資金の供給源として直接的なインパクトを与えることができます。

また、投資家側から見た場合、貸付で運用されるデット商品ということで、一般にエクイティ商品よりもローリスクで平均2%程度(年利・税引前)のリターン(Fundsの実績についてはこちらをご覧ください)を得ることができ、預貯金に近い感覚で資産形成に取り組めることが特徴です(ただし、預金保険制度の対象でない点にはご留意ください)。

このような強み・特徴をもつFundsは、「成長と分配の好循環」という政府の政策方針の実現を可能にするサービスであり、僕らはきっとこの先、より大きな社会的役割を担う存在になれるのではないかと考えています。

最後に

24日のクリスマス・イブの数時間をこのnoteを書くことに費やしましたが(現在、22時28分)、Fundsの拡張性と可能性を少しでも感じていただけたら嬉しく思います。当社では、以下のポジションを募集中です。

スタートアップが好きな方、フィンテックが好きな方、社会的役割を担う資産運用サービスをつくる挑戦に共感いただいた方、ぜひご応募ください!


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