シンガーがギタリストとしての仕事を頂いた話

「シンガー塚本タカセ」
2022年6月某日六本木某所、日本で活躍するトッププレーヤー達に混じり、ファンクシンガーであるモミー氏のライブでFenderギターを掻き鳴らすプロシンガー塚本タカセ

そもそも塚本タカセは2017年頃からシンガー、ゴスペル講師として活動をスタートした。都内を拠点に地元秋田での演奏活動も行い、沢山のファンや生徒に恵まれている。

音楽遍歴として、小学校6年間ピアノ教室に通い、中学1年からギター、大学2年でゴスペルに出会い、その後バンド活動やアメリカゴスペル修行などを経て現在の活動に至る。

2018年 地元秋田で開催されたゴスペルワークショップの様子


「パンデミック禍でもがいたSNS活動」
2021年、流行りの病によりシンガー・ゴスペル講師としての仕事は激減し、そろそろ個人ボーカルレッスン (ボーカルレッスンHP)の生徒を本気で増やさねばならないとTwitter (塚本タカセTwitter) での宣伝活動に熱を入れ始めた。

とにかく歌を聴いて貰いたいからバズりたい。その一心で辿り着いたのは自分の音楽スキルを総動員した演奏動画投稿でした。

歌だけ上手い、だと世界中に沢山いる中でギターもガンガン弾きながらの大谷翔平選手的二刀流は日本ではあまり見ない。
もちろんいるにはいるがTwitterではあまり見なかったし、ましてやR&BやSoulを歌う人はほぼ見ない。

John Mayerが日本でもポピュラーになって以降、シンガー兼ギタリストなスタイルはそれまでの比じゃない位に普及したと思う。

そこで、日本でより多くの音楽人の目に触れるためには…
そう、ギターのマーケットが恐らく最大級だからターゲットに出来れば歌だけに絞るより上手く広まるのではないか!
と、戦略的に始めたわけではなかったが、心のどこかで気づいていたかもしれません。

かなり脱線した上でもう一度言いますと、”歌”を聴いて貰うために選んだ”ギターもバリバリ弾く”、という選択でした。

毎度手応えが有り、月2本くらいのペースで頑張っていたら想像以上にフォロワーが増えた。



「運命のダイレクトメール」

有難い事にレッスン生徒さんも順調に増えていく中で2022年3月、とある方からTwitterのダイレクトメールが届いた。

モミーさんだった!

スーパーファンキートリオ「モミーFunk!」のモミーさんといえば、自分の中でファンクを歌わせたら右に出る人はいない尊敬するシンガーだ。自分もソウルフルなボーカルを探求する身として、彼は日本でも稀有な存在と一目置いていた。

モミー氏と俺。 2022年9月渋谷琥珀さんにて開催したデュオライブの後

ついに演奏動画投稿の努力がモミーさんにまで繋がったか!と、とても嬉しかったな。有名無名関係なくやり取り出来る様になったこのSNS時代に感謝。メールの内容としては、なんでも自分の演奏動画を見て連絡下さった様で、今度直接会って相談したい事があるという事だった。

後日、近所のカフェにて初対面(自分は過去にモミー氏のライブを見に行った事はあった)で色々とお話しさせて貰った。
そこで、モミー氏のソロ活動スタートライブにギタリストとしてお誘い頂いた。まさかだった笑
受けるかどうかメチャクチャ悩んだ(ギター演奏単体でプロの現場を踏んだ事は勿論無かったですし)。

だって自分シンガーですから笑

でも、大好きなモミーさんボーカルの横で大好きなギターが弾けるなんてそんな幸せな事は無いなという事で参加させて貰う事に決めました。

モミーさんがどういう思いでプロシンガーにギタリストとして声をかけたかはハッキリは聞いていないが、個人的にはリードシンガーの孤独さや大変さを経験してきたつもりなので、立場を自分に置き換えたときに歌える楽器プレーヤーがバンドにいたら凄い心強いだろうなと思った。
自分がシンガーとしてゴスペルディレクターとしてアメリカ黒人音楽に従事してきた経験が存分に役立てるなと思った。

2014年 米New Jersey州で開催されたフェスでゴスペルクワイヤの一員として出演した塚本

アメリカ修行時に黒人教会で歌ったり、現地のセッション等に参加してヒシヒシと感じた事は、歌が最優先だということ。どの楽器プレーヤーも小さい頃から教会でゴスペルや讃美歌を歌って育ってきてる場合が多いし、とにかく音楽が街に溢れているので、歌をとてもよく知った上で楽器を演奏している。プレーヤー皆が実際に歌える事は黒人音楽を演奏する上で必要不可欠なんだと感じた。


「ファンクを人前で演奏するまで」
ところで自分で言うのもなんだが、塚本タカセはギター小僧である。10代の頃はロックギターに傾倒し、将来はギタリストになりたいとさえ思っていた。それが19歳の頃にブラックゴスペルに出会う事により、シンガーへとシフトチェンジしていった。歌一本に集中しようと人前でギターを弾くのを辞めていた時期もあった。が、上京してから出会った音楽仲間にギター弾かないの勿体無いよ!と悟されてから、ギターヴォーカルの自我を回帰させた。

6月のモミーバンドリハーサルにむけて、James BrownのFunky D(曲のキーがDの場合が多いことから)を出来るだけ叩き込もうと練習に励んだ。誰よりも曲に馴染んで、急なキューにも対応出来る様に笑
自分が培ってきたGrooveは嘘をつかないと信じて。
なんせ共演メンバーがまさかのスーパープレーヤーばかり(下記のフライヤー画像を参照)だったので、こんなプロギタリスト現場を踏んだ事ないやつが足を引っ張りたくなかった汗

泣く子も黙る演奏メンバー

自分は慣れない事ばかりで緊張もあったが、コーラスもとても楽しくてギターだけじゃなくて歌声でも活躍出来た事に満足感は大きかった。
バンドリハーサルは和やかに楽しく終わった。
黒人音楽を愛するメンバーの皆さんが日本では殆ど機会が無いであろう本気でJames Brownの楽曲を演奏する、という事を心から楽しんでいる様だった。


「シンガー塚本タカセだったからこそ」
6月某日六本木の本番当日。
言うまでもなく最高な2セットをモミーさん、バンドの皆さん、多くの観客の皆さんと味わった。

2022年6月六本木R3 Club Loungeでの終演後

10代の頃に夢見ていたプロギタリストとしての舞台が夢叶った瞬間だった。しかも自分が主戦場とするソウルミュージック、ファンクの演奏でその舞台を踏めた事は自分のシンガー人生をも正当化してくれる様なそんな気もした。
シンガーとして歌を追求し、得たフィーリングにモミーさんが呼応してくれた結果の夢舞台だったんだよ、と大袈裟だけどそう。

その後、2022年にモミーバンドのギタリストとして4本のライブを成功させた。初ライブのメンバー以外にも素晴らしいミュージシャンと演奏する機会を得た。

モミーさんにはギターがバンドのGrooveをリードする様なイメージがあると伝えられている。
2023年もそう在れる様に活動していきます。

Thank You モミーさん!!

塚本タカセ


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