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高校生エンカウンターグループ、30回目を終えて

2020年6月から、
私は、高校生とともに、
エンカウンターグループを行っています。
本日(2022年11月17日)、72回目を終えました。

どんな内容なのか?を、
このnoteに、記しておこうと思っているのですが、
開始からちょうど1年が経った頃に、
アメブロに書いた記事、
そして、
そのさらに1年後(すなわち今年)の7月にアメブロに書いた記事、
このふたつを、
そのまま載せようと思っています。
そのときの、私の熱が、
非常に良い文章に昇華しているので、
そのままを載せたいと思っているのです。

まず今日は、
開始から1年後に書いた、
『高校生エンカウンターグループ、30回目を終えて』
をお届けします。





『高校生エンカウンターグループ、30回目を終えて』


「こういう場があったらいいな」
という思いのもと、
私は、
2020年6月末より、
だいたい週1ペースで、
高校生と共に、
グループディスカッションを行ってきました。

2020年度、全25回。
参加してくれた生徒、1回こっきりという生徒も含めて、30数人。
1回の最大参加人数、14人。
1回の最小参加人数、4人。
平均して、だいたい、1回のディスカッションに、約8人が参加してくれました。

ちょこちょこ休みつつも、
全25回の内、半分以上参加してくれた、レギュラーメンバーと言える生徒が、約15人。

その中で、数人が卒業し、
そして、今年度が始まり、
今のところ、
5回目が終了。

今年度に入ってからは、
新たなメンバーがさらに加わっています。

今年度に入ってから、
ディスカッションを重ねる中で、
私は、
確かな手応えを感じています。

冒頭で述べた、
「こういう場があったらいいな」という思い。
それは、
以下のようなこと。(完全には説明しづらいのですが…)


様々な価値観を持った人達が、
それぞれ自分をありのままに表現し、
それが共存できる場。

「自分の大事な思いが傷つけられるのは嫌だから、言わないでおこう…」という構えのもと、
その集団の中に居続けるのではなく、
自分の、
喜び、怒り、悲しみ、恐怖、
その全部を話すことができ、
それが、
認められる場。
それが、
きちんと、丁寧に扱われる場。
気を遣われるのではなく、尊重されるカタチで、大切に扱われる場。

誰かが嬉しい内容の話をして、その場がそういう空気になった。「この雰囲気を壊してはいけないかな…、心が沈むような話はしないでおこう…」ではなく、
急に心が沈むような話をしても、必ず、真剣にそれが受け止められる、そんな場。

「心が晴れている」、そんな状態から出てくる話だろうが、
「心に音もなく雨が降っている」、そんな状態から出てくる話だろうが、
何だってOK、
1回のディスカッションで、いろんなテンションの話が共存する、そんな場。
素直な気持ちをいつでもしゃべって良い、そんな場。

自分のことを話すことに慣れていて、言葉が巧みな生徒、
自分のことを話すのが苦手で、うまく話せないという生徒、
その両者が、共存できる場。
それぞれが、安心した心で常にいられる場。

などなど。


私の役割は、
それを可能にする話の聴き方をし、
そして、適切な評価をし(過大評価も過小評価もしない、気を遣うこともしない、ありのままをただ柔らかくキャッチする)、
全体のバランスを取りながら、話を振っていく。
そんなところ。
加えて、
私は、私の過去について、ガンガン話します。
それは、話しやすい空気をつくるために。
「あっ、話してもいいんだ」と思ってもらえるために。
(正直なところ、私もしゃべりたい、という部分もあります笑)


2020年度は、
試行錯誤の連続でした。
「今回はうまくいったのか?生徒に、マイナスな思いのみを残してしまったのではないか?」と、終わった後に、自問自答することもありました。

参加してくれた生徒が、
継続して来てくれる、
それは、ただただ嬉しく、
そして、
「その生徒達がこの先もずっと参加してくれるためには、これからどんな工夫が必要だ?」と、毎日考えていました。

そして、
無事、25回を終え、
新しい年度が始まり、
新しいメンバーが加わり…

新しいメンバーへ、
昨年度からのレギュラーメンバーが、
宮川ディスカッションってどういう内容なのか、どんな気持ちで参加すればよいのか、など、
説明してくれました。

彼ら彼女らは、
それぞれに、このディスカッションの良さを抱いてくれていました。

そして、
その中で出た話でもあり、
私自身、気付いていたことでもあるのですが、

私の想像を越えていた、
このディスカッションの成果というのがあって、
それは、
お互いの、過去のありのままの出来事や気持ちを聴き合うことで、
いつの間にか、
メンバー全員に対して、「尊敬」の念が生まれているということ。
それが誰であろうと、
「尊敬しあう」というカタチに向かっている。
気付いたらそうなっている。
心の距離感が、もの凄く、程よいのです。
遠いようで近くて、でも近いようで遠い、そんな距離感。
尊敬しあうということは、安心しあうということです。

私は、
宮川ディスカッションを一緒に作り上げてきてくれたレギュラーメンバーのことを、
「仲間」だと思っています。
ホントは、「友達」と言いたい。
それぐらいです。


昨年度は、
「これでいいのか?もっとよいやり方があるんじゃないか?」と試行錯誤の連続でしたが、
今年度、
私は、楽観的にいます。
それは、
昨年度のレギュラーメンバーを信用しているからです。
昨年度、
話しやすい空気をつくるために、私は、自分の話をいろいろしていたのですが、
その役割すら、
昨年度からのレギュラーメンバーが、今はしてくれます。
彼ら彼女らのおかげで、
軌道に乗っています。
それを、
私は凄く感じているのです。


宮川ディスカッションを始めて、
ちょうど1年、
宮川ディスカッションの、基礎は完全に固められた、
そう感じている最近。
レギュラーメンバーの、未だ知らなかった新たな面や、昨年度からの変化・成長の話、
そして、新たなメンバーの、言葉ひとつひとつ、
私はそれが、
楽しくて仕方がない。
ワクワクします。

真面目な話、
それらは、私にとって、
どんなに優れた小説や映画よりも、価値がある。
そこに広がる現実、喜び、妙に共感する部分、過去の悲しい・悔しい思い、様々な葛藤、その年齢にしてそんな経験をしてきたのかという驚き、その年齢で自分のことをそこまで言葉に出来るのかという驚き、などなど…。

ネット上ではなく、
目の前に、
私の心を揺さぶる物語が、あるのです。
それぞれが、その人生をこれからも生きていく。現実。
それを知る、それはもはや、仲間。
「誰々、今がんばっとんだろうなぁ」
「誰々は相変わらずかなぁ」
なんて思いながら。

私は、
このチームは、世界中のどんなチームにも負けない、素晴らしいチームだと、思っています。


ちなみに、
宮川ディスカッションでは、
「否定はしない、意見もしない、アドバイスもしない」というカタチでやってます。
将棋でいうところの、王手はしない。
「解決」には向かっていないのです。

「私はこう思います」
「私は今こんな風です」
「私の考えはこうです」
「過去にこういうことがありました。私はこう思いました。そして、こう考えるようになりました」
などなど、
ただ、それらを言い合う。
それが、
ありのままに受け止められる、
そこに安心が生まれる、
真剣になれる。

自分のことを話す、
それは、
自分の心を言葉にし、説明するということ。
「自分の言葉」を持つということ。
「自分の言葉」のレベルが上がるということ。

そこ、
そこなんです。
心理学云々は正直どうでもよくて、
そこなんです。

「解決」するにはどうしたらいい?という話に向かうのではなく、
ただ、それぞれが、自分を話す。
それを繰り返す。
誰かの話がきっかけになり、自分の滞っていた思考が循環し始めたり。
それを、
(週1ペースで)繰り返す。
ただ繰り返す。
するとどうなるかというと、
月日が経ち、
様々な行動の中で、自ら成長していく。
新しい大きな気付きを得る。
過去の自分からの脱皮。
それを、
またディスカッションの中で話す。
それを聴けたとき、
私は思います。
「待つ」ことがいかに大事か、と。
「きっかけを、自分で掴む」ことの大切さ。

私は、
1人1人の中にあるはずの、人としての「たくましさ」を信じる。

1対1ではなく、
グループでやるからこそ、
それが、スムーズに成り立ちます。


人生、
何かにつまずいて、
心の循環が滞ってしまうことがあります。
あるいは、
循環していても、
そのスパイラルが負の方向に向かっていたり。

それらを、
その状態よりも良くするために、
1対1で心理カウンセリングが行われることもあるわけです。

滞っている心を循環させたり、
スパイラルを負の方向ではなく、正の方向に整える。

しかし、
私は、
それを、
集団の中で、
心理学とか関係なく、
「素直な心」を交流させることで、成していきたい。

日本人の特徴として、
空気を読むのが上手く、それに馴染むことも上手い、という点があると思います。
「みんなが当たり前にやっている」ことは、あぁそういうもんなんだ、と、みんなに溶け込んでいく。
それを、逆手に取る。
まず、
心が解放されている空気を、集団でつくる、
そこに、
心を閉ざしている人間が入る、
最初は、疑心暗鬼が拭えないかもしれない、
しかし、何度もその空気を浴びることで、
肩のチカラが抜けていく、
あとは、最初の一言を発する勇気。

グループだからこそ出来ること。
孤立させない。

自分で考え、行動する、
その結果に対し、じゃあ次はどうする?
自分で考える。

それが、
まず軸として、それぞれにあり、
それを、報告しあう、
安心できる場で、
尊敬しあえるメンバーの中で、
報告しあう、

そんな場。

宮川ディスカッション、
改め、
宮川エンカウンターグループは、
そういう場です。


人生のサービスエリアみたいな。
微妙な例えですが。


親愛なる仲間に愛を込めて。


(2021年6月24日)


ミヤボ
宮川 崇
お問い合わせは、

shinriseiton@gmail.com

まで。

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