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【ジョブズの命日~己事究明】


今日、10月5日はスティーブ・ジョブズの命日。9年前に56歳の若さで亡くなったんですね。

アップル製品は何も持っていないのですが、PCの壁紙にするほどジョブズの名言で好きなものがあります。
”Your time is limited, so don’t waste it living someone else’s life. “

色々な意味にとれますが、これまで自分はこんな風に解釈にしていました。「自分の時間は限られているから、他人の人生に振り回されて無駄に過ごさないこと」

少々、乱暴ですが、「一意専心」なのかなと。ジョブズもひとつのことに専念してきたからこそ、あれだけの偉業を成し得たのだ。ビジネス界でも、そう理解されています。他社の真似なんかしないで独創性だ!なんて。

私は気が多い方なので、あっちこっちと夢中になり、ひとつとしてモノにできないから、余計に「ひとつを極める人」に憧れます。

ところが、最近、禅を調べていて、はたと気が付きました。
禅の教えでは、「余計なことを考えたり行ったりする人生の生き方を捨て、自分というものをどこまでも探究していく」。これを、『己事究明(こじきゅうめい)』というのですね。かなり端折りますが、自分を明らかにすると幸せになれるということです。(詳しい方がいらしたら浅学ですいません)。

そう考えると、ジョブズの言いたかったことは、他人の意見に左右されずに自分の仕事に専念しようだけではなく、自分自信を徹底的に追求すると、本来の自分が見えて幸せになれると、その先もあったのですね。ビジネスの範疇に収まらない、かなり大きな人生訓だったんですね。

ジョブズは鈴木大拙に弟子入りをしたほどですから、禅の心得は十分だったのでしょう。

最後に、ジョブズはこの名言をこう結んでいます。
「他人の意見が雑音のようにあなたの内面の声をかき消したりすることのないようにしなさい。そして最も重要なのは、自分の心と直感を信じる勇気をもちなさい。それはどういうわけかあなたが本当になりたいものをすでによく知っているのだから。」

まったく、そうありたいものです・・・。


(写真は玉堂美術館の庭。自己を追求し独自の画境に到達した近代日本画壇の巨匠、河合玉堂の作品が見られます)

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