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画像選別のワークフロー(一例)

近年は撮影機材の進歩やフラッシュストレージの進化などで、ライブ撮影で1時間で1万ショット普通に撮影できてしまう時代になってきたので、撮影枚数が増えてとりあえず撮っておく写真というのも増えてしまうのはある程度仕方ないところもある。機材的により多くの撮影枚数を撮ることができるようになりいいシーンを撮ることができる可能性が上がった反面でより多くの写真から撮った後に選別すると撮れていても見落とすカットが増えてしまうので、選別作業も効率的に行う必要があると思う。


0,レーティングの重み付けを決める

まずは自分の中でレーティングの重み付け(マイルール)を決める。

自分の中では以下のようにしている(守っていないときもあるが)

☆2:PCに転送後にDPPでレーティングしているときにつける、とりあえず付ける場合
☆3:カメラ内でレーティングした場合にとりあえず付ける場合
☆5:撮影中に絶対に使うと思ったカットにつける。☆2の写真を一覧で見て現像すると決めた場合につける

ポイントとしては、☆1-5までレーティングがあるなかで、細かく分けすぎないことと、5種類全部は使わないことだ。
5種類全部使わない理由としては、作業中に一旦保留にしたい場合とかに5種類の☆が使われていると混ざってしまうから基本的に使わない☆を用意しておくと良い。
(例:類似する連射カットを一度避けておくときに☆1を使ったり)

1,レーティングする

まずは注意点から。
撮影中(撮影後)にデータをレーティングでセレクトする場合、画像の消去はカメラ内で行わないことだ。(撮影や転送が終わり次の撮影に備えて全消去やフォーマットを行うときはカメラ内で行うが、ここで言う削除は明らかな不要カットとして数枚の単位で削除をう場合のことを指す)

理由としては2つあり
1,間違えて全消去してしまったり、複数選択で大事なカットまで捨ててしまった場合に取り返しがつかないから
2,カメコの場合は1万ショット以上撮ると画像番号が1周して2フォルダ目にに入ることもよくあるが、画層番号が飛んだりしているとエラーが起こるリスクがあるから

カメラを使ってのレーティングは大きく2つに分かれる

  • 撮影中にレーティングをつける

  • 撮影後にレーティングをつける

1,撮影中にレーティングを付ける場合、カメラの操作をしていると次のシーンを逃してしまうことがあるので、この写真は絶対に使いたいと思ったときなどにサクッとレーティングをつけておこう。(連射カットを全部丁寧に見るのではなく、とりあえず目印的な意味合いでつけて、撮影後に前後の連射カットも含めて探し直す)
2,帰りの電車や、特典会を待っているときなどの暇な時間に、カメラの再生機能を使ってレーティングをつける

全機種かは知らないが、Canonのカメラの場合はレーティングボタンを押したときにどの☆の数字を使うか制限することができるので、自分は☆3-5のみをカメラからレーティングとしてつけられるようにしてあり、レーティングボタンを1回押せば☆3がつくようになっているので、ボタンを押す回数を減らす工夫をしている。

2,転送する

データをメモリーカードからパソコンの内部ドライブやポータブルのSSDなどに転送する。
人によってストレージに対してどれくらい予算を使うべきかの考え方は違うと思うが、一度保存しておくためのドライブにはポータブルのSSDを使用することを個人的にはおすすめしたい。(予算がある富豪の方はPCの内部SSDが大容量なモデルを買ってそこに入れればいいと思うし、自分も予算があるならPCを買い替えてそうしたい)

速度的にHDDに転送すると300GBくらい撮影した場合にはドライブへの転送だけでも1時間以上かかってしまい速度的に無理があるのでポータブルでもPCの内蔵でもいいが作業中の写真の保管にはSSDの使用をおすすめしたい。
ノートPCやiPadを使用しているとデータをSSDに入れて持ち歩いて出先で暇な時間に現像することも多いと思うが、持ち歩きを考えるとSSDのほうが耐衝撃性が高くて安全だと思う。

というのも、MacのBTOなどで内部ストレージをカスタムで大きくするのはかかるコストが高いし、実際に使ってみると結構足りなくなるシーンが多いから最終的にポータブルSSDに行き着くと思う。

ここでの注意点は以下のことが挙げられる(選別作業中にも言えることだが)

  • SSDの温度に気をつける

  • カードをカードリーダーに挿しっぱなしにしない

  • 静電気に気をつける

注意事項をあげたが、極論、静電気以外の2つはメモリーカードやSSDに過熱防止の安全装置があるので、寿命を縮める可能性はあっても壊れる原因になるとは考えにくい。

この記事を書いている季節柄もあるが、静電気には要注意だ。
日頃は不快な静電気だが、メモリーカードは人間よりも静電気に弱いのでメモリーカードに触る前はドアノブや机の足など、何かしらの金属製品に触れて静電気を逃がしてからカードに触れるように心がけると良い。

SSDなどのフラッシュメモリは熱に弱いので自作PCなどでも冷却が非常に重要なパーツの1つだ。きちんと冷却することでフラッシュメモリの負担を減らし破損のリスクを下げることにつながる。
当然SSDには過熱防止のシステムがついてるが、それでも最近の製品は転送速度を優先して放熱よりも速度を優先したチューニングに製品が多い。(最近は速くないと売れないし)筆者はSSDの過熱を防ぐためにAmazonで小さいヒートシンクを買ってきてその上にSSDを乗せて使用している。
金属製の筐体のSSDで本体を触って熱い場合は何か大きな金属の上に乗せておくと本体の熱を逃がすことができるのでオススメだ。ヒートシンクを買う前はMacBookの筐体に養生テープで固定してみたり、iPadに貼り付けてみたり色々したが、他の金属製のデジタルデバイスに貼り付けるのは咄嗟に使いたくなったときに使えなくなってしまって不便なので専用に冷却用の道具があるほうが便利)

自分が買ったヒートシンクはAmazonで1000円未満で売っていたので、1000円で冷却効果を得られると考えたらコスパの良い投資だと思う。

3,リネームする

メーカーによるが、画像番号が1周してしまって1つのファイルの中に同時に画像を入れられない場合は画像のリネームを行う。自分はDPPのリネームツールで行っているが、最初の状態のIMG_XXXX.CR3などの状態では今後他の画像と画像番号がかぶる場合があるので、イベント名や撮影日時などのかぶらなそうなものを入れてこれまで撮った写真、今後撮る写真と被らないようにするのがコツだ。
当然ながら、4桁だと画像番号が足りなくて全部の画像を連番にできないので5桁にする。(例:音羽卒業_XXXXX.CR3)また、画像番号は00000からではなく、00001からスタートさせる。理由としては、ソフトウェアやOSによって00000が末尾に表示される場合があったり、先頭に表示される場合がったりとケースバイケースなので見やすさの観点から00001から始めるのが良い。
あと、致命的な実害にはならないが、画像ファイル名が長すぎるとサムネ表示したときに先頭の名前で埋もれて画像番号が見えなくなるのである程度シンプルにしたほうが良い。

まとめるとポイントは以下

  • 画像番号の桁数を増やす

  • 00000から始めない

  • イベント名など固有のファイル名にして他の撮影と画像番号のかぶりを防ぐ

  • ファイル名が長すぎると見づらい

4,選別する

ここまで来れば選別作業は、選別者のセンスの問題なので以下略
個人的に重視するポイントは以下

  • ピント、手ブレなど解像度

  • 明るさ(RAW画像で明るさは調整可能なので、調整不可能なレベルじゃないか)

  • 白飛びの有無

  • ポーズの綺麗さ

  • 表情などの事故カットは外す

  • 曲の演出やMC中の重要シーンなど大事なポイントに注意する

  • フリッカー現象(高周波フリッカーがある場合でも類似カットをよく見ると顔にはフリッカーの縞が被っていない場合とか色々あるのでフリッカーがある場合は前後カットにも注意する)

  • などなど、色々あるので全て挙げるのは不可能ですが、一部分でも(そのうち思い出して書き足しそうw)

自分は画像が横に4,5枚並ぶ状態でサムネイル表示して、パット見で気に入った写真があったら拡大してピントなどをチェックしてレーティングしている。
写真としては全体のバランスも大事なので、最初から拡大状態で見ると全体バランスが見えないし、1枚ずつ見ていくと前後カットでどれが一番構図とかバランスが綺麗なのかの判断も難しいので、まずはサムネイルで広く見てみるのも大切だと思う。
カメコの場合はコンテストなどの機会が少ないが、いい写真はサムネイルで見た状態でもインパクトがあったり、サムネイルで見ていても綺麗なので、まずはパット見の綺麗さは非常に重要だ。まず、パット見で目を引かないレベルの写真は他にも無数にあるので漫然とセレクトしないことがポイントだと思う。(↓このときは、卒業公演で最後だったので多少容量が嵩んでもある程度枚数を残す方針でセレクトしていたのでセレクト基準が結構ゆるめだが)

5,不要カットを削除する

注意;一度削除するとデータを取り戻せないので削除の判断は慎重に

削除のタイミングは色々あると思うし、容量や作業時間に余裕があれば一通り画像をチェックして、もう1度チェックして見落としがないかチェックしてからセレクト外の写真を削除したり、そこまで重要性がない現場でなおかつ慣れてる人はセレクトしながら削除したりケースバイケースだ。

連日リリースイベントが続いていて翌日も撮影があって容量に余裕がない場合はセレクトしながら消す場合もあるだろうし、卒業公演や重要なワンマンライブなどでは一度消すと取り戻せないので慎重に消す判断をしたほうが良いともうので、ケースバイケースとしか言いようがない。

6,カードを初期化する

使い終わったら、カメラにカードを戻して初期化するか、作業中でまだ消すことができないなら代わりのカードをカメラに入れておいて、次いつカメラを持ち出しても撮れる状態にしておく。
最近のハイエンド機はデュアルスロットが普通なので、データ転送中やメンテナンス中であっても一時的に離席して戻ってきてうっかりカメラバッグに戻してしまう可能性もゼロではないので、デュアルスロットの場合は絶対に何かしらカードが1枚は入ってる状態になるようにしておくべきである。(突発的に撮影可能イベントが発生して急いで持ち出したときにカードが入っていなかったら大惨事なので)

まとめ

今回は自分のワークフローについてご紹介しました。
読者の皆さんの快適な現像に役立つと幸いです。

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