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マイナス金利解除の時期は? 日銀の10月の金融政策決定会合を受けての予想!

どうも、モゲ澤です! 先日のnoteで、2023年10月末に行われた日銀の金融政策決定会合では、日銀が長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の再修正を行ったことをお伝えしました(記事はこちら)。

この会合では、今後の金融政策の方向性について突っ込んだ意見がいくつか飛び出してきています。これは皆さんの借りる住宅ローン金利にも影響する重要なものです。

そこでこのnoteでは、日銀が公表した資料や植田総裁のこれまでの発言をもとに、現在の日銀のスタンスと、いつごろマイナス金利が解除される可能性があるのかについてわかりやすく説明していきたいと思います。

※    12月の金融政策決定会合を反映した見通しについては別途noteを出す予定です。お待ちください♫

基本的なスタンスに変更はない

ところで皆さんは、日銀の金融政策決定会合がどのようなメンバーで運営されているか知っていますか? 現在はこの9人で、その内訳は総裁が1人、副総裁2人、審議委員が6人という構成です。

日銀金融政策決定会合のメンバー

金融政策はこの人たちの議論を経て決められています。日銀は金融政策決定会合でメンバーから出た主な意見を公表しており、そこから主な意見をピックアップしていきますね。

金融政策決定会合で出た意見①

経済・物価の見通しは不確実性が高いとみるスタンスを示す発言です。これは相変わらずといったところでしょう。

金融政策決定会合で出た意見②

そして物価上昇の主因はコストプッシュ型という点も従来の見解のとおりでした。以前のnoteでも説明しましたが、インフレのタイプにはコストプッシュ型と需要牽引型の2種類があります。

日銀が目指しているのは需要牽引型のインフレ

日銀が目指している物価上昇は需要牽引型のインフレです。これは、賃金上昇→需要増大→インフレ→賃金上昇→・・・というサイクルによるもので、言い換えれば需要が増えて物の取り合いになるような状況をさします。

金融政策決定会合で出た意見③

金融政策決定会合では、この需要牽引型のインフレが実現するにはまだ距離感があり、金融緩和を続ける必要があると述べられています。

金融政策決定会合で出た意見④

そして賃金については2024年の春季労使交渉(春闘)でどれくらい上がるかに注目している旨の発言がありました。賃金上昇のゆくえを注視するスタンスもこれまでと大きくは変わりません。

将来のマイナス金利解除を匂わせる発言も

一方で、これまでとはトーンが変わってきている発言もあります。

金融政策決定会合で出た意見⑤

注目すべきは、「『物価安定の目標』の実現が視野に入ってきた」との意見です。いよいよ物価目標の実現が射程に入りつつあるとみる人も出てきたということですね。

金融政策決定会合で出た意見⑥

また、2%の物価安定の目標が実現する確度は高まっているため、最大限の金融緩和から少しずつ調整していく必要性についても言及されました。

金融政策決定会合で出た意見⑦

さらには、マイナス金利から「金利のある世界」に向けた情報発信の準備を匂わせる発言もありました。

マイナス金利の解除はいつくるのか?

新たな意見はいずれもマイナス金利を解除する方向のもので、「いよいよマイナス金利解除か?」と思う方もいるかもしれません。

ですが、これは金融政策決定会合のメンバー全員の一致した意見というわけではなく、一部の利上げ派の委員の意見だと思います(個人的には、民間金融機関出身の委員の発言じゃないか・・・と推測しています)。

これを踏まえて、「利上げはいつくるのか?」の予想もしていきます。

まず紹介したいのは実質賃金です。実質賃金とは、賃金上昇率から物価上昇率を差し引いたものですが、2022年以降は図のようにマイナスに落ち込んでいます。

2021年からの実質賃金の推移

賃金上昇が物価上昇に追いつかず、「インフレ負け」している状態ということですね。2024年も物価上昇率は2.8%と高水準の予想が出されていますので、これが実現するとなると、2024年度の実質賃金もマイナス圏を推移するだろうと予想できます。そして物価上昇率が1.7%と予測されている2025年度には0%付近になるのではないでしょうか。

これまで私は、この実質賃金がマイナス圏~0%付近であれば日銀は金融緩和の解除には踏み込めないと見ていました。が、以前に植田総裁が国会答弁で「金融緩和の解除判断時、実質賃金プラスは必ずしも必要でない」と発言したことや、10月の金融政策決定会合の意見をみると、見立てを修正する必要が出てきました(皆さんには申し訳ありません・・・)

つまり、実質賃金がマイナスでも上昇基調(回復傾向)にあれば、マイナス金利の解除に踏み切る(経済の好循環が実現してからではなく、その一歩手前の見通しの時点で判断する)ことへの含みも持たせています。

現在の予想としては、マイナス金利の解除の時期が2025年以内の解除に早まる可能性が30%くらいあるのではないかと考えています。

マイナス金利解除の時期は2025年内の可能性も

それでも大幅利上げはあり得ない

ただ、マイナス金利が解除される可能性が高まってきたからといって焦る必要はありません。マイナス金利が解除されるということは、賃金が上昇基調にあり、日本経済が良くなってきているということ。ですので、マイナス金利の解除によって生活がハチャメチャになってしまうようなことはありません。パニックにならず、冷静に対応していきましょう!

皆さんは「どれくらい金利が上がるのか?」が気になるところかと思いますが、日本経済の中立金利(経済を温めも冷ましもしない金利水準)は1%前後と言われています。

日本経済の中立金利は1%前後

それを考えると、マイナス金利が解除されたても、いきなり金融引き締めゾーンの1.0%を超えるようなことは考えられません。マイナス金利をゼロ金利にして経済の動向を十分に観察し、慎重に進めていくはずです。急な大幅利上げは心配しなくて良いと思います。

金融政策決定会合で出た意見は、「一部の委員がマイナス金利の解除に向けて地ならし的な発言をしている」のが実態と言えるでしょう。マイナス金利は異常事態に対する政策ですから、異常事態から脱却することは日本経済が良くなっているという証拠でもあります。ですので、悲観的になる必要はありません。

ただ、多くの人が金利の引き上げを心配している状況ですので、初回の利上げ(マイナス金利→ゼロ金利への引き上げ)が行われると、一般消費者には買い控えなどの防衛的な反応が大きく出て、その利上げ幅よりも大きな引き締め効果が出る懸念はあります。

ですので日銀には拙速な判断をすることなく、それを乗り越えられる経済状態なのかどうかをしっかりと見極めてほしいと思っています。

今後も金利情報やお得な住宅ローン情報を発信していきますので、ぜひフォローやスキ!をいただけると嬉しいです♪

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