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失敗の回数がイノベーションのカギなら、日本の会社は評価基準を変えないかぎり、イノベーションを生み出すことはできません。『人類とイノベーション 世界は「自由」と「失敗」で進化する』

『人類とイノベーション 世界は「自由」と「失敗」で進化する』は、失敗がイノベーションの原点だと突き止めたビジネス書です。
「イノベーション:試行錯誤で進行:人間バージョンの自然淘汰」「人びとが比較的繁栄していて、絶望していないときに起こる」「失敗:もっと賢く始めるチャンスにすぎない」など、失敗をチャンスと捉えられるかがカギを握るでしょう。
特に「原子力:イノベーションの実施の決定的要素に合わない」は、「なぜ核融合炉が実現しないのか?」の疑問に答えてくれます。
発電所は費用がかかり、過剰な規制に阻まれて、「やってみて学習する」ができないからです。
「福島原発は稼働時間が長すぎたために、システムの安全性が低下したのだ」とあるように、「規制機関が要求する必要以上の安全性は高くつく」のです。
日本政府は、イノベーションを掲げるなら、規制の全面撤廃をするくらいの気概を見せて欲しいものです。

「イノベーションの反対者:現状維持に、ばかげたことでも反論を探す」「イノベーション=エネルギー×ありえなさ」「何時間も働き、実験し、新しいことを試し、リスクを負う意欲」などを通して、反対にエネルギーを費やすくらいなら、イノベーションに費やす社会にしたいと考えさせられます。
特に「大企業はイノベーションが下手:官僚的・既得権が大きいので、可能性に注意を払うのをやめるから」は、大企業でイノベーションが起こらない理由を示しています。
イノベーションを盛んにするには、「門外漢・挑戦者・破壊者を受け入れる」寛容さが必要ですが、歴史的にほとんど見られないそうです。
「携帯電話は実際より数十年早くじつげんしていた可能性がある」とあるように、携帯電話を阻んでいたのは「政府が民間部門に既得権者と結束して、イノベーションに抵抗した」からです。
外れモノの前山もサラリーマンとして会社に望むのは、異端者を受け入れるだけの度量です。

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