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90年代の音楽を知らないアナタへ その36 LIVING LA VIDA LOCA (99)/RICKY MARTIN 不滅のセックスアピール!

リッキーマーティンの出現は衝撃的だった。白い歯を「ニカッ」と見せて笑う屈託のない笑顔は、その瞬間から世界中の女性を濡れさせ続けている。

そもそもリッキーがここまで注目され始めた切っ掛けというのはサッカーワールドカップのイメージソング「THE CUP OF LIFE/LA COPA DE LA VIDA」の世界的なリピートと、99年に行われたグラミー賞でのセンセーショナルなパフォーマンスだったと思う。R&BやHIP HOP一色だったアメリカをはじめ、世界のメインストリームにラテンミュージックの存在を「これが新時代の音楽だ」といわしめんばかりに、鮮やかに印象づけて魅せたのだ。

もちろんそれまでに、グロリアやセレーナといったアーティストが活躍はしていたが、彼女たちの作った流れとリッキーがこの1曲で成し遂げたことは同じことのようでちょっと違っていた。音楽業界は男社会ということが多いに関係しているだろうが、そういう政治的な話しではなく、まぎれもなく女性へのセックスアピールが世界を動かしたといっていいだろう。そして図らずも同じようにセックスアピールを感じていた男性ゲイのパワーも大きく関係しているように思う。

グラミー賞のパフォーマンス後、「リッキーマーティンって何者!?」たるニュースが世界中に流れ始め、彼の言動や過去の作品が売れはじめる現象になった。

そんな渦中にあったリッキーから、次なる一手としてリリースされたのがスパングリッシュで歌われる「LIVING LA VIDA LOCA」である。

シングルとして大ヒットするポテンシャルを秘めた、新時代に相応しいダンスミュージック。ホーンセクションや歌を聴かせるという本質的で懐かしい要素も加わって世界中で大成功をおさめた。

彼の腰の動きと顔のアップを多様したミュージックビデオに、きっと何度も昇天した女性が世界中にいるに違いない。そう思わせるほどセクシーで自信に満ちあふれたリッキーの姿が終始映っており、時代を象徴する1曲として相応しい永遠性もしっかり内包されている名曲だと改めて思った。

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