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PMF前のプロダクトローンチ直後に広告費ゼロでグローバルの超大企業からお問い合わせいただいて受注した話

※ この記事は、B2Bマーケティング Advent Calendar 2023の21日目の記事です。昨日はTORIHADA卯木さんの『TikTokマーケティングにおけるOperational Excellenceと向き合った話。』でした。Xのハッシュタグ「#B2Bマーケアドベント」もご覧ください!

こんにちは。マインディアでマーケティング・広報を担当している石渡です。前職のときから私のことをご存じだと、私のことを「アプリマーケの人」として認知されている方も多いかなと思うのですが、今回はBtoBマーケティングに関する記事です。

マインディアはコンパウンドというわけではないですがいくつかのBtoBプロダクトを展開していて、その中の1つにMineds for EC Data(MEDと略します)というものがあります。

この記事では、『PMF前のプロダクトローンチ直後に広告費ゼロでグローバルの超大企業からお問い合わせいただいて受注した話』をご紹介します。

書いている人

株式会社マインディアというマーケティングやデータ関連のサービスを扱う会社でBtoC・BtoB両方のマーケティング・広報をしています。

BtoCマーケティングの経験は比較的長いのですが、BtoBマーケティングはマインディア入社後から担当するようになり、まだ4年ほどです。

何か気になる点があればお気軽に下記X (twitter) までご連絡ください!フォローもしていただけると嬉しいです!
X (twitter) @takahirostone

MEDとは

本題に入る前に、内容をご理解いただきやすくするために超ざっくりMEDのご説明をさせてください。

MEDとは、マインディアが提供する『Pint』というアプリのユーザーに許諾を得て収集するデータを匿名化したり統計処理を施したりした上でクライアント企業に提供するというプロダクトです。

消費者のメールデータと公開データを組み合わせてサービス提供しています

収集するのは受信メールのデータです。皆さんもご自身の経験から実感があるかと思いますが、オンライン上での行動(購入、申し込み、資料請求、課金など)はたいていメールアドレスに紐づいて実行され、行動完了後にメールにて通知が来るケースが多いです。そのため、メールを見ることでECサイトでの購買をはじめとする様々なオンライン消費者行動が解析できます。

解析できるオンライン行動・データの例

手前味噌で恐縮ですが、同種のデータとしては国内最大規模のデータ量を保有しています。

上記のようにMEDのデータを用いると様々な行動・データを解析することができますが、中でもECに関連したデータにはクライアントからの非常に強いニーズがあり、特に注力をしている領域です。

MEDの(潜在)クライアント

特にEC領域に絞ると、MEDのクライアントは主に以下のタイプに分類できます。

  • メーカー企業:自社ECを運営していたり、ECを持つリテール企業に商品を卸していたり、AmazonのようなECモールに直接出品している

  • リテール企業:自社ECを運営していたり、楽天市場やYahoo!ショッピングのようなECモールに出店している

  • ECモール運営企業:大規模・中規模のECモールを運営している

  • 上記企業に対するコンサルティング企業:ECコンサルティングをしていたりEC運営をサポートするツールを提供している

企業のタイプや規模が違えば抱えている課題、必要なソリューション、確保できる予算などにも違いが出るため、言うまでもなくプロダクトとしては「誰に何を提供していくのか」を明確にしていく必要があります。

しかし、MEDは前段で述べた通り多様なデータから多様な解析をすることができるため、ローンチの前後ではプロダクトの軸をいろいろと模索する時期がありました。

プロダクトのローンチ

β版をいろいろな企業様にご利用いただきフィードバックをいただく中で見えてきたプロダクトの価値は「ユーザーに紐づいた状態でECモールのデータを横断して確認できること」でした。これは弊社としても事前にある程度想定していたことですが、マクロな形でECモールのデータ(例えばECサイト上で公開されているランキングデータなど)を扱うプロダクトは他にもありますが、ユーザーに紐づけてECモールを横断したデータを保有するプロダクトを大規模に展開している企業は弊社以外にありません。そのため、そこに大きな課題を持つ企業が多いだろうという想定のもとで、プロダクトローンチのプレスリリース発表に至りました。

結果

広報としては『ECzine』や『ECのミカタ』など複数のEC系の大手メディアに取り上げていただき、業界内での注目を集められました。

また、リード獲得としてもECモール運営企業、メーカー企業、コンサルティング企業など様々な企業からお問い合わせをいただき商談に繋げることができました。その中で、グローバルでも日本でもそのジャンルでトップシェアを誇り日本国内だけでも数兆円単位の売上がある企業からもお問い合わせをいただくことができ、最終的に大きな規模の受注に繋がったものもありました。

成功要因の考察

サービスを必要とする人(企業)のインサイト理解

弊社ではMEDとは別に、定性調査やユーザーインタビューに利用するプロダクトも提供しています。そのため、マーケティング施策実行前のリサーチの重要性は経営陣やセールスメンバーを含めて共通理解がありました。本格的なローンチに先駆けてβ版でプロダクトのメインメッセージを磨き込めたことは非常に有益でした。

フォーカスする提供価値の絞り込みとメッセージの簡素化

前項から繋がっていますが、インサイトを理解することでプロダクトがフォーカスすべき提供価値を絞り込むことができました。他社プロダクトにはない便益をシンプルに伝えられた結果、本当に届いてほしい方にメッセージを届けることができたと考えています。

マーケと広報の連携

このローンチプロジェクトにおいては広告やイベント出展などのいわゆるマーケティング的な施策は仕込んでおらず、プレスリリースがメインの施策でした。その背景としては、前述したような超大企業からの反響を狙っていたため、プロダクトもローンチしたばかりでまだ会社としても知名度がない状態では、なかなか通常のマーケ施策での獲得は難しいだろうという判断がありました。 ※あくまでも当時の判断です。実際はもっともっとやれたことがあったと思いますが、私のBtoBマーケ経験が浅かったことにも起因します。

そのため、プレスリリースに振り切って施策を実行しました。

マインディアでは、マーケと広報を私1人で兼任しています。そのため、リード獲得施策の方向性とプレスリリースの内容が非常に連動しやすい状態を作ることができています。

ちなみに、この記事を書くにあたり、アドベントカレンダー参加メンバーを中心にアンケートにご協力いただきました。
「BtoBマーケターの方に聞きます。あなたの会社ではマーケティングと広報の担当者はどのような関係ですか」という質問です。

結果は以下の通り、半数以上が別チームに所属という結果でした。

上から「同じ担当者」、「担当者は別だが同じチームに所属」、「別のチームに所属」

もちろん企業規模が大きくなれば当然チームは別になるケースが多いでしょう。それでもマーケと広報の連動は必ず必要になるので、弊社でも組織が大きくなったときに分断されないように工夫していかねばと思っています。

最後に

『PMF前のプロダクトローンチ直後に広告費ゼロでグローバルの超大企業からお問い合わせいただいて受注した話』として、今回はプロダクトの価値やメッセージを絞り込んだ例をご紹介しました。

それから時が経ち、現状としてはプロダクトでできることも増えてきているので、より多くの企業様にプロダクトの価値を感じていただきたいと考えています。2023年は実験的にマーケティングイベントへのスポンサードも行いました。

来年はより踏み込んでいろいろな施策を実施できればと考えていますが、私にはまだまだBtoBマーケの経験が足りません。ぜひいろいろな方とお話ができたら嬉しいです!前職の関係もあり、アプリマーケ関連の知人は多いのですがBtoBマーケ関連でお話しできる方が少ないのです。。。

ぜひお気軽にX (twitter) かPitta (Meety) までご連絡ください!

明日の記事のご紹介

アドベントカレンダーもあと4日といよいよ大詰めに入ってきました。明日はタイミー中川さんの「2年で指名検索量が約10倍になったタイミーのマーケティング組織の活動解説」です!タイミーさんと言えば超大型の資金調達やテレビCMなど話題が非常に多い企業さんですし、toB・toC両方のマーケを実施されているという点で弊社も同様のポイントがあるので、私も楽しみにしています。ご期待ください!


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