人生は才能、努力、環境のどれが大切なのでしょうか?

今回の相談内容は、いわゆる教育関係論です。昨今は幼少時教育についての話題が盛んですが、これについての僕なりの意見をまとめてみようかな、と思います。

今回は、表題に書かれた疑問を頂きまして、それについての僕なりの雑感を答えるという形で進行します。


そもそもこの質問が行われたのは、質問者様が、マリアン・ダイアモンド著「環境が脳を変える」という本を読み、そこに書かれている


「3歳までに脳の80%、6歳までに90%ができあがり、その期間に多くの刺激を与えることでニューロン、シナプスが増え、知能指数を上げることができる」 
「環境の違いによって大脳皮質の重さに5%の違いが生まれ、部位によっては16%の違いを生むこともできた」

という文面に深く衝撃を受け、そこから

「この数字が人間にも適用できるとして、この数字は人生にどのような影響を与えると考えられるのだろうか?」


という疑問をもったのが初めのスタートとなっています。


昨年大ブームになった「学力の経済学」という幼少時教育の本がありますが、最近はこの本に限らず幼少時教育についての言及が非常に盛んです。


やれ幼少時教育がもっともコスパがいいだとか、脳は若いうちにできるから、この時期にしっかり教育する必要があるだとか書かれているこれらの本ですが、じゃあ実際はどうなんでしょうか。


まず初めに言っておきたい事として、これらの幼少時教育学の研究は割と偏った思考から結論が導き出されている事が多いです。


この研究をしている人達は、幼少時教育でメシを食ってる人達ばかりですから、容易には「幼少時教育は無駄」みたいな意見は出せません。


こんな事をもしも言ってしまったら、その人のキャリアは無に帰すわけでして、まあ実際問題はかなりポジティブな方向にバイアスがかかりやすい傾向にあるってのは、まあ念頭に置いておいた方がよいでしょう。


前置きが長くなりました。わかりやすさを優先する為に、自分なりの人間の発育過程についての知見を交えつつ、質問者様の疑問にお答えしていきましょう。

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