076 今は1日の終わりか始まりか
0:00
お風呂に入ろうとお湯を溜めたのが3時間前。
設定温度である40度を維持するために、何度か追い焚きをしている音が聞こえる。
エネルギーを無駄にしている自分に呆れつつも、ソファから起き上がる気力もなく、興味を持てないバラエティ番組を観ている。
あぁトイレに行きたい。
0:50
小便をもよおしてから1時間が経とうとしている。
そろそろ眠りの準備をはじめないと昨夜の二の舞だ。
それにしても、睡魔で便意が我慢できるのが不思議でならない。あと大人になっても漏らさないのも不思議。
よしきめた。
「1時になったらトイレに行って、その流れでお風呂に入るんでぃ」
1:00
ダラダラと無駄に時間を使うのも得意だが、締め切りに追われて仕事をするのは一層得意な方だ。
トイレトイレ。風呂風呂。
1:05
お風呂では頭を洗い、コンディショナーを塗りたくった間に、洗顔フォームを泡立てて髭を剃る。
剃り終わったらコンディショナーと共に洗い流して身体を洗う。そういえば誕生日に推しから貰った入浴剤が一回分残っていたので、今夜使い切ってしまおう。
1:10
せっかく入浴剤を入れたから、お風呂にスマホを持ち込みんで、途中やめにしていた韓流ドラマ「賢い医師生活」を観る。やっぱり好きだな、このゆるさ。
ついつい長風呂気持ちいい。
1:30
韓流ドラマの1話は長い。
まさかの展開に後ろ髪を引かれるが、そろそろ切り上げてお風呂を出よう。その勢いのままソファに寝転びテレビをつける。いいな、悩みを共有だきる仲間がいるって。
悩みの質って大人になれば変わると思っていたのに、まったく変わらない。仕事の成果に対する不安にはいつだって棘があるし、恋心には鉛のような重みがある。
よくない、早く寝ないといけないのに。
2:00
それぞれに悩みを抱えながらも仕事にも全力を注ぐ登場人物たちを観ながら、自分の今を振り返る。
最近の僕は、人生で経験したことがないほどに何もかもがうまくいっていない。
モヤモヤとした霧のようでいて、はっきりと重みのある感情がすべての判断を狂わせている。
ドラマを観ながら言い聞かせる。
「きっとみんなそうなんだ。」
3:00
3時を過ぎると不安になる。僕にとって朝は4時からだ。1時間以内に眠らなきゃ徹夜も同じだ。
そう思い込み今日を諦め寝室に向かう。
すぐに眠りたいところだが、もともと寝つきの悪い僕の身体はまだ眠りを求めていない。ソファではうとうとできるのに、なんで布団に入ると眠れないんだろう。
3:15
15分ほど目をつぶっていたけど眠れぬ夜に我慢ができず、スマホを開いて、自分の気持ちが整理できないまま送信できないでいたメッセージを読み直す。
もう諦めたらいいのに。
8:00
殺し屋に追いかけられる夢を見た。
いつもなら起きてすぐに夢を記録するけど、あまりにも残虐な夢だったから、今日はメモをやめておこう。
そういえば昨夜はいつの間に眠ったんだろう。
寝入る瞬間を一度自覚してみたい。
8:05
朝のルーティンということにしているストレッチで身体を起こし、早朝に届いていたメッセージを読む。
おはよう。
8:30
朝ごはんにしているプロテインを飲みながら夢を思い出そうとするが、あんなに怖かった夢も30分で断片的な記憶へと変わっている。1時間もすればすべてを忘れているだろう。
9:00
家を出て会社に向かう。
今日も1日がはじまる。
昨日よりも前に進めた一日を歩みたい気持ちと、毎日を生き急がず、ゆっくりでーんと構える暮らしの間で心が揺れ動いている。
今日できることは今日する。そう決めた23歳の高津はどこへ消えたのか。
昨日よりも鉛は少し重い。
***
-もの-
哲学用語図鑑 田中正人著
noteに書く量が減り、過去に書いた内容を忘れかけている。
内容が被るもの嫌だし、未熟の僕の表現力では展開やオチも規則的になりかけているので、今回は少し表現を変えてみました。
20代の頃と悩みの質はかわらないのに、歳を重ねて人に相談しにくくなったのは僕だけかな。
「まだそんなことで悩んでるの?」なんて思われるのも癪だし、相談したところで「答え」がわかっていることが多いから。
でね、結局頼るのはソクラテスであり孔子なんだ(笑)
哲学って凄く苦手だったけど、この図鑑と出会ったお陰で哲学の楽しさを知れた。
長々と書き連ねた自己啓発本を読むくらいなら、ぜひ一度この本を読んで欲しい。
トイレにちょうどいいよ?
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