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真琴vsゆづき #8〜情熱(彼岸花)はここに(胸)にある〜

真夏に狂い咲いた二輪の彼岸花

もの凄い破裂音のチョップが赤い彼岸花が咲いている胸元にヒット

そのままの勢いでゆづき選手をコーナーに追い込み
「三田さんは!三田さんは!×××××!!」
もはや宿った鬼に取り憑かれた形相で三田さんの代名詞の一つブレイジングチョップを何度も振り下ろす

「×××××!!」の部分は何度も見直したがブレイジングチョップの破裂音の凄まじさと唸るゆづき選手の声で正確には聞き取れなかったが自分の解釈では

「三田さんは私のモノだーー!!」
と叫んでいたのではと思う

真琴選手のキャリアと三田さんLOVE歴にはそれほどの差は無いはず
15年以上か?

真琴デビュー15周年記念興行には芸能人の方々やライオネス飛鳥さんも来場しリングでの挨拶をされた
だが大トリを飾ったのは三田英津子さんだった

真琴選手の三田さん愛は本物である
「ポッと出の小娘が三田さんへの愛を語ってんじゃねーー!!」
そんな感情がひしひしと伝わってきた

そしてここからは感情を露わにした真琴選手の怒涛の攻めが続く

必殺のブートはかわしたもののコーナーポストを背にした真琴選手の「来いよ!」と言わんばかりの手招きの挑発に走り込んでのスピアを狙うがハラリとかわされてポストに激突
そのまま回り込んだ真琴選手の小笠原道場直伝、鞭のようにしなるサッカーボールキックが背中に炸裂

そこからロープの反動を利用したニードロップが腹部に突き刺さる
フォールはカウント2

そして立ち上がらせコブラツイスト
赤と紫の彼岸花が絡み合う
きっとこの世では見れない光景

コブラは何とかパワーで切り抜けたが波状攻撃のダメージがゆづき選手の身体を蝕む
よろけながらロープにもたれ込んだ一瞬だった

真琴選手はロープを蹴り上げゆづき選手は顎を強打してしまう

戦いとは一瞬でも気を抜いてはいけない
プロレスの厳しさを教示
そして観客にも見せつけた場面だった

痛みに悶えるゆづき選手を立たせて首投げからの激烈なサッカーボールキックをもう一度背中に見舞う
思わず「痛い!」と声を漏らしてしまった

だが「痛いなんて関係ない!」とでも言わんばかりに立て続けに踵落としを痛めた背中に容赦なくキメた

真琴選手の踵落としは出稽古で会得したものだがラスカチョキチガイだった自分には真琴選手が所属する「ラスエゴ」のチームメイトである下田美馬選手が透けて見える

三田英津子
下田美馬
女子プロレスの歴史に名を刻んだ
「ラス・カチョーラス・オリエンタレス」
この二人の薫陶を受けた最後の選手

それが「真琴」その人だ


倒れ込んだゆづき選手の上にそのまま真琴選手がカバーに入るがカウント2

すぐに立ち上がりフィニッシュポーズを決め一度腹部を踏み付けてからロープへ
そのサディスティックな動きにキャリアを重ねるごとに蓄積されていった毒を感じた

反動をつけての側転ニードロップは回避
そしてゆづき選手は技の失敗を見逃さずそのまま足を取り裏アキレス腱固め
真琴選手は悲鳴の様な声を上げ、もがき、なんとかロープエスケープする

声を上げ振り絞る様にエルボーを連打するが真琴選手の一発のエルボーでロープへ吹っ飛ぶ
そしてそんなゆづき選手を追いかける様に捕まえ投げを狙うがスモールパッケージで切り返されてしまう

一発逆転起死回生を図ったかに見えたゆづき選手だがカウント2で自ら技を解き膝十字で真琴選手の起動力の元となる足殺しにシフトを切り替えた
真琴選手の長くて綺麗な足が伸び切った

その後コーナーに真琴選手を押し込みゆづき選手は二度目の走り込んでのスピア
またまたかわされそのままコーナーポストに突っ込んでしまった

何故同じ轍を踏んでしまったのか?

もう余裕も無かったのだろう
それでもやるしかなかったのだと思う
身体はボロボロだけど
メイクもグチャグチャだけど
精一杯真琴選手を睨みつけるその瞳の奥だけは死んでいなかった

避けたはいいものの真琴選手の足元が覚束なくなっていた

ようやくゆづき選手の執拗な足殺しが効いてきたのだ


そう情熱(彼岸花)はここ(胸)にある

いよいよ決着の時だ



続く、、、3回に渡るとは、、、

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