ヒット商品が経済を活性化させる手段の一つと思わずにはいられない。

物価高が続き、生活にゆとりを感じられない人の割合がどんどん増えてきている。これは自分自身ばかりでなく、多くの方が感じているようだ。幸いなことに慎ましい生活を送ってさえいれば、困ることも俺には無いのだけれど。

円安と物価高、増税などで生活は厳しくならざるを得なくなっているのが今の日本の現状だと思う。

俺自身は出版社に勤めていた経験上から、本の廃刊のニュースを見る度に、やはり淘汰されるものは仕方ないのだなと思っている。勿論、それだけではない。様々な業種で倒産が相次いでいることも承知している。

失われた30年と言われているけれど、それは経営者側にも問題があったのだという記事を読み、思い出したことがある。それは、最初に勤務していた出版社の子会社で就職情報誌の編集制作に従事していた頃の経験だ。

親会社から出向してきた優秀な編集長が潰れかけていた会社を何とか存続させたのは、ひとえにヒットする企画を生み出したことに他ならないと今でも思っている。それも出版物ではなく、全く違った方法で。

別の会社でも同じような経験がある。情報誌にオマケを付けたら、廃刊寸前だった本がリニューアルされて売れるようになってくれたという。

オマケで売り上げを伸ばす企画が散見されるのはマクドナルドが思い出しやすいことだろう。値上げしていても、子供向けの商品にオマケを付与することで店に行列ができるようにまでヒットしている。勿論、その際に思いも寄らぬ弊害も起きてはいるのだけれど。

企業は利潤追求のための組織だ。組織の存続のために人件費が削られたりと、今はまだ日本の景気全体の回復までに時間が掛かることが誰にでもわかっているだろう。かつての日本はモノづくり大国と呼ばれ、ヒットを連発させていた。

どう考えても売れる製品・サービスがこの国を少しでも良い方向に向かわせるのだと思わずにはいられない。勿論、商材が人に害を与えるようでは論外だけれど。

人手不足で困っているという記事も散見される。けれど、それは30年もの長い期間、雇用を怠ってきた企業側にも大きな問題があるのだと思わざるを得ない。

景気が悪ければ雇用の促進も難しいのは当然かもしれないけれど、今になってそのツケが回ってきているということだ。そして、就職率はアップしていても、若手社員が将来に漠然とした不安を抱え、離職してしまっているのも事実で。更には出生率も低下していて、今後も高齢化が進んでいく。

一体、この先、日本がどんな国になっていくのか、見当もつかないけれど、少しでも明るい材料になるのだとしたら、ヒット製品を生み出すこと以外には現時点では何も思いつかない。

余談だけれど、自分自身が電子書籍を出版してもらうようになってからもうすぐ7年目を迎える。これまでにいくつかのヒット作品があったということも書き続けられることの大きな要因だ。勿論、自分が原稿を書くことが好きで始めたのだけれど、好きだからと言っても商品が売れてくれなければ出版社からクビになって当然だ。どんな形でもモノづくりをし、それを世の中に届けるためには経費が掛かる。

だから、常に何がヒットしてくれるのか考え続け、原稿の執筆にあたっている。当たり前のことだけれど、毎日が研究であり、実験の連続だ。それすらもできないような組織・企業はやはり淘汰されていくとしても仕方ないのだろうと思う。

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