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三度、「君が代」によせて

予定外の朝礼が行われた、急ぎ、全校生徒に集合がかけられた、今ここに聞く、校長先生のお言葉。

皆さん、お早うございます。どうしても、皆さんに直接お話ししたいことがあり、お集まりいただきました、私の話を聞いた後、了解・合点・納得・得心など、どうしても腑に落ちないと言うのならば、それぞれのクラスで、また友達同士で話し合いを行って下さい。そしてその結論が、私がこれから述べるここと異なるものなら、忌憚なく、それを私に聞かせて下さい。

さて先般、サッカーの地区予選大会が行われました。Aチームはすでに予選敗退が決定、実績のある良いチームだったのですが、大きな大会でその実力を発揮することの難しさでしょうか、対するBチーム、下馬評では地区代表など夢の夢、
勝ち点一つ取れたらヨシじゃねぇ、といった調子だったのですが、いざ蓋を開けてみたら、先の酷評手の平返し、という善戦を展開、このAチームとの対戦で最悪でも引き分けに持ち込めれば、何と地区予選突破という快挙! そういう状況でした。

で、試合の残り時間はあと8分、スコアーはゼロ対ゼロ、Aチームは頑張っているのですが、予選敗退が決定しているからでしょうか、血相を変えて果敢に、といった様子ではない、で、Bチーム、それを読んだのか、ボール回しを始めたのです、延々と、イャー、8分間とはこんなに長いのか、正に血の気が引くように興ざめしました。

皆さんもご存知かと思いますが、サッカーには遅延行為に対するペナルティというルールがあります。とはいえそれは、個々の選手の遅延プレーに対するものであり、素早いパス回しをただ繰り返しチーム全体で遅延行為を行なっても、ルート違反にはならないのです。したがってその監督に「私はルートの範囲以内で可能なあらゆる手段を用いてでも勝ちに行く、美学は二の次、それが俺のビジネスだ」と言われたなら、側の者が何を言えましょうや、正にその人の生き方の選択の問題であり、そこまでして儲けたいのか、そこまでして有名になりたいのか、そこまでした生きのびたいのか、などなど、それは僭越行為となるのでしょう。

が、私は思うのです。「遅延行為はいけない」という観念が周知されているのなら、警察が見てなくても、先生や親が見てなくても、民度の高い社会の市民権を得て生活している人間ならば、たとえルートの範囲以内であっても、自己規制をもってそれを為すべきではないと。更に、その不備によってそのような行為が誘発されるのであれば、ルート改正を提唱して、この場合は監督がペナルティになるのでしょうか、「スポーツマンシップ則り正々堂々と闘うことを誓います」ということがより達成できるように、選手はもとより関係者一同、相務めるべきではないでしょうか。

朝から、偉そうなことを述べました、なぜなら、私は、校長先生だからです。

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