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観光業復活の狼煙をあげよう(RuGu3期目を迎えるにあたって)

2020年5月21日、株式会社RuGuは(なんとか・・)3期目を迎えました。

なんと言ってもこの1年は”RuGu Glamping Resort”の開業から始まり、宮古島で史上2番目に強い台風の到来、新規開業の下地島空港で香港線が開業したばかりのタイミングでの情勢不安、トドメの新型コロナウィルス・・と宿泊業としては数十年分のインパクトを味わったのではないかという1年でした。汗

自分はといえばこのタイミングで敷かれた来島規制により、宮古島に行くこともできず。。
(実際には行くことはできたのですが、今後の展開を鑑み東京滞在を経営陣として意思決定しました。)
思いがつのり、自作のTシャツをUTmeで作りました。笑

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さて、新型コロナウィルスはあらゆる業界にとってそうですが、観光業界には特に大きいインパクトをもたらしました。今回はRuGu3期目の決意に変えて、観光業復活の狼煙をあげたい思いを綴ります。

観光業界へのインパクト

新型コロナウィルス感染防止対策により、観光業は大きな打撃を受けました。特に移動の制限によるキャンセル増加、それに伴うキャッシュフローへの打撃が大きく響きました。

実際に宮古島では宮古空港で通常1日15往復30便飛んでいたJALが7往復14便まで減少。JetstarやHK Expressが飛んでいる新設の下地島空港に関しては閉鎖となりました。この移動の制限により、物理的に国内・国外問わず観光客が激減しました。​


宿泊業には通常”キャンセル料”がありますが、こういった飛行機が減便されるような災害系の場合はキャンセル料は免除されます。

さらに宮古島においては感染者が一人も出なかったこともあり、観光業が主産業の離島としては異例の”来島規制”が実施され、心理的にも来島を歓迎しない動きとなりました。

実際に”RuGu Glamping Resort”でも来島規制に伴い、4月半ばから6月初旬までの休業を意思決定しています。文字通り売上がゼロになる状況となりました。

コロナが宿泊業にもたらしたもの

どの産業でもなんらかの影響があった今回のパンデミックですが、宿泊業には大きな変革を迫られる事態であることは間違いありません。

ビジネスモデルそのもののキャッシュフローの重さやピポッド(事業転換)が難しいことなど、総じて”重たいビジネス”です。実際にコロナ禍で廃業を余儀なくされた事業者の多くは何らかの理由によるキャッシュフロー不足やそもそもの財務体質の悪さが原因と言えます。

取り沙汰されるのは大きな資本をもつホテルチェーンや旅館ですが、インバウンド需要がほぼゼロの中で民泊オーナーにも多くの被害が出ています。

コロナ後の観光業はどう変わるか?

とはいえ、新型コロナウィルスには現時点(2020年6月現在)でワクチンもできておらず、これからも感染リスクは付き纏いますし、何より外出・接触に対しての全世界の人の考え方が大きく変わっています。

この状況の中で観光業(宿泊業)には以下3つの方向性が全体的に示されつつあります。

①3蜜対策

3蜜対策は宿泊業にとってはすでにアピールポイントではなくマスト条件。やっていなかったらマイナスになってしまうものに早々になっていくと感じています。(各種旅行サイトでは宿泊施設に対して3蜜対策の内容を問う項目の掲載を始めています。)加えて、宿泊業が属するいくつかの団体がそれぞれ専門家の指導の下、ガイドラインを発表しています。

先日、宮古島でも”宮古島リカバリープロジェクト”として宮古島市と観光協会が共同で策定した来島に伴う観光客受入のガイドラインが発表されました。こうした大小様々な取り組みにより宿泊施設での3蜜対策はマスト要件になります。

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RuGuでも雰囲気を極力壊さないよう、フロントカウンターにアクリル板を設置し、各種除菌アイテムを配置しています。

②接客の変化

宿泊業に限らず、サービス業にとって”非接触がマナーとなる”のは全くの想定外です。3蜜対策の延長として、しばらくは非接触形式のサービス提供が奨励される動きになり、接客時はマスクと手袋をして、極力言葉を交わさないコミュニケーションをどう取るか?が求められます。
宿泊業で言えば、フリーチェックイン・アウトの推進、食事はテイクアウトか自室、もしくはソーシャルディスタンスを保った座席配置となるのは提供側にとっても複雑な心境です。

ホテル以外にもゲストハウスのようなホストやゲスト同士のハートフルな接触によって価値を生み出すようなモデルは再構築が必要になってきます。オンライン宿泊と言った取り組みは自粛期間の間でかつファンのいるゲストハウスには有効な手段かと思います。

いつかは元通りになる可能性もありますが、まずは少なくとも当面の1年程度はこうした対応が求められます。

③マイクロツーリズムへの対応

まずは近隣への移動から開始されるマイクロツーリズムの流れがあります。現在、各都道府県でコロナあけの観光需要増加を狙い、補助金が事業者向けに出されています。沖縄県でも県内の旅行に対して1人最大15000円が補助されるおきなわ彩発見キャンペーンが7月末まで行われています。

国全体のGoToキャンペーンは不透明な仕組みにより延期となってしまいましたが、段階的旅行範囲拡大の動きに合わせて各自治体が取り組みを始めているのでまずは近隣への旅行から人が動いていくことになります。

ここからどうするか?観光業復活の狼煙をあげたい。

この3ヶ月を観光業として経験したことは非常に価値がある時間でした。人が移動しないという世界の中で宿泊業というビジネスモデルの脆弱さを理解し、サービス業なのに非接触を前提とするサービスを考えることになりました。

だからこそafter/withコロナですべきことも明確になったように思います。次にいつこんな事態になるか分かりませんが、こんなことが毎年やってくる可能性もあります。そんな中で何ができるのか?

・体験を再定義しよう

観光・宿泊はより”体験”にフォーカスしなくてはならないと考えています。人の移動には価値がある。改めてそう感じています。場所をかえることで、空気が変わり、景色が変わり、自分が変わる。そんな時間を旅は作ってくれます。それは日常を生きる中での非日常であり、バーチャルではどこまいっても同じ体験はできません。

それは旅を計画する段階から体験が始まり、旅がスタートするまでのプロセスにも体験があり、旅がスタートしてリアルの体験があり、旅が終わった後にも思い出せる体験がある。”点ではなく線で旅を体験すること”が今後の旅行には求められると考えます。

観光、宿泊を一連の流れとして再定義し、その体験をどう演出し、サービス化するか?について改めて考えています。

・接客を再定義しよう

旅の醍醐味は先のゲストハウスのような”出会い”であったり、現地で受ける”おもてなし”です。それらを非接触のサービス提供の中でどう提供していくか?これも前述の”体験”に関係してきます。

それぞれが旅に求めるものが違うからこそ、よりパーソナライズされた旅の仕様があり、その仕様に合わせた接客を行うことが求められてきます。極限まで非接触を好む場合もある程度コミュニケーションを求める場合も様々です。そうした志向に合わせた接客スタイル(ツール)を構築していくことが豊かな”体験”に繋がっていくと考えています。


前述の3蜜対策、接客の変化、マイクロツーリズムへの対応を行いつつ、体験を意識したサービス設計をすること。それらをツールに落とし込み、お客様が快適にストレスなく、楽しめる旅を復活させること。それがafter/withコロナでやるべきことだと思っています。

夜間アウトドアBar

RuGu3期目を迎えるにあたって

すっかり長い文章になってしまったのですが、改めてなんとかこのコロナ禍でも"RuGu Glamping Resort"開業1周年、株式会社RuGu設立2周年を迎えることができました。

日々支えてくれている皆様のおかげに他なりません。ありがとうございます。

こうした事態を受けて改めてビジネスモデルの大切さも学んでいます。RuGuはトレーラーハウス型の客室16台を投資商品として販売してフィールドを開発する(ホテルを建設する)モデルとなっています。通常のホテル開発とは異なり我々自身で資金を用意するのではなく、トレーラーハウスを購入いただいた投資家様の資金によってフィールドが建設され、宿泊費を利回りでお支払いするビジネスモデルになっています。

結果として、当初の借入がなかった分、コロナ融資もスムーズに手続きを進めることができました。投資商品としては初年度で最低限のお返ししかできなかったことは申し訳ないですし、力の至らないところではありますが、このモデルによって開業1年目で3ヶ月近くの休業に耐えることができました。

そもそもホテルは”重いビジネス”ですが、ビジネスモデルによってその重さを軽減させる効果はある。それにより企業が存続することで投資家様にも継続して還元できる。それを証明できた1年でした。

創業2年でここまで色々経験できるともう揺るがない、と思いたいですが、きっと3年目もいろんなことが起こると思います。これからもRuGuを支えてくれている全ての皆様に感謝し、”人が気兼ねなく旅ができる世界を取り戻す”ために邁進してまいります。

3年目の株式会社RuGuもどうぞよろしくお願いいたします。

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