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正月の雑感

2024年になった。僕はうつ病とパニック障害の治療中の身だが、去年の今頃は症状がもろに出ていてお正月どころではなかったことを覚えている。毎日のように続く吐き気、腹痛、息苦しさ。うつ病の急性期こそ抜けていたものの、パニックの軽い発作と身体症状は治っていなかった。何より、電車に乗れなかったり、スーパーにすら行けなかったので自由がきかず、SNSでお正月を楽しむ友達たちの様子が本当に羨ましかった。

あれから症状もずいぶんと良くなり、移動はもちろん、友達と遊んだり、週に数日アルバイトをしたりして過ごせている。年末は季節行事をちゃんと味わおうと意欲が湧き、彼女と二人でクリスマスリースを自作したり、忘年会に積極的に参加したりした。しかし年を越す直前から、ガクンと身体が動かなくなり、家族とまとまに話せなくなってしまった。頭は働くのに、言葉を発する気力がない。少し予定が立て続けに起こると、こうやってうつの症状が突発的に起きることがここ半年ほどで増えた。

以前は先述したように、吐き気や息苦しさといったパニックの症状が主で、気分が落ち込んだり身体が動かなくなったりすることは少なかった。どうしてこうなったのかわからない。主治医からは「うつの症状に波がありますね」とは言われて、リチウム(躁うつの気分安定剤でよく使わられるらしい)を処方されたが、あまり効いている感覚はない。とにかく少しでも調子が良くなると、自分の体調を気にかけることが減り、限界が来た頃にうつの症状に沈むサイクルを繰り返しているので、これはなんとかしなければいけない。2日連続で人と会わないとか、1日中外に出たら次の日は家でゆっくりするなど、自分の中で約束事はいくつかあるが今回の年末は破ってしまった。久しぶりに味わうお正月の空気が嬉しくなってしまったからだ。体調を管理することは、頭ではわかっているのに、実践するのは難しい。

さて、こんな状態だから、今日は祖父母が家に来てくれたのにほとんど話すことができなかった。昼間に重い体を起こして家族と初詣にいった疲れからか、帰ってきてからは身体がまったく動かず、ご飯も一緒に食べることができなかった。祖父母は二人とも80歳を超えており、そこまで体が強いわけでもない。あと何回こうしてお正月を一緒に過ごせるかわからない中で、こんな状況の自分が悲しくて、情けなくなる。

「3日うちに来るか」という祖父母からの問いかけに返事ができないので、軽く頷くと「返事くらいしたらどうか」と言われた。怒られたわけではなく、笑っていなすくらいの感じなのでそこまで深刻なふうには捉えていないが、少し心に来るものがあった。妹が「体調が良かったら来るって」とフォローを入れてくれたのはありがたかった。祖父母も家族も、うつに理解がないわけでないが(むしろ経験者)やはりすべてを理解するというのは難しく、時々衝突しそうになるのがなんとも歯がゆい。特に母には、症状が重い時に「話を聞いているのか」と問い詰めれるが、なす術がないので、頷きはして、その後うちにいるわんこ達に癒してもらうようにしている。症状はある程度説明しているつもりだが、人間はそこまで完璧にはなれないし、求めるつもりもない。自分のようなアラサーに寝床と食事をタダで提供してくれているだけでもありがたいと思うようにしたい。

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