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嫌われるかもしれないという不安

僕はとても声が大きい。
そのせいでまわりにいる人を不快にさせてしまうことがよくある。カフェでミーティングしてるときは最悪。店員さんに注意されるたびに、さすがにこれはいかんと思い声を抑えるように努力はするのだがそれでもかなり大きいらしい。そういうときは諦めて外に出るようにしている。

貧乏ゆすりもそうだ。昔からじっと席に座ることが苦手で、イスをガタガタさせたりキョロキョロしたりするせいで授業中によく怒られていた。まわりの人に迷惑をかけているなと思いつつ、一定時間は注意できるのだが一瞬でも気を抜いてしまうとまた机やイスが揺れてしまう。


そうやって人に迷惑をかけるたびにすごく不安な気持ちになる。少し前に隣の席に座っていた人から声が大きいと注意されたあとも、その人がスマホを触るたびにTwitterに悪口を書き込まれているんじゃないかとかすぐにそういうことで頭がいっぱいになってしまう。とにか人から嫌われるのが怖いのだと思う。

嫌われるとまず真っ先に思い浮かぶのが、自分たちがつくるサービスから人が離れていくんじゃないかということ。そもそもサービス自体はぼくの人格の一部を切り出したものでしかないのだが、それがぼくを構成するすべてだと思われるのが怖い。例えば anone, というセクシュアリティを分析するサービスは「やさしい」「安心する」といってくれるユーザーさんがすごく多いけど、ぼくはそんなにやさしい人間だとは思わない。サービスの中にある思想や言葉たちに嘘はないけれど、それ以外の部分をみたときに本当に anone, のことを好きでいてくれるのだろうか。


そんなことを考えていたら、途端にSNSでつぶやくのも怖くなってしまった。もともと積極的にSNSをやるほうではなかったけれど、つぶやくのはいつもいいこと、きれいなことばかり。ネガティブなことはほとんど出していないと思う。ぼくが人をいじめたことがあると知ったらどうか。時間やお金の管理がルーズでだらしない人間だと知ったらどうか。性に関するサービスをやっていながらも、もともとは偏見をかなり持っていた側の人間だと知ったらどうか。自分が同性愛者だと思われたくなくて、仲良くなったゲイの友だちを売ったことも、恋愛感情がわからないと言った友だちを貶したことも、女性のからだについて軽くみてしまったこともある。他にもたくさん失敗したと思うことはある。それでも人は anone, とぼくを嫌いになったりしないだろうか。

たぶん、このnoteをみた人から「それでもあなたたちのことを嫌いになることはないよ」と言ってもらえるとぼくは一時的に安心するだろう。でもそんな言葉で終わらせてしまっていいのかどうかがぼくにはわからない。とある本によると、ぼくは「愛なしモデル」というタイプで、自分のありのままでは人から愛されないと思っているらしい。代償として「人に過剰に尽くして自分の真実を生きれない」とも書いてあった。だいたい当てはまっているような気がする。過剰に尽くしている自覚はほとんどないが、anone, を好きだと言ってくれる人からは何となく「やさしくて何でも受け止めてくれる自分」を求められているのではと勝手に想像してしまう。

昔はここまで不安になることはなかったと思う。いつからだろうか。



本当に理解しあえる関係性がほしい。そう思ってこれまで何回か試してみたことはあったけど、どれも中途半端なまま終わってしまった。自分の弱さが露呈するたびに、だんだん情けない気持ちになってきて、自分を保てなくなって、その結果もう距離を置きたくなってしまって関係を諦めてしまうことばかりだった。とはいえ1~2年前と比べると今はまだだいぶマシなほうで、理解しあえると思えるような人たちにも少しずつ出会えてきているような感じがする。でもまだまだ、自分の人生を生きているようで他人の顔色を伺いながら生きているような、そんな感じもする。やはり自分は、弱い部分から目を背けているだけなのだろうか。普段は楽しくやれているのに、何か嫌なことが起こるとすぐに不安になってしまう自分を治したい。けど人間そんなもんだよ、と肯定してしまいたい自分もいて難しいなあと思う。



みなさんはどうですか?


追記(2020年6月8日):
この記事を書いてから、二週間と少しくらいしかたっていないけど「嫌われるかもしれない」という不安はかなり消えた。この期間で、自分が心の奥底で思っていたことを吐き出す機会があり、それを受け止めてもらえたことでずいぶんと楽になった。それと同時に、それを肯定的にどう捉えるか、どう活かせるかということに意識が向くようになったことで自然と自信がついて行ったように思う。
不思議なことに、今まであまり関心が持てなかったシェアハウスの同居人にもすごく愛おしいという感情を持つことが自然とできるようになり、以前よりも毎日が楽しい。仕事仲間にうっすらと感じていた「怒らせたくない」という感情も、今ではずいぶんと消えた。嫌われる、誰かが離れてしまうということにそこまで抵抗がなくなったというか、離れるかもしれないという可能性を考えなくなった、という方が近いかもしれない。
自分のことを嫌いになってしまうのではないか?と他の人に対して感じてしまう人は、いくら対人関係を修復しようと努めたり、環境をコロコロ変えたりしてもあまり状況は改善しないと思うので、まずは自分の心の奥底で感じているヘドロのようなものを吐き出してみて、自分を好きになれるよう頑張ってみてほしい。

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