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「出向課長奮闘記 -個性を活かしたHERO誕生の物語-」(2)完全アウェイの出向先。"見知らぬ"メンバーと信頼関係を築く5つの極意

自分の意図とは関係ない出向。今日の物語は、出向先での自己紹介から始まります。完全なるアウェイの場、誰一人私を知らないその場所で、私はみんなの前に立って自分の経歴と今後の抱負をゆっくりと語り始めました。これは、未知の環境に足を踏み入れ、個性を活かしたHEROを生み出すまでのお話です。

<前回の記事はこちら>


完全アウェイの自己紹介

出向初日、自己紹介をする私に対して向けられた視線は警戒心でいっぱい。どうも5年前に同様に出向してきた方の強いインパクトみんなの記憶に残っているとのこと。聞くところによると、その人は「箸の上げさげ」レベルで些細なことまで指示、指導していたため、「また同じような厄介者が、親会社から出向してきた!」ということでした。私がどのような人物か、どのように振る舞うのか、本当に懐疑的な目で見られていました。

「5年前の人なんて私には関係ない!」

とは思いましたが、周りにそれを一方的に訴えても解決にはなりません。自分ができること、「敵ではない!味方だよ!」ということを伝える方法を考え始めました。
私はその壁を乗り越えるために、持っている数少ない手を一つずつ打っていきました。

関係を築くためにやったこと

私はメンバーとの関係を構築するために、一つずつトライアンドエラーを重ねていきました。味方であることを理解してもらい、関係を作ることを第一に考え、相手の不安を取り除くために行動しました。

1. メンバーの名前を頻繁に使用
人は自分の名前を呼ばれることで親近感を抱きます。私はメンバー一人ひとりの名前を何度も口にし、親しみやすい雰囲気を作り出すことから始めました。
相手を呼ぶ時はもちろん、「さっき○○さんが提案した週次MTGの進め方、私も賛成です!」と文脈に名前を織り交ぜました。

2. チャットに対して迅速なスタンプ押し
コミュニケーションは即時性が命です。特にチャットを用いたコミュニケーションでは"隣に座っているかのように素早くリアクションをとること"を心がけました。
隣の席で「たけちゃん、この資料確認してもらっても良いですか?」とメンバーに声をかけられたら無視しないですよね。同じようにチャットでも「OK」スタンプを即押して、「昼までに確認するね!」と返信。
チャットでリアクションが遅れがちだった環境にいたメンバーは驚き、私が常にチャットを気にかけていることを実感したはずです。

3. 常に笑顔で接する
対面での会話では、いつも満面の笑顔を心がけました。私はあまり笑顔が上手くありません。「口角の上げ方わからない・・・。」
でもしかめっつらで接していたら誰も近寄ってきません。
笑顔は共通言語です。少しでも笑顔をと目尻を下げ、会話することを心がけることで心の距離を少しずつ縮めることができました。

4. 「ありがとう」を忘れずに
どんなに小さな手伝いでも、感謝の気持ちを言葉に出して伝えることを心がけました。会議のマイク設営してくれた、議事録を作してくれた、打ち合わせ予定を調整してくれた。些細なサポートでも感謝を伝えることで、お互いの尊重し合える関係が芽生えていきました。

5. 挨拶は先に、大きな声で
「おはよう」と「お疲れ様でした」の挨拶は、常に先に、大きな声で発していました。これにより、活気に満ちた前向きな雰囲気をチームに醸し出すことができました。相手から待つなんて時間の無駄!。アウェイの私から積極的に挨拶するのが当然のことでした!

関係を築く上でやらなかったこと

逆にやらないことも決めました。5年前の前任者、親会社との関係などを踏まえ絶対にやらないと決めてメンバーと接しました。

  • 前任者からの情報収集:自分の目で見て、直接メンバーと対話して判断するために、あえて前任者からメンバーの情報は聞きませんでした。この人はこういう性格、仕事はネガティブなど周りからの声は聞こえましたが、全て無視。自分が本人から聞いたこと以外は情報として不十分として拾いませんでした。

  • 親会社の風を持ち込まない:これまでの親会社で行ってきたやり方を押し付けるのではなく、新しい環境に自分を合わせていくことを優先しました。出向してきた、こっちの方が偉い。そんなはずありません。同じ人間で今は同じ会社のメンバー。そんな関係で過去の経歴なんて全く必要ありません!

  • 教える姿勢を見せない:一方的な指導ではなく、一緒に学び、成長していく姿勢を大切にしました。私が教えることよりも相手が大切にしていること、これまでの会社の風土や考え方を聞くことにし、そこから学びを進めました。

まとめ:完全アウェイが観光客を受け入れるレベルになってきた・・・?

最初は不信感いっぱいで見ていたメンバーたちが、観光客を受け入れるような雰囲気まで徐々に信頼関係を少しずつ築いていくことができました。

<学び>
・やるべきこと、避けることを決める。
・決めたことは徹底的に実行する、自分から行動を起こす。
・過去の成功体験に捉われず、現在の環境に自分を合わせていく。

この3つにより、私は「個性を活かしたHEROたち」に出会うことができました。
\ 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!/





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