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侵略者は現れた……けど、その真意は?   GLEAT Ver.& グレイト×全日本プロレス ~Life is Challenge~ 後楽園ホール観戦記

今回のGLEATの後楽園ホールは全日本との合同興行で、交流戦あり、対抗戦、世代闘争ありの全日本プロレスの“明るく、楽しく、そして激しく”のコンセプト合った色々と思いが去来する大会だった。
第一試合 チェック島谷vs井上凌
期待の成長株の二人のオープニングマッチはお互い意地の張り合いが全面に出ていて清々しいファイトだったが、キャリアの差でチェック島谷に軍配が上がった。
第二試合 伊藤貴則 本田竜輝vs児玉佑輔 大森北斗
見どころはGLEATでは観れないやんずファミリー同士の対決のほかに伊藤貴則と本田竜輝というWRESTLE‐1の所属だった選手が別々の歩みを進めてそれぞれの団体で頭角を現してまた邂逅するシチュエーションはなかなかよかった。
第三試合 グレイトカオスバトル グレート・ニタ 鬼塚一聖 頓所隼 がばいじいちゃんvsKAZMASAMAMOTO ブラック・めんそ~れ 井上雅央 菊タロー
正にカオス!? しかし思った以上に場外乱闘もあまりなく、要所要所でがばいじいちゃんの存在感が光り、それぞれの個性が混然一体になる中、頓所選手がシャイニング・ウィザードで試合を決めたのが印象的だった‼
第四試合 河上隆一 石川修司 進佑哉vs渡辺壮馬 ガレノ・デル・マル 青柳優馬
先ほどやんずファミリー対決と同じく普段見れないリーダー河上とガレノ・デル・マルのバルクオーケストラ対決と“大巨人”石川修司とガレノ・デル・マルの規格外同士の対決に、三冠王者の青柳優馬と河上隆一のガチムチの絡みなどあったが、試合は“今年ハネなきゃいけない男”の渡辺壮馬のドロップキック一閃によって締められた。
第五試合 UWFダブルバウト 飯塚優 佐藤光留vs田中稔 田村男児
一進一退の攻防の中、一際は光った田村男児のプロレスラーらしいパワフルさが拮抗を破ったような試合だった。
第六試合 世界ジュニアヘビー級選手権試合 エル・リンダマンvsライジングHAYATO
エル・リンダマンの横綱相撲、チャンピオンとしての格を魅せつけた試合だった。
次の挑戦者は全日本プロレスジュニアとして挑戦者に名乗り上げた佐藤光留!?
第七試合 G‐INFINITY選手権試合 斉藤ジュン 斉藤レイvs鈴木鼓太郎 ハートリー・ジャクソン
鈴木鼓太郎のキャリアとテクニック、ハートリーの暴力的パワーで王者タッグに迫ったが、圧倒的なパワーには敵わず、王者タッグ防衛!!
第八試合 GLEAT&AJPW超世代闘争 カズ・ハヤシ T-Hawk 諏訪魔 宮原健斗vs田村ハヤト 井土徹也 安齊勇馬 青柳亮生
それぞれの因縁と世代闘争が絡み合った一戦!?
先鋒の田村ハヤトとT-Hawkは8月4日の両国の再現であり、同じく両国で相まみえたカズ・ハヤシと青柳亮生の全日本新旧ジュニア対決、先日王道トーナメントで諏訪魔に負けてしまった田村ハヤトのリベンジ、宮原健斗と井土徹也の去年のシングルマッチからのどれくらい迫れるかの対決と“大器”安齊勇馬の躍動……など見所が目白押しだったが、最後はT-Hawkが青柳亮生をナイトライドで3カウント!!
試合後、T-Hawkが他団体の選手によるG‐REXの防衛戦を提案!?……に石川修司が反応してリングに登場。10月9日に防衛戦が決定!!!
T-Hawkが「最後は皆でハッピーに終わろう」と(8月4日の両国での飯伏の発言と同じなのは偶然か皮肉か? 分からないが)所属選手全員をリングに集合させて“GLEATしようぜ”で大会を締めようとしたその時!? サイレンとともに暗転、侵略者が映像に映し出される……
その男達の名は先日ドラゴンゲートを退団した“SBK”SBKENToとTAKUMA。
映像の後に姿を現した二人は、GLEATを侵略するために参戦を表明、エル・リンダマンと田村ハヤトがタッグで対戦することになった……

このSBKとTAKUMAがドラゴンゲートを退団した時に大体のプロレスファンがGLEATに来るのではないか?と予想していたし、ダメ押しばかりに去年の石田凱士の登場を想起させるような予告からの彼らの登場は、観客の反応が物語っていたような気がした。
予想がつくサプライズほど反応に困るものはなく、今回観に来た全日本ファンからしたらそれはもう困惑しかないだろう……そしてそれは彼らが客を煽った時も顕著だった。
“明らかなサプライズとインパクト不足”
自分はドラゴンゲートもよく観ているが、驚きはなく「あーやっぱりかぁ」と思い、二人がメキシコで実力と自信をつけてきたであろうとは思うが“侵略者”としてのインパクトと理由の弱さのほうが気になってしまう。
去年の石田凱士の場合、退団後に去就が注目される中、Gamma選手の引退興行に花を贈り登場し、去年の後楽園ホールにて予告なしのサプライズ登場でフルグレイト宣言!?……その間にもGLEATに参戦するのでは?という噂はあったが、今回と違うのは“物語”の差もあるだろう。それはGLEATには石田凱士の同期で復帰に向けてリハビリに励んでいる山村武寛の存在と再会を約束していたところに“物語”を感じることができたが、今回の“侵略者”としての登場はGLEATとドラゴンゲートのファンも含めた溝を決定的にしてしまったような気がして、両団体好きな自分としては心配しかない
(個人間の因縁は点と点が結びついた時“物語”として昇華するが、団体と団体の因縁、しがらみは色んな障害しか生まないことは過去が証明しているのだけれども……)
それとGLEATには既にB.G.I(BLACK GENERATION INTERNATIONAL)というユニットがあるのもインパクト不足の一因ではないだろうか?
それとも二の矢、三の矢があるか??……
何はともあれ、10月9日にその答えが出るのであろう……

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