出家のすすめ

いそぎ諸緑を抛捨(ほうしゃ)し、すみやかに出家学道すべし。国王・大臣、妻子・眷属は、ところごとにかならずあふ、仏法は優曇華(うどんげ)のごとくにしてあいがたし。おほよそ無常たちまちにいたるときは国王・大臣、親昵(しんじつ)・従僕、妻子・珍宝たすくるなし、ただひとり黄泉(よみ)におもむくのみなり。おのれにしたがひゆくは、ただこれ善悪業等のみなり。人身を失せんとき、人身ををしむこころふかかるべし。人身をたもてるとき、はやく出家すべし、まさにこれ三世の諸仏の正法なるべし (『正法眼蔵』「出家功徳」)(増谷文雄訳)

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