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とある大学の安全意識、整理整頓意識が高くて驚き、嬉しくなった話。

大学の研究室ってどんな場所をイメージされますか?

最先端の研究設備が並んでいる?本がいっぱい?などなど、人によってイメージは異なるかもしれません。

私自身は、ロボットの研究開発をいくつかの工学系の研究室と共同研究をさせて頂いたり、大学で講義をさせて頂く機会があったりと、それなりの頻度で大学の研究室を見学させて頂くことがあります。

全体的に思っていたのは、ずいぶん綺麗な研究室が増えたなぁということでした。おそらく、研究の軸足がハードウエアからソフトウエアに移っていて自分たちでモノをつくるというのが減って、ハードは市販されているものを使って、パソコンで研究するというのが増えているからかなと思います。

※おそらくハードウエアそのものだけでは論文が書きにくいというようなことであったり、AIとかの発展、民主化などにより、AIをより簡単に実装できるようになっていることなどが背景にはあるのだと思います。

今月見させていただいた研究室の一つは、最近では少なくなっているバリバリのハードウエアの研究をしている研究室だったのですが、結構驚いたので、今週のnoteはそのあたりを紹介させてもらいます!

安全の意識が高い!

ハードウエアから自分たちで作っている研究室というのは、割とモノに溢れていて、企業の整理整頓文化かになれていると、場合によっては「汚い。笑」という印象のところがあるのですが、今回の研究室はロボットはもちろんのこと、機械要素部品、加工機、3Dプリンターなどモノは確かに大量にあるのですが、出しっぱなし、使いっぱなしという様子はなく、しっかりと整理はされている研究室でした。

そのうえで、ちょっとしたことなのですが、
・それぞれ装置や設備に自分たちで作った標準の作業手順書が張られていたり
・半田作業をする場所では、電源が付けっぱなしにならないように自動電源オフができるタイマーに繋がれていたり、
・3Dプリンターを行う場所では、印刷物を印刷ステージから剥がす際には、下のリンクみたいなヘラを使うケースが多いのですが、そのヘラを使った作業の時に手をケガしないように、専用の治具を自分たちで作っていたり

という感じで、安全確保のためにしっかりしているなと感心しました。

自分が大学生だった頃を思い出すと、もちろん、法律面とか最低限度のことはしっかりされていましたが、そこまで考えて、作業をしていたか?と思い出すと、・・・という感じです。

作業効率の意識も高い!!

そして、ここから更に驚いたのですが、どのようにしたら、研究活動にムダがでないかを、めちゃくちゃ考えられていました。

一例を示すと、実験室にはネジのサイズと長さごとに纏められたネジボックスがあるのですが、各ボックスには真ん中あたりに線が引かれていました。その線が見えるようになると、部品が少なくなってきたなということで、補充の発注をするそうです。欠品を防ぐ仕組みですね。

また、ロボット開発の初期段階では、検討用にアルミフレームというものを使うことが結構あるのですが、そこが保管してあるエリアでも工夫がされていました。

アルミフレームを何度も使っていると、大抵微妙に長さが不揃いになってきたり、どれくらいの長さになのかがわからなくなってきます。保管エリアでは、それが一発でわかるような仕掛けがされていました。

学生さんのアイデアで導入した仕組みだそうですが、そんな商品あっても良いよねと思うくらい理にかなった工夫でした。

学生が改善サイクルを回している!!

そして、よくよく聞いていると、アルミフレームの件だけでなく、すべて学生さんが主体的にどんどんと研究環境を良くしようと改善していっているとのことでした。

研究室内には学生によるワーキンググループが作られており、普段の研究生活の中で、ヒヤリハットも含めて危なかったことや、面倒だなと思うこと、ムダなことなどが共有されて、それに対して、1個ずつ改善を図っているというのです。

とてもビックリしたというか感銘を受けました。

それだけ改善点が上がってくること、そして、それを学生が自主的に回していること。おそらく、日常的に、そして、本気で、モノづくりというものに向き合っているからできることではないかと思います。

正直、なんとなくですが、「企業の方が安全意識は高い、整理整頓意識は高い」とか「大学は安全とか整理整頓とかあまり考えていない」とか勝手な印象を持っていました。

大学の皆さん、スイマセン!!!完全に考えを改めました。

というわけで、とても感銘を受けただけではなく、大学の研究室で真剣にモノづくりをされている学生さんの様子を見て、なんだか嬉しい気持ちになりました。


では、また来週~!!
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安藤健(@takecando)
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