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契約書の基礎固め #2 契約書に書いてないことは自由に判断していい?

契約書の「基礎」を確認するための記事です。契約書についてこれから詳しくなりたい方はぜひ読んでください。重要なポイントが「一気に」学べます。

契約書の基礎を短時間で身につけたい人のために、

「どこから学べばよいかわからない」「契約書がチェックできるようになりたいけど、読んで何が分かればいいのかもわからない」

といった疑問にこたえます。

本記事の内容

・契約書に書いてないことは自由に判断していいか
・原則と例外について

契約書に書いてないことは自由に判断していい?

契約書に書いていないことでも、法令に従うべきことは法令が適用されます。つまり契約書に書いてないことについては法令を守ってくださいということになります。

契約書に書いてあることと法令が違ったら

契約書に書いてあることは、当然その当事者は守らなくてはなりません。契約は、当事者が合意していれば原則として有効だからです。法令と契約書の内容が違っていても、原則として契約書の方を守る必要があります。契約書は非常に重要な、当事者間のルールなのです。

任意規定と強行規定

ただし例外として、その法令が強行規定であれば、契約書ではなくその法令が優先適用となります。よって、適用される順番にならべると、まずは強行規定、次に契約書、最後が任意規定ということになります。

強行規定(法規)> 契約書 > 任意規定(法規)

a契約書に記載がある → 契約書の条文に従う。ただし「強行規定」があればそちらに従う。

b契約書に記載がない → 法令に定めがあればそちらに従う。


原則として契約書が適用される

繰り返しになりますが、法令があっても原則として契約書が適用されます。たとえば民法613条は建物の賃料は毎月末に支払うべきことを規定しています。つまり法令では大家さんに家賃を払うのは月末と決まっています。ただし、賃貸借契約書の実例をみると、「25日に払う」とか、「27日に払う」となっているかと思います。これは法令よりも、契約書が適用されている例です。

ただやはり常に契約書が勝つわけではなく、契約したとしても法令が勝つという例外もあります。それは法令が「強行規定」とされている場合です。

強行規定は契約書でも破れない

たとえば民法146条は「時効の利益はあらかじめ放棄することができない」と定めています。よって、契約書でいくら「消滅時効を放棄する」などとして合意したとしても、この条文が無効と判断されます。

まとめ

契約書に書いてないことがあっても、なんでもありではありません。つまり、原則として任意規定よりも契約書の条文が適用されます。そして例外として強行規定は契約書の条文より優先されます。

クイズ

通販の利用規約に転売禁止とは書いてなかったので、マスクを買って高額で転売してもOKですか?


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