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歴史は繰り返すが人間は学ばない


果たして社会は、人間は歴史に学べるのだろうか?もちろん学んでいるのだろうが、うまく機能すればその時は「歴史は繰り返さなかった」ことになる
つまり観測されることなく、学べなかったがゆえに起きてしまった別の出来事と紐付けされてしまうのではないか?

ふと、そんな疑問が浮かんだ。

第一次世界大戦と第二次世界大戦で、ドイツが二度負けたことで「歴史は繰り返す」の例としてよく挙げられる。
だからドイツはもう過ちを繰り返さないのだといわれているが、果たしてどうなのだろう?

実はこの「歴史は繰り返す」という名言を残した人物は二人いて、其々に少しニュアンスに違いがある。

一人は古代ローマの歴史家クルチュウス・ルーフスという。彼の残した言葉はこうだ。
「過去に起こったことは、同じようにして、その後の時代にも繰り返し起こる」
邦訳には、同じようにして、とある。わざわざそう記したからには、似たような経緯や理由で、同じことが起こるということだろう。ただ、それは万事にいえることで、人間のすることだからね、くらいのニュアンスに受け取れる。

二人目は皆さんご存知、カール・マルクスである。
「歴史は繰り返す。一度目は悲劇、二度目は茶番として」である。

もういきなり悲劇とか書いてある。
避けようもない惨事くらいなもの、といった印象すらある。にも関わらず、人間は愚かだからそこからなにも学ばずに、二度目をやってしまう。だから茶番なのだ、というくらいの印象をうける。

先に挙げたドイツの場合、第一次世界大戦に参戦した経緯は、あくまで欧州各国が結んでいた同盟関係によるものであった。
ロシアに西部戦線を開くよう要請されたフランスが、先の普仏戦争のリベンジに燃えて動員を始めたために、ドイツは受けてたったくらいなものであった。

従って、ナチスドイツ政権が起こした第二次世界大戦とは、その経緯は似ても似つかないのではないか?と、感じるのである。

むしろ、ボクには今の日本の方が、全く茶番に見える。

日本は江戸の末期頃から、朝鮮に対して優越的態度をとるようになり、征韓論を唱える者が出始めた。
大日本帝国になってもそれは変わらなかった。薩摩の西郷は征韓論には反対だったといわれているが、西南戦争で敗れたため、明治新政府には反対する勢力はほとんどいなかったであろう。
とにもかくにも、ロシア帝国の南下を防ぐ橋頭堡として李氏朝鮮の土地が必要だったのである。まず日清戦争で朝鮮を完全なる自主独立国とさせたのである。
このことを、ネトウヨ人たちは日本は公平だというのだけれど、ちょっと違う。実は英国大使トレンチが本国から受けた講話の提案に入っていたものであった。
要は朝鮮と清国の関係を断ち切れればよかったのだ。
大日本帝國は実際に閔妃殺害を試みたが、清国の袁世凱の下に逃げ込まれたことがあった。
そして朝鮮を保護国としたのだ。保護国とは独自の外交権などは持たない。そして親露派に転向した閔妃らを駆逐し、わざわざ大韓帝国を興させてからの併合である。
やっと朝鮮の地を手に入れ、ロシア帝国との戦争に勝利…まあ痛み分けだろうか。ソ連という新しい国になってしまったため、相変わらず脅威としてあり続けたし、ノモンハン事件では、ボコボコにされた。
日本は格下相手には強いが、格上相手にはまず勝てない。それどころかボコボコにされる。唯一海軍だけは世界軍縮会議三国に入っていたが、経済基盤、つまり工業力や食料自給率など内需が弱かったのだ。
7000万人いても、殆どが貧乏では経済は回らないのだ。

それは朝鮮や台湾等を含めて一億人となったときでも変わらなかった。


そして現在日本は愚かにも緊縮経済を取り続け、デフレからスタグフレーションに陥っているのに、平均株価の維持に財政をつぎ込み、海外のハゲタカファンドたちをぼろ儲けさせているのである。
にもかかわらず、ネトウヨ界隈、経済界の日本会議メンは、明治大正昭和初期よろしく社会主義、つまり左翼叩きに熱心で、皇紀まで持ち出す天皇崇拝者までいる。
一部の金持ちたちだけが潤い、ほとんどの国民が貧乏だった、あの頃にそんなに戻りたいか?左翼憎さで。

根拠のないサヨク叩き
政権の官僚の公文書隠し
中国人、朝鮮人への公然たる差別
貧富の差の拡大
軍事力の強化
現状追認
マスメディアの政権や警察への忖度
経済基盤の脆弱化
天皇崇拝
どれもこれも1900年からの45年間日本で起きてたことだ。

こんなに分かりやすい「歴史は繰り返す」の二度目の最中にあっても、保守を名乗る右翼…まあネトウヨ界隈は、相変わらずある日何者かが攻撃をしてくるかもしれないと、北朝鮮のミサイルをダシに、その核保有国を相手に喧嘩売ろうとしている。日米安保の護符だけを頼りに……

日本が始めた戦争には、アメリカがつきあってくれるかどうかは、分からない。それが日米安保条約ってものなんだけど、大丈夫?



これが繰り返す歴史の、二回目の茶番でなかったらいいのに…回避できたらいいのに…
麻生政権の頃からズーーーーっと、願っていたけど、どんどん材料が揃っていくようにしかみえないんだよ。
麻生太郎なんか野党時代、デフレから脱するために、世界大恐慌から真っ先に抜け出すことに成功した高橋是清のケインズ政策を例に挙げまで持ち出しながら、自分が首相だったとき実際はやらなかった。 
やったつもりかもしれないが、一人12000円ぽっちでは全然足りない。

あの時ちゃんと学んだ通りに実行すれば、日本の愚かな歴史を、茶番をせずとも済んだのかどうかは、それは分からないけどね。
歴史にifはないから。
ただいえる事は、日本はいずれ戦争をすることになり、おそらく、いや確実に負けるのだ。
私個人としては、男系に拘った挙句、日本のラストエンペラーはただ一人の人間として、人権を回復してお亡くなりになれればよいがなあ、と願うものである。
決して戦争の責任をとらされて…というかたちは望まない。

そして、我が儘を一つだけ言わせて欲しい。
それはボクが死んだ後にしてくれ。
なるべく早く死ぬよう、ボクも努力をするから。
上行結腸のポリープは、来年もまたできる確率が高い、放っておくとがん化するものなのだそうだ。

ボクはこれを育ててみるつもりだ。
五年か十年もすれば、60歳を過ぎて、もう充分に生きたことになろう。その間にアルバイトをしながら、幾つか作品を残せれば、我ながら出来過ぎであろう。
サボるために生まれてきたのだから。


戦争が終わってボクらは生まれた。
戦争を知らずにボクらは育った。
そんな歌があったけど、それはとても恵まれているし、全く日本国憲法の精神に悖るものでもない。

ボクは戦争を知らない世代のまま、死にたい。

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