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【TAKEFUのはてな?】モイストアップコットン

今回紹介する製品は、モイストアップコットンです。
お化粧の時などに使う、使い捨てのコットン。
顔や患部など体の中でも特に繊細な部分に使うことを想定し、こだわり抜いた原料や製作方法について、相田社長にインタビューしました。
また、これまで紹介してきたどの製品とも違う、とても素敵な誕生秘話も聞くことができました。




モイストアップコットンの生産方法


 
―モイストアップコットンについて、こだわりを教えて下さい。―

「お化粧や保湿の時に使うコットンですね。一見なんてことないコットンのように見えますが、実はこれはね、ものすごく手の込んだ作り方をしてるんですよ。このコットンをよく見てみると、24層構造になっています。とても薄いシートを、24枚重ねてひとつのコットンになっているんですね。どうやってこの24枚重ねにしていると思いますか?」
 

―ふわふわした感触は残したまま、形としてはしっかり固定されていますよね。どのように作っているのでしょうか?―

「このコットンを作っている工場は、鹿児島県にあります。もう、150年くらい歴史がある工場なんですよね。そこに製作行程を見に行ったのですが、もうびっくりしましたよ。どういう作り方かというと、なんとね、24台の機械がダ―っと並んでるんですよ。鉄ではなく木製の、昔ながらのシンプルな機械が24台。その機械には綿をほぐす針金のようなものがあって、そこに原料であるTAKEFUやオーガニックコットンの綿を引っかけて伸ばしていくのね。で、そうやって伸ばされてシート状になった綿がベルトコンベアに流れていき、隣の機械で同じようにシート状になった綿がその上にふわっと乗っかる。それを3台目、4台目、と24回繰り返して綿が重なっていくわけですよ。1台1枚、計24枚。ものすごくローテクで単純明快なやり方でしょう?そうやって24層重なったものを、水に通します。そしたらペタっとくっついてひとつのシートになり、それを今度はロール状の別の機械に巻き付けて、熱で乾燥して、裁断していく、という行程です。」
 

―思ったよりもアナログなやり方なんですね。シート状になった綿を水でくっつけて形にしていく、というのはデイリーサポートシートと同じやり方ですね。―

「そうですね。デイリーサポートシートの場合は水に通すだけじゃなく、細かく水を吹き付けることでしっかりと絡め、不織布としての強度を持つ状態まで固定しました。でもこれは水で濡らして、なんとなく繊維をくっつけたまんまの状態。だからふわふわしていて、肌に触れた時にとても柔らかく、かつ使いやすいようにある程度の固定もされている、という質感が作り上げられるわけです。」

 

モイストアップコットン



―このコットンを裂いてみると、綿のままのようなふわっふわの柔らかい繊維がそのまま残っていますね。これは絡めすぎずに固定しているからなんですね。―

「そう、絡めすぎてないから。どこからどこからまでが元々の1枚なのかわからないくらい柔らかいですよね。」


こだわりー原料ー


―原料にもこだわりはありますか?パッケージには“タンザニア産オーガニックコットン”と産地が明記されていますが、特別なものなのでしょうか?―

「原料は、TAKEFU®を70%、オーガニックコットンを30%にしています。タンザニアというアフリカの国がありますね。そこで作るオーガニックコットンは、世界中で唯一医療用として認められているコットンなんです。何故そんなに質が良いかというと、国をあげて生産しているから。例えばある農家で無農薬のコットンを作っていたとしても、近くの畑で農薬を使っていたら影響してしまう場合がありますよね。タンザニアは国の広い範囲で作っているので、他の農薬の影響を受けません。だから医療用に達する安全性を保持できるんです。」
 

―“オーガニックコットン”とひとことに言っても、産地や環境で違いが出るのですね。―

「3年間農薬を使わないで作られたコットンは全て“オーガニックコットン”になります。 条件上クリアしていても環境や品種によって違いがある場合がありますし、だから値段も様々ですよね。敏感な方は、オーガニックなものを使っていても何故か調子が悪くなったり、体感でわかるかもしれません。このコットンは顔に触れることを想定していますし、より繊細なものをと考え世界で唯一医療用のガーゼ・コットンとして認められているタンザニア産のオーガニックコットンを使っています。」
 

―TAKEFUだけでなく、オーガニックコットンを30%入れている理由はあるのでしょうか?―

「最初はTAKEFU®100%も試みたんですが、作れなかったんです。TAKEFUの繊維が柔らかすぎて滑ってしまうというか…つるんとした素材なのもあって難しくて。コットンは“クリンプ”という縮れた繊維なので、TAKEFUの中に入れてあげると繊維をからめる役割をするです。こうやってこだわった原料と、工場のなんともローテクな、手作りのような丁寧な作り方によって、比類のないレベルの柔らかい風合いのモイストアップコットンに仕上げられていると思いますよ。」
 


TAKEFU®の繊維


モイストアップコットンご愛用者様からのお声

―細部までこだわった、かなり質の高いモイストアップコットンだということが分かりました。実際に使用した方からのお声などはありますでしょうか?―

「とあるカリスマメイクアップアーティストの方から、大絶賛をいただきました。なくなるとまとめて10箱ぐらい買ってくださいますね。また、メイク時以外の使い方でも、患部に当てていたら治りが早かったという経験談もお聞きしました。ただ、TAKEFUは化粧品の会社じゃないですからね。この製品は本来お化粧をする時や保湿の際に使うものですが、そういった要素をTAKEFUに求めている方が少ないのか、なかなか皆さんにお伝えできていない実感があります。化粧品っていうよりはどちらかというと医療用のものを求めている方に近い会社なので、お伝えする機会をなかなか持つことができないというか。こんなにもこだわっていて、肌に悪影響のない、摩擦の少ないモイストアップコットンだということをTAKEFUユーザーの方にも、TAKEFUを知らない多くの方にも知っていただきたいです。」


―メイク時にコットンを使う習慣がある方には是非試してみていただきたいですし、習慣がなくてもお肌に対して意識がある方には需要のある製品かもしれないですね。―

「そうですね。1枚が24層なので、裂いて何枚かに分けたものに化粧水を沁み込ませ、パックのように肌に貼る、というやり方でも使っていただけます。お肌になるべく良いものを使いたいという方がいたら、これほど高品質のものはなかなかないと思っていますよ。」


生産工場との出逢い


―先ほどお聞きした通り、TAKEFUの中でもこの製品だけジャンルが違うというか、衣服や医療用の消耗品に当てはまらないものは珍しいですよね。何故モイストアップコットンを作ろうと考えたんですか?―


「きっかけはね、あの工場に出会ったから。」
 

―製品の構想があって工場に頼んだのではなく、逆に製作の場を見て構想を膨らませたということでしょうか?何故、その工場に出会ったのですか?―


「僕らのTAKEFUの糸を作ってくれている会社が、タンザニア産のオーガニックコットンを仕入れることになったと聞いて、視察に行ったんです。そしたらその工場の方もたまたま来ていて、紹介してもらったところ、鹿児島でコットンを作ってる会社でタンザニア産のオーガニックコットンを使ったものも作る、ということでした。僕らは元々TAKEFUの製品を医療用として普及させることを目指してやってきたから、唯一医療用として認められているオーガニックな素材を使う工場ということで、無関係じゃないなって思ったの。だから即行ったんですよ。化粧用のコットンというよりも医療用脱脂綿のイメージが強かったと思います。直感が働いて、鹿児島まで行ってみました。そしたらなんとも信じがたい工場なわけだ。こんな素朴な作り方というか、昔ながらの作り方をずーっとやり続けている工場があるんだぁって。 」


―それが冒頭でお聞きした作り方ですね。―

「そうです。木で作られた機械が、ゴロゴロゴロゴロ回ってね。いやいや、なんですかこれ?って。博物館で見るような光景ですよ。それにものすごく感動して、だからここで作りたいと思ったの。東京ではなかなかない広めの敷地にある3階建ての工場で、乾燥する機械なんかは上の方にあったり。150年もの歴史のある工場だと先ほどお話しましたが、昔は綿入り半纏の中の綿を作っていたそうです。かなり前の話ですが、冬に赤ちゃんをおんぶ紐で抱っこする時、赤ちゃんが寒くないように綿入れ半纏を羽織る習慣があったんですよね。ところが時代と共にその需要はなくなっていき、必然的にその中に入れる綿を作る工場も少なくなっていきました。同時に日本も経済的に成長してきて、女性はお化粧をするようになり、コットンを使うような習慣が根付いてきたわけだ。そしてこの工場も、コットンを作る工場になったんです。」
 


―時代と共に作るものは変わっても、残すべきやり方は残しているのですね。効率化と共に、そんな工場は稀有になってしまったと思います。―

「本当に稀有なので、感動しました。でも、そういった歴史のある会社でしょう?だから仕事上の接し方も昔ながらというか、とてもシンプル。工場を見せてもらう前に、社長始め、役員の方々が勢ぞろいした面談があったんですよ。私は1人で。普通だったら営業担当の方がいて業務的なやり取りをしますよね。そうじゃなく、この会社と付き合っていいか?という判断をジャッジされるわけです。6人くらいを前に質問攻めされました。(笑)」
 


―メリットや規定だけに則って仕事を受けるような工場ではないということですね?―


「そうです。私たちが工場を選ぶように、相手もお客さんを選ぶんです。だからね、色々な質問がありましたよ。TAKEFUのポリシーだったり、ものづくりについて。営業はどうやってるのか?どんなところに売り先があるのか?とか、色々な角度で聞かれました。取り繕っていたらボロが出てきますよね。だから我々のやり方をお伝えしていたら、途中から雰囲気が変わって、にこやかになってきた。これは気に入ってもらえたのかな?と思いながらひとしきり30分ぐらいの話が終わると、「じゃあ、よろしく」と。作らせていただくことになりました。」
 

―面談は緊張しそうですが、逆に話が早く、明快な感じもします。―


「そうなんですよ!担当さんひとりだけの責任になるようなことがなくて、安心できますよね。更に社長はもちろん、役員の方々も納得した状態で進みますから、話がスムーズなんです。」


―双方分かり合った状態で進む仕事は気持ちが良いですね。元々作っていたタンザニア産のオーガニックコットンに加えて、TAKEFUを扱いたいということで話が決まったのでしょうか?―


「その工場は元々、一般的な綿のコットンも作っています。高級品としてタンザニア産のオーガニックコットンを使って作ってる感じですね。我々としてはTAKEFU®を使ってこだわり抜いたコットンを作りたい!と伝え、それが実現したのがこの製品です。」
 
 




今回はモイストアップコットンを取り上げました。
これまで何気なく見ていた製品ですが、原料や作り方におけるこだわりを知るとこれまでとはまた違う重みを感じます。
化粧水や美容液にこだわったとしても、それを浸透させるコットンについてはあまり意識をしてきませんでしたが、実際肌に触れるものであることを考えるとやはり重要なアイテムだという認識も持ちました。
私も美容にこだわりのある友人や、肌が敏感な方にも広めていきたいと思います。
また今回、ものづくりの発端は、「何か明確な目的があって作る」という一択には収まらず、素敵な出逢いや偶然の重なりによって生まれるものもあると知りました。
そうやってできた商品が、誰かのためになることもある。
相田社長の柔軟な発想の原点を見せて頂いたような気がします。
自分の中から生まれるものだけでは限界がありますし、柔軟な発想で色々な可能性を期待しながら、様々なものに触れたいなと感じました。
 
 


インタビュアー・みー
1992年生まれ。ナファ生活研究所直営店 Shop of TAKEFU "eau" 勤務。趣味は宝塚観劇、旅行、食事、ラジオなど。 寒がりなので、冬はソフトフィットインナーに癒布を重ねて温まっています。

https://www.takefu-shop.com/?pid=156239366


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