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京サラ2022年募集馬検証その⑤ ~サンタテレサの22編~

皆さんこんにちは!
第5弾は京サラの出世頭フルムの弟!サンタテレサの22編です!

評価基準は例によって、

①馬体や歩様は見てもわからないので自分では考えない。
②血統面(配合面を主として種牡馬成績・繁殖成績も含めて判断)
③牧場・厩舎についてはライン評価も込みで判断する。
④馬体については各種コメントを踏まえ、血統評価との相関性を重視する。
⑤連産や産次、母年齢、セックスバイアスは最終的に補正する。

としています。
評価はS+~Eまでの12段階評価としました。

Sクラス…GⅠ級
Aクラス…重賞級
Bクラス…OP級
Cクラス…準OP~1000万下級
Dクラス…500万級
Eクラス…未勝利級

5つの評価値の平均を出したのち、以下の2点を補正評価として加えたうえで総合評価と致します。
補正評価は+1でランク1つ分(BならB+に)となります。

[連産リズム補正]
これは高産次・連産についての考察として比較的信頼度の高いものとして、こちらのカミノアナログ氏の理論から拝借しております。

[セックスバイアス補正]
種牡馬の牡牝成績に関連して、補正を行っております。

また、総合評価に対して、募集金額・勝ち上がり率・獲得賞金期待値を勘案したコストパフォーマンス評価も採り入れ、最終的なオススメ度とさせていただいております!

こちらは独自の計算式に基づいておりますが、一口においては重要なファクターだと思っております。

それでは検証スタート!

【③サンタテレサの22】
父マジェスティックウォリアー×母サンタテレサ(母父ドリームジャーニー) 牡・母8歳時・空胎明け
栗・浜田厩舎 高橋ファーム生産 1800万募集(預託生産馬)

【父馬から見た血統評価】

昨年の山上代表の募集コメントでこっぴどくディスられたことで、京サラ界隈では(悪い意味で)その名が知れ渡った父マジェスティックウォリアー。

21世代の産駒であったマジカルレイズ(母ビーウィッチド)やケーヴァラ(母アーベントロート)は、比較的大きな頓挫がなかったにもかかわらずボッコボコに売れ残ってしまいました。

山上さんはマジェスティックウォリアーのことを「緩くてスピードの出ない産駒が目立つ」と評していますが、ハッキリ言わせて頂きます。



その通りです。



緩いしノロいのでスッと反応できないし、そのわりに前進気勢にも乏しいので前に行って粘るというのもなかなか出来ません。

ですが、マジェスティックウォリアーの長所があります。
それは、配合のスイートスポットが非常にわかりやすいところ。


マジェスティックウォリアーに不足しているのは、先にも言った通り、

①スピード
②パワー
③前進気勢

この3点。
つまり母からこの要素を補えばいいわけですね。

その為にまず相性の良い血、それが大正義サンデーサイレンスです。

現3~8歳までの賞金上位20傑の内、サンデーを含まないのは○外のエアアルマスとサトノガイアの2頭のみ。
あとは全てサンデーサイレンスを内包しています。

サンデーサイレンスって芝のイメージが当然強いと思うんですけど、実は母方に目を移せばEdelweissがHyperionとSon-in-Lawの組み合わせクロスを持っていて、これがサンデーが単なるスピード種牡馬に終わらなかった所以でもあったりします。

Haloの才気と運動神経に溢れるスピードと、母方の底力はまさにこの父には持って来いという訳ですね。

そしてそのHaloとBoldnesianはニアリーの関係にあるのでここが脈絡するわけです。


しかし、その一方でそれだけでは頑健さに足りないという懸念も残ります。

その頑健さをこの馬の場合は、自身が持つBuckpasser4×4の母Busanda(War Admiral+Blue Larkspur+La Troienne)と、Broadway(Roman+Blue Larkspur+Son-in-Law)とDixieland Bandの母Mississippi Mudが持つAlibhai3×4増幅させ、そして父が1本しか持たないNorthern Dancerを補うことで補完しています。

そもそも、マジェスティックウォリアーがもつ上記の血はどれもかなり奥まっており影響力は極めて希薄なのですが、母サンタテレサはそれを補って余りある米血パワーの血を持っています。

特に凄いのが母母アビラで、Ribot、Son-in-Law、Alibhai、War Admiralを介したHis Majesty≒Allegedの2×4のニアリーを始め、Romanの6×6、Flower BowlとTudor Minstrel、さらに言えばその父Rock of Gibraltarはヨーロッパのマイル界を席巻したパワーの塊。(ディープインパクトから前受け粘着型パワーマイラーのミッキーアイルが出たことでその特徴が理解してもらえると思う。※ミッキーアイルの母父がRock of Gibraltar)

そして母父ドリームジャーニーはノーザンテーストの3×4を持っていて、そのノーザンテーストは言わずと知れたLady Angelaの2×3。
このLady AngelaはAlibhaiと(Hyperion+Tracery)が共通の血。

そしてスヰート(メジロアサマの母)が持つBlue Eyed Momoは(War Admiral+Blue Larkspur+La Troienne)で父の持つBusandaとニアリー。


このように、父の緩さや非力さ、気性の呑気さを徹底的に母の血で補うという非常にわかりやすくかつコンセプトのある配合なんですね。

父の配合相手としてはまさにこれ以上ない相手と言えます。
父の産駒は緩やかな成長曲線を描く馬が多く、また非常にタフでもあります。

これは、父の欠点とも言える緩さ、そして前進気勢の乏しさの裏返しでもあり、気で走るタイプではないからこそ気で走らなくなることも少ない、と言えます。

父の産駒は中距離馬が多いですが、むしろこの母との仔なら1400型に出てほしいところで、そうすれば2歳秋ごろのデビューから早めの勝ち上がりも期待できます。

父視点の血統評価[B+]



【母馬から見た血統評価】

父の項でも述べましたが、母母アビラは強烈な硬さを伝える牝馬です。

血統表を見渡しても、軟質と呼べる血はBold Lad (IRE)、Prince John、Sir Gaylordぐらいのもので、あとはとにかく硬質で重厚な血が固められています。
英愛やオーストラリアでめちゃくちゃ走りそうな字面です(笑)

そんな母にノーザンテースト3×4のドリームジャーニーですから、サンデーやPrincely Giftの血が入ったとはいえ焼け石に水で、母サンタテレサの現役時は地方でも特に砂の深い門別で2勝を挙げるに留まりました。

しかしこの強烈なパワーは母方に入って活力の源に大いになり得る特徴であり、事実初仔のシニスターミニスター産駒フルムはオープンまで駆け上がって現在京サラの稼ぎ頭となっています。

シニスターミニスターもマジェスティックウォリアーほどではないにせよダート種牡馬にしては緩さを伝える方で、また前進気勢もさほど強くないです。

その父から1200~1400の馬を出したというのがこの母のポテンシャルの高さを示しています。

細かい配合面については父の項で触れましたが、正直なところ細かい配合どうこう以上に、サンタテレサの母としての可能性を評価している、といっても過言ではないです。

本馬は父がマジェスティックウォリアーに変わりますが、むしろこの母の相手とすればシニスターミニスターよりいい相手かもしれません。

望田さんも言ってましたが、アビラの牝系は牡の方が走る傾向にあるので、フルム以上の活躍を期待したいところです。

母視点の血統評価[B+]


【配合総評】

父視点・母視点ともに互いが互いのウィークポイントを補完した、非常にバランスの良い配合です。
父マジェスティックウォリアーはダート馬にしては低い勝ち上がり率ですが、それでも31%はマークしています。

まずは期間内の勝ち上がりが目標になりますが、勝ち上がりさえすればゆっくりとステップアップしてオープンまで辿り着けるのではないでしょうか。

血統総評[B+]


【牧場評価】

生産は高橋ファームですが、母は山上氏の所有なので預託生産馬ということになります。
既にベストレートの項でも書いているので細かい部分は割愛しますが、良績はダート馬に集中していて、その点からベストレートよりも高い評価に位置付けました。

牧場総評[C]


【厩舎評価】
浜田厩舎は兄フルムに続いての預託。
今年は今の時点で昨年の14勝を超えています。

ダートに良績が多いが、重賞勝ちは全て芝とどちらの育成にも長けています。

騎手起用はデータ上は川端が多いが、5月にフリー転向後は大幅に減少。
勝負っ気のある時は、川田、鮫島駿、岩田望などリーディング上位によく依頼する。
ただ、フルムの主戦は水口です(笑)

個人名義ではほぼ預託がなかったが、京サラからはフルム、バトゥーキと2世代連続で勝ち上がり達成。

個人の主観になりますが、かなり腕を信頼している調教師です!
クラブとの相性も鑑みて高めの評価としました。

厩舎評価[B]



【馬体相関評価】
測尺時馬体重…433㎏
デビュー時予測馬体重…462㎏

以下山上コメントから抜粋。

「現在のところ父の悪い部分が目立っていない」
「兄フルムに似ている」

相変わらず情報量が少ない山上さんですが、上の2つのコメントは悪い意味でのマジェスティックウォリアーらしさが無い=アビラの特徴が出ている=フルムに似ているというニュアンスで受け止めていいでしょう。

この『アビラの特徴が現出しているかどうか』はこの配合における核のような部分ですから、非常に好感の持てるコメントです。

私は馬体や歩様のことはあまり解りませんが、現時点でこの馬が良く見えないという人は、おそらく同時期のフルムもあまりよく見えなかったのではないでしょうか?

基本的にはダ1400mまでがベスト。ですが±200mまで、下級条件なら±400mまでは何とかなるはず。

馬格はそこまで大きくならないでしょうが、父の産駒は460kg台でも活躍馬はいるので問題ありません。
仮に大きくなったとしてもこの管囲なら足元の不安も少ないでしょう!

5歳の春ぐらいにオープン入り、そこから本格化みたいなイメージで稼ぎまくってもらいたいですね。

馬体相関評価[S]


【補正要素】
連産リズム補正…+2(低産次・空胎明け牡馬)
セックスバイアス補正…+1

補正評価[+3]


【総合評価】
父血統評価[B+]
母血統評価[B+]
牧場評価[C]
厩舎評価[B]
馬体相関評価[A+]
補正[+3]

総合評価[A]

勝ち上がりが最初のハードル、ですがこの父の仔はわりとデビューまではそこまで手こずらない傾向にあるので、大きな頓挫が無ければ心配ないでしょう!

ダート種牡馬には一度軌道に乗るとトントントンと一気に駆け上がっていくタイプが多いですが、この馬は勝ち上がりさえすればマメに賞金を咥えながら地道にステップアップしてくれる、サラリーマンタイプの馬だと思います笑
長いお付き合いが出来ることを願いたいですね。

【コストパフォーマンス評価】
募集額…1800万
6歳末まで走った場合の必要経費…1300+60×5=5400万
総合評価に相応する予想生涯獲得賞金(手当や奨励金も含む)…[A]17000万(重賞級)
未勝利の場合の最大損失額(3歳9月抹消時)…2749万

総合評価に相応する勝ち上がり率期待値…[A]65%(両親補正無し)

一口当たりの損益期待値…¥131,557

出資オススメ度[S]


1800万という金額をどう受け止めるかが争点になりそうですが、母のポテンシャルはコテキタイを大きく上回っていると思っているので高い買い物ではないでしょう!

名牝サンタテレサの仔がこんな金額で買えるのは今年が最後ですよ!いいんですか?????という思いでこの評価としたいと思います笑



検証は以上となります!!
参考になるかどうかはわかりませんが、面白かった!というかたはいいねや拡散して下さるとうれしいです!!

長文読んでいただきありがとうございました!!

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