詩人・竹中ゆうすけ

1993年生まれ;愛知県出身;夢は、文学を始めとする芸術を以て、人類の恒久平和を実現す…

詩人・竹中ゆうすけ

1993年生まれ;愛知県出身;夢は、文学を始めとする芸術を以て、人類の恒久平和を実現すること;全作全文無料公開中;随筆も書いていますが今は未だ秘密;[連絡先]qlgcuh27509アットマークme.com

最近の記事

詩153 おもうだけ

ことばを大事にして 君のことを想う 目の中には今 何が像を結んでいるの ぼく以外の誰かじゃなかろうか 飲まないビールを 目の前に置いて 考え事をしている あの日に戻ろうか それとも 戻るべきではないか 寂しいとは 口にしない 決して 口にしない 隠すことは 何もないし ただ 君を 想うだけ 正義とやらを信じて 今はただ 君を想うだけ

有料
130
    • 詩152 不恰好な姿

      眠りの中で 戸惑う君は どこにいても 人魚のようで 頼りない杖をついて 足下を囲む 海を 泳ぎ始める 何も積んでいない 車のドアを開け 何も考えず 一人 助手席に座り込む 日はまるで昇れないような 真四角の不恰好なまま 地球の裏側で 踊り明かした 揺れる大地に 熱く波打つ そこに小舟があれば もう永遠に 帰ってこないだろう ぼくには 慰める資格がないようで 君の言う通り ぼくはただ バカになるだけ カタカタと ぼくは笑っているだけ 静かな囁きも ただ泥のようで

      有料
      130
      • 詩151 恋は続かない

        近くにいないと 恋は続かない キスしたいねえ 君を抱いてみたいねえ 尻をもんでみたいねえ アノ音を淑やかに出してみたいねえ 寒い夜です 心は寒い夜です 君の瞳も寒い夜です 手の中には何もない ひたすら 寒い夜なのです

        有料
        130
        • 詩150 松の木・ぼくの靴

          どこでそれを拾ったの? 次第にしびれていく足が 北西を向いて曲がっていく 子どもは 何も答えないまま じっと立っている ぼくは困って カップに入れたりんごジュースをやる 風が吹く 松の木をぬって 天井の奥へ 奥へ 子どもは 飲み干すと じっと松の木を 見上げている ………やはり 何も答えない………。 上から落ちてきたのかい? と聞き直すと 子どもは だまって ぼくの靴を 奪い去っていった

          有料
          130

          詩149 うわあ

          うわあ 楽しい。 手をつないでいたのを 忘れたように 一途に 君は走っていく そんなに それが ほしいの? とぼくが言うと 笑って君は ナナメる ガラスを指さす ぼくが何も言わないでいると 「なんだ~」と言って ぼくの前からいなくなった うわあ 楽しい。 ぼくは 追う。 君は 歩く。 ぼくは追いかけて 君は 前を 歩いていく

          有料
          130

          詩148 君は泡と化し

          波に揺られて 君は小舟の中で 無数の 泡と化した ぼくがそれらを 抱きかかえてやると つぎつぎと 泡は割れていく プカプカと 次第に 消えていく 泡たちは、 信頼するに 値しない 上空の寒気と酷似している ぼくは さりげなく 手を握ってみただけなのに 君はイヤそうな顔をした 小舟は 不審な揺れ方を 続けている 悲しいことは ぼくはただ海の上で揺られているだけなのに 君は泡と化して 次に 割れてしまったということ もう ぼくには どうしていいか わからない

          有料
          130

          詩148 君は泡と化し

          詩147 中央線の並木道

          明日はどこへ向かって 進んでゆくの 鉄格子の向こうで鳴り響く 木琴の奏者が誰かということが 今の自分の関心事 握るハンドルも 私の手には頼りない だけれど アクセルは簡単に押し込めて エンジンの音をとどろかせることができる 恥ずかしさに全霊を委ねて 中央線を駆け抜けてみれば 道の両側の並木は 一斉に刈り取られていった ますます どこへ向かって進んでいるか 分からなくなっていく。 大人になっていくのも ただ隠されていくみたいだから

          有料
          130

          詩147 中央線の並木道

          詩146 夜に包まれて

          星空と戯れ 夜はあなたを包む おわりから遠ざけ匿まってくれた 星の力に 今夜 風のささやきを 預けてみる 一つひとつのきらめきを 手にとるようにして ガラスの向こうにそろえた コレクションの数々 黒い敷物は おわりを呑み込むほどの 強力な瞳を 身に付けている 夜空の古代の夢に抱かれて 静かに 輝きを争いつづける 星空と戯れ 永久の祈りに迎えられながら あなたは夜に包まれる

          有料
          130

          詩146 夜に包まれて

          詩145 べそかき

          べそかき 行こう とんでもないね! どこまでも 行こうよ 涙をながして べそかきさん さあ 行こう 涙は雨に混じって 海や河に姿を変える 水に乏しい地域の恵みになる だから べそかき 行こう そうだ 行くしかないワ きっと 楽しい 旅の路♪ べそかきさん さっ 行こう

          有料
          130

          詩144 きみの才能

          時代は求めている きみの才能を 風に吹かれ 丘の上の景色を眺め ぼくは 移り変わってゆく 時代の流れを見ていた 時には雨に打たれ 雷にも打たれかかった だけど やっと今 きみのその才能が 輝くのを目撃した 夢がある きみとぼくには 夢がある それを与えてやれるのは ぼくを介した きみしかいない いや いつか きみ一人で 次の時代を生み出せる きみの才能で 時代は変えられる

          有料
          130

          詩144 きみの才能

          詩143 ちぎれたシャツ

          サイズのわからないシャツを 手当たり次第に漁って取り捲る 雄叫びをあげる熊が 血眼になって目撃している 放置気味でささくれた爪に引っ掛かって 少しずつちぎれていくシャツに 冷たい雨が降り出す 傘も持たずに飛び出した〈俺〉は 迫り来る危険を察知していた せみが鳴いている 小鳥がさえずった 扉が開くのを 今か今かと待ちわびて 皮膚にしみる冷雨が まるでその危険 用心棒も役に立たない危険を前に 〈俺〉とちぎれたシャツは 熊の胃の中へ 生まれ落ちてゆく

          有料
          130

          詩143 ちぎれたシャツ

          詩142 圧迫

          何でこんなに何かに追われなきゃならんのか 人の心に圧迫され 人の行いにも圧迫され 心の裂け目はブラックホール 行いの源は不夜城の基礎 夜はいつも雨 雷は鳴るは暴風は吹くはで 結局 天候にも私は追撃されている 瞳が乾き この手に触れる世界も この手でつかめる視野も どんどん狭まっていくばかり フランスで嗅いだ 香水の匂いは種類が多すぎて とても私の手に負えない。 匂いが転んでいる。 だから 匂いが軽すぎたり重すぎたりするのだろう これも 一種の 圧迫だ!

          有料
          130

          詩141 窮地に関する想像

          窮地に追い込まれて そこから脱するまでの間 何が起きるかを エルトン・ジョンをかけつつ 想像する 光に当たりながら 知らぬ間に育ってゆく 観葉植物の葉っぱ よく見ると ほこりをかぶっている きれいな花を添えれば 君の顔はもっと美しくなる そんなにかわいい服があるなら 今度 着ておいでよ きれいな花を挿して あったかい料理も作って ぼくは待っているから 机の向こうで 窓を突き破るように 朝日が昇ってくるような

          有料
          130

          詩141 窮地に関する想像

          詩140 ひよこの合掌

          水たまりの中で あひるが喚くように鳴いている あひるの口の中では ひよこが寝ている ひよこは白黒の世界で 食べ物を請う 請うときの 赤い手が 合掌の形に見える 掃除機のファンが逆回転したときのように 食べ物が吹き込まれてくる 当然ながらひよこはすべてを受け止め切れないで 食べ物に匂いと共に埋もれてゆく 秘めていた力を ここで発揮しては ひよこのすごさが伝わらない 止めどなく流れ来る食べ物の中に 水たまりの中へ溶けていった あひるが混じっている

          有料
          130

          詩140 ひよこの合掌

          詩139 生活リズム

          ま〜たこんな時間まで起きているね。 明日というか今日には ──── 日付は約5時間前に新しくなった。 この異常な生活リズムを 正常に戻さなくてはならない。 だから 22時ごろにはきっと床に就こう おっと! そこの自分は「今」 考えているかい? おっと! そこの君は「今」 何かを感じているかい? 考えていれば仕事は尽きず 何かを感じていれば生きているということ 考え感じるグルーヴで 生きることがやがて循環の形に転じる ──── 終わりを決して迎えない そのために ぼく

          有料
          130

          詩139 生活リズム

          詩138 追いやられる愛

          いつかこの星も 穴でいっぱいの 廃れる一途をたどるのか 人が減って 友が減って 愛が減って 言葉が減って 君が「悲しい」と叫ぶ……… その「悲しい」という言葉さえも いつかは失われてしまうのだろうか 誰の口づけも 冷たくなって 誰の口づけにも 温もりはなくなる ずっと一緒にいた 血のつながった愛は どこへ追いやられて しまうのだろう

          有料
          130

          詩138 追いやられる愛