2021/9/9『時代についていけてない父』

夜、バイトが終わってリビングで一息ついてると
父が頭を抱えながらいそいそと私の元へやってきた。

「けいすけ、これわかるか?」
そう言い、ケータイの画面を私に見せてきた。

画面を覗くと、それは父の会社のグループLINEだった。

ある課長が発した言葉を皮切りに
次々と部下が返信をしているのだが、
その内容がとても奇妙なのだ。

1人の男が、「ハネムーン」
次の男が、「who are you」
他の男が、「スーパームーン」

と、次々と意味のわからない言葉を出して
返信しているのだ。

この一連の流れを見て、若者のノリだと感じた父は私に確認しにきたのだ。

しかし、私が見ても最初はなんのことかわからなかった。
しかし、その後にある女が「ラッパーがここにいます」と言ったことで理解することができた。

「ハネムーン・who are you・スーパームーン」
たしかに韻を踏んでいる。

これにまだ気づけていない父。

必死に声に出しているもののまだわかっていない。
じわる。

一からちゃんと説明すると、
一応わかったそうだが、この若者の流れにはついていけないと言っていた。

でもねおとうさん。
会社のグループLINEで韻を踏んで荒らすヤツの意図は、
私にもわからんよ。

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