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アウトドアガイドが海辺の古民家リノベする③ 瓦屋根を葺き替える前編

古民家リノベ、最初の難関は屋根の葺き替えです。

格安で取得したこの物件、それにはそれ相応の理由があり、1番のネックは雨漏りです。
4年前(2019年)に大きな台風が来て、その際屋根の銅板部分が剥がれてしまっていたようです。
そのため家の中も雨漏れによる痛みが進んでいる部屋もあります。

屋根からの雨漏れが畳に浸透しております

とにかく施工の順番としては上から。まずこの雨漏れを食い止めなければ。
ということで、屋根屋さんに見てもらい具体的な修理方法を聞きます。
ここで衝撃の一言が。
「銅板部分だけでなくて、他の屋根部分の瓦ももう古くて防水シートも効いてないですね。全面葺き替えをした方が良いですね。」

ぜ、ぜ、全面葺き替え…!?
部分補修くらいで済むかなと思っていたのですが全面葺き替え!?

片面の吹き替えで専門業者に頼むと200万近い見積もりが出ていたので、全面だとどうなるんだ…これぞ訳アリ物件。初っ端から課題盛りだくさん。

ここで物件のリフォームに詳しい先輩にアドバイスをお聞きします。
「瓦を全部下ろしての葺き替えは大変だけどできなくはないね。平屋だしね。」
おっと、屋根の葺き替え、全く未知だけどいっちょやってみっか!
ということで、ここから屋根の葺き替え計画がスタートします。

工程①瓦を外して下す

もちろん1人ではできないので、詳しい方にお願いしながら、まずは瓦を下ろすところからスタート!
下ろした(というか落とした)瓦は割って庭に敷き詰めて再利用します。

庭に築かれる瓦の山
ならしながら全面に敷き詰めていきます

瓦を外してみると、その下は杉の野地板、防水シート、銅縁(瓦を止めるための薄い木材)、そして土という構造になっています。
土は瓦を接着するための粘土が乾燥して、一面砂漠かというくらいの量。昔の人は、この瓦や粘土を屋根の上にあげたのかと思うと家を建てるのは一大イベントだったのだと感心。
さて、感心している暇もなく、これらを丁寧にとっていきます。

長年この家を支えていた屋根の構造はこんな感じ
この後取りきれなかった土たちは屋根の下へと落ちて天井裏へと積もっていくのです・・・

工程②合板を貼り付ける

野地板が見えるまで土などを取ったあとは、合板を貼り付けていきます。これが新たな下地となり、屋根の土台となります。必要な合板を屋根の上まで全てあげて、ビスが効くようなサイズにカットして貼り付けます。重力に逆らうなかなかの肉体作業。

合板を貼り付けるwith夕陽

工程③ルーフィングと銅縁を貼り付ける

合板が貼り終わったら防水機能のある、アスファルトルーフィングを敷いていきます。アスファルトルーフィングはロール単位なので、屋根の上にあげたらロールを転がしながら必要な長さを「カッター」で切って「タッカー」で止めていきます。(ややこしいw)これは比較的スイスイと進む作業。
ルーフィングが決まったら、今度は銅縁と言って、屋根材を固定するための下地となる木材を等間隔でビス打ちしていきます。
屋根の工事は常に天気と睨めっこです。ルーフィングまで貼れないと、雨が降ると雨漏れしてしまうからです。作業工程中は雨の日が多かったので、作業日程が組みづらかったのですが、なんとかここまでできれば、雨漏りの心配も少なくなり一安心です。

合板の上にルーフィングを貼り
銅縁を打ちつける

さて、ここまで決して一人ではできない屋根の吹き替え作業でしたが、専門の方の指導の下、なんとか形が見えてきました。
いやー、屋根って葺き替えられるものですね。
ただ、専門知識や体力、技術が必要ですし、今回のような平屋で斜度の緩い屋根ばかりではないので、必ず専門の方と一緒に(普通は依頼)すべきです。
この後は、いよいよ屋根材を貼っていきます。屋根材もいくつか種類がありますが、今回はコストや強度、施工のしやすさを考慮し、ガルバリウム剛板という素材をチョイスしました。
これについては、また次の記事にて。

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