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イラストレーターがアップリケのメーカーになるまでのこと ⑥

こんにちは。

イラストレーターのトヨクラです。

前回は細々とした事務的なことを書いてしまいましたが、今回は日本最大級の雑貨の見本市、東京ギフトショーに出展したことからはじめます。

雑貨の展示会も調べているうちに色々あるということがわかってきて、その中でもギフトショーというのが日本で一番大きい見本市だと知りました。

世の中に出回っている雑貨類はほとんどここでお披露目されて、お店へと並んでいるのではないでしょうか。

東京ビッグサイトを全館貸し切って、3日間で20万人(現在はさらに規模が大きくなって前後半で7日間ほど)以上の業界関係者の来場があるということから、その規模の大きさがわかります。

そんな大手メーカーから中小メーカーまでが出展する展示会で、1ブースの費用はスペースだけで40万円ほど、施工や社員の交通費、宿泊費などもろもろを入れて行くと100万円ほどは普通にかかります。

そんな大金はもちろんありません。

しかしそんな中、roomsと同じように若手の新しいブランドを応援するスペースというものがギフトショーにもありました。

その名もアクティブクリエイターズ

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バイヤーで有名な山田遊さんやセメントプロデュースデザインの金谷さんが多くの応募の中から厳しい目で審査をし、そこで通れば15万円ほどの出展料で一般スペースの半分のスペースで出展できます。

しかも家型のセンスの良い施工をされた壁面とパンチカーペットの施工もついての値段です。

これはもう出すしかないと思い、きちんと思いを込めて申請書類を用意して送りました。


書類を送って1ヶ月後、どきどきの審査結果の連絡がきました。

見事通過。

通過するのが難しいと聞いていたのでとても喜んだのを今でも覚えています。


20万人が来るギフトショー、一つでも良き出会いをつかもうと必死で出展準備をしました。

商品を単に並べればいいのではなく、バイヤーさんがいかに自分のお店に置きたいと思わせるかディスプレイや什器もこだわります。

バイヤーさんの頭の中は5000社も出展する企業の商品の中から選んでいくわけですから、とびきり気に入ったものしか仕入れないわけです。

アップリケを展示する什器は、ボックス型のものを使っていましたが、これだけだと2、3m先からは世界観が見えにくいので、縦置きのアクリルの什器を特注で作りました。

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こうすることで、パッと目を引きますし、手に取ってくれる確率も高くなります。

また、アップリケという商材は目的がないと買わない商品で、何かにつけることで完結する商品です。いわば材料です。
なんとなく買うことはほぼないでしょう。

ですので、お客さんに説明する必要があるのですが、小さいのお店の場合はともかく、大きな百貨店などでは販売員さんが常に商品のそばにいるわけでもなく、それを補うためのPOPが必要です。

そのために、現在は常設店にはアップリケの使用例を書いたPOPを、フェアを開催していただける際は大きめのPOPを用意します。

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いかに自社の商品をバイヤーさん、その先の一般消費者に伝えていくかが大事です。

自信のある良い商品ができたからと単に商品を並べていても、バイヤーさんは手に取ってくれません。その周りの世界観、ストーリー、接客がとても大切です。

1. 商品に目が止まる
2.手に取る
3.買う

この3まで行くのは 簡単なようでとても難しいことです。
多くの要素が絡まって、モノは買われて行くんだと思います。


その他用意するものに、名刺は必須です。名刺が切れると致命傷です。
カタログも多めに用意します。
アップリケという比較的安価な商品ですが、アップリケの中でも自社の商品は比較的高い値段設定なので、付加価値を伝えるために、カタログもケチらずに良い紙を使って印刷します。

商品サンプルもあれば良いですが、なかなか無料で配れるほど余裕もないので、有償のサンプルも用意します。


見せ方の工夫をして、カタログも用意して、商品と什器一式を宅急便で会場に送ります。


そして搬入日前日、経費削減のために夜行バスで上京します。
夜行バスで行くのは、やはりイラストレーションで駆け出しだったころのハングリーさをもう一度プロダクトでも出したかったのと、芸人の森脇健二さんの「東京へはこだまで行く」という話に感動して実践してみたかったからだと思います。


そしていざ本番。

ブースはこんな感じになりました。

ブースのスペースは違えども、大手企業数千社と同じ舞台に立っての展示会がスタートしました。

もちろんスタッフは僕一人です。

どうなることやら。

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つづく。