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鉄道員の勤務体系(駅員編)

通常の会社勤務と違い、かなり特殊ではないかと思うのは鉄道員の勤務体系。今回は、どんな感じでみんなお仕事をしているのか?
僕の現役時代の事例を、駅員時代と車掌時代を中心にお話ししてみようと思います!

【駅員】
基本的に駅員の出勤時間はシンプルで、泊まり勤務の場合は9時出勤~9時退勤の24時間勤務。そして日勤と呼ばれる担務の場合は、8時出勤~19時退勤。もしくは増強要員として9時~17時という出勤があったり、時には深夜の臨時列車対応で特殊な出勤時間が設定されたりもしました。

駅に配属時の僕の職場では決まったローテーションではなく、例えば泊まり勤務を2回連続でやって、二日休みとか、日勤勤務が2日+泊まり勤務で2日休みとか、まあさまざまなパターンがありました。

ただ、勤務担当の上司によっては、判を押したような定型ローテーションで勤務を組む方がいて、その場合はいつも同じ人と勤務を組むことにもなるので、なんか面白くないな~なんて思っていました。後々になって乗務員となると、原則としてローテーションで勤務が割り振られているので、その上司も乗務員区出身だったということもあり、その流れを受け継いでいるのだな…とまあ合点した記憶があります。

不規則とはいえ概ね週休二日ではありますが、勿論土日に勤務が組まれることもあり、例えば第一週は3日休みだったものの、第二週は1日しか休みがない!なんてことも、場合によってはあります。
これは、その時の人員状況によりますが、他の社員が休みを希望したり、会社行事等で人手が少ない日があったりすると、やはり歪な勤務になったりもします。

旅好きな僕としては、なるべく休みは連休だと嬉しかったですね。また、独身で休日は一人でどこかに出掛けるのが好きだった僕としては、土日休みよりも平日休みの方が、どこへ行っても空いているし、平日はちょっとお得だったりするので良かったですね。まあ行こうとしたお店が定休日だったりすることもありますが、そんな時は縁がなかったと諦めるスキルも身に付きました。
頑張れば泊まり勤務アケ+2日休みを使って都合3日の旅をしたり。
体力さえあれば、結構楽しめるなというのが、鉄道員の勤務の特徴かもしれません。これは駅に限らず乗務員になっても同じです。


では出勤したらどのように仕事をするのか。休憩などは?
泊まり勤務の場合を例に挙げます。
出勤して自分の持ち場に着いたら、前任者との引継ぎ。何か異常、伝達事項あればここで引き継がれます。
僕の駅職場は拠点駅ということもあり、改札口も複数あるため、職場について着替えた後は、まずはその日の持ち場へ向かい、私物などをロッカーに入れます。だいたいその時に引継ぎ事項も確認してしまうのが通例でしたね。
そして出勤時間が近づいたら事務室に戻って、全体点呼。そこでその日の注意事項や最近の事象事例で注意啓発、その他伝達事項などなどがあります。

そうして再び自分の持ち場に戻り、業務開始となるわけです。
ここからは作業ダイヤと呼ばれる、勤務時間の割り振りに従って行動しないといけません。
僕の職場の場合5分単位で作業ダイヤが刻まれており、〇時〇分からA改札口、そして〇時〇分から10分の休憩、〇時〇分からはB改札口。
といった具合に指定されています。
そう。その時の担当によっては、複数の改札口を兼務することもあります。
これは休憩時間等をうまく回すための考慮でもあり、日勤勤務の人などがうまく時間をずらして休憩し、全員が昼食、夕食休憩はしっかり取れるように配慮してあります。
確か食事休憩は50分ほど。そして合間の10分ほどの休憩が何回か挟むという感じだったと思います。

夕ラッシュが終わり、お客の数もまばらに…(酔客も出てくるのでトラブルリスクは高い時間だけど)無事に本日の終電が発車すると、駅は束の間の眠りにつきます。
とはいえ、全員が終電まで残るわけではなく、始発に対応する担務の人は少し早めに業務終了。終電まで残る人は、逆に翌朝が少し遅め。という感じでしたね。
しかし、実際はある程度、改札ごとにまとまって駅から少し離れた休憩室まで歩いていくこともあり、早く終わっても直ぐに休憩できるという訳ではありませんでした。
自分の仕事が終わったからと言ってお先です!という訳にはいかないのはまあどこの会社でも同じかもしれませんが。

夜の休憩時間は5時間ほど。とはいえ、移動時間なども考えたら速攻で風呂に入って寝ても、睡眠に充てることが出来るのは4時間ほどか。翌朝に備えて僕はサッサと就寝する派でしたが、タバコ吸いつつ雑談などして夜更かしするという人もいましたね。

いわゆる膨らむベッドというヤツで起こされて、朝がやってきます。
しっかりタイマーをセットしていればよほど寝過ごすことはないとは思うのですが、中には腰のあたりが膨らんで上下するのにもめげずに爆睡する人もいたのは驚きです。
大きい駅だったので、寝坊しても誰かに叩き起こされるので済みます(あとで上司からも怒られます)が、小さい駅だったりすると大変なことになりますね。時々ニュースで○○駅の改札が開かずに、乗客が始発電車に乗れなかった!なんて話がありますが、それは泊まり勤務の駅員さんの寝過ごしが原因でしょう。

睡眠不足の頭をコーヒーなどでスッキリさせて、朝のラッシュを乗り越えると、ようやくこの日の泊まり勤務の人たちも出勤してきて、無事に勤務が終了するのももう間もなく!という感じです。




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