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もうちょい頑張れ!?観光列車おいこっと

東北18きっぷ一人旅で、飯山線の観光列車「おいこっと」に乗車しました!
十日町~長野を走破するこの列車、勿論3時間ほどの乗車体験はとても楽しいものでしたが、折角の観光列車。もう少し工夫があると、より楽しいものになるだろうな~という思いもありました。

【ダイヤ上の工夫がほしい】
今回乗車した、上りのおいこっと各駅の停車時間を見ると、飯山駅で37分の長時間停車がある以外は、戸狩野沢温泉駅と替佐駅で行き違いの5分停車があるのみ。
それ以外の停車駅は1分程度の停車で直ぐに発車していく。
それでも所要時間は、ほかの普通列車とほぼ同じ。
ということは、やはり観光列車らしく、景勝地での徐行運転などもあるのだろうか?という期待をしていましたが…
蓋を開けてみると、通過駅を含めてほぼすべての駅に停車。
このため、駅間では通常の普通列車と同じような走行をしているものと思う。

踏切保安装置の関係上、停車しなければいけないというものだということは、後述の通り聞いた。
しかし急ぐわけではない観光列車。それならば所要時間が増えてもいいから、駅間の景勝ポイントで徐行するなどの工夫はあってもいいのではないか?
まあ不思議な全駅停車が、真向いの旅人と話し始めるキッカケにもなったので、それはそれで面白かったが。

また飯山駅で37分の停車時間中に、からくり時計の実演や、マルシェでの特産品販売もある。
もちろん、そういったイベントごとも必要だと思う。
駅構内にカフェなどもあるので、そういったところで消費してもらいたいという目算もあるだろう。

しかし、飯山駅は新幹線も停車する駅で、ひなびた田舎…というよりは、駅前もしっかりと整備されていることもあり、田舎といえど、なんか新しい今どきの風景…という感覚がある。

列車の名前の由来となっている、東京の反対の「いなか」をより体感してもらうなら、古い駅舎が残ったり、ひなびた田舎の風景の中の駅で長時間停車(といっても10分ぐらいでもいいと思う)させて、飯山線沿線のいなかをもっと体感してもらってはどうなのか?という思いもある。


【車掌さんがバタバタした雰囲気はどうなのか?】
ドア扱いはない(運転停車)ではあるものの、飯山線内は殆ど、各駅に停車していく快速おいこっと。車掌乗務列車であることから、車掌さんはその都度、乗務員室に戻り、出発合図(ブザー)をだす。
さらに、青春18きっぷシーズンという特性もあって、途中経由するしなの鉄道線の乗車券発売もこなさなければいけない。
見たところ、定員38名のうち、過半数は18きっぷでの乗車と見受けられた。
そして飯山線は歴史的な成り立ち(私鉄)もあって、平均駅間距離は短い。2~3kmほどの間隔でコンスタントに停車する。時間にして2~3分程度か。
観光列車ということもあり、やはりお客さんのお金を出すスピードものんびりしたものであるし、1駅間で、せいぜい1人~2人ぐらいこなせればというところか。
アテンドさんも観光サービスや車内販売などで車内を廻っているので、それを邪魔しないようにという配慮も必要。
そんな環境も相まって、何度か、ギリギリになって駆け足で車内を戻る姿も見られた。

一仕事終えて落ち着いたとみられたところで、チラリと話しかけてみると、やはり18きっぷのシーズンは激務。今日はまだ1両だからマシだが、2両だと最後まで大忙しの時間が続くらしい。
僕も実はもと同業で、察しますよ!というと、喜んでくれて、ちらりと運転ダイヤを見せてくれる。
やはりほぼ全ての駅が停車。
どうやら、踏切保安上、どうしても通過することが出来ないのだそう。
しかも、観光案内も手動で放送を流しているらしく、道理で少し放送のタイミングが遅いな…と思うことが何度かあった。

現場の方はそんななかでも頑張って接客してくれているし、今回の車掌さんもとても朗らかで優しい方だった。
しかし、やはり観光列車の車内でバタバタする姿は、見ていてこちらも忙しない気分になってしまう。

本当は、通過する駅は全駅通過できるよう信号設備の改良をしてほしいところだが、それも費用が掛かること。
運転扱い車掌と、客室担当の車掌を2人乗務させることも、人件費も掛かるし現実的ではないだろう。

しかし、それならワンマン運転+客室担当車掌の組み合わせで運行することにしてみてはどうだろう?
運転士の負担は多少は増えるものの、現状、車掌の業務負担はかなりのものなので、そこを軽減することが出来る。

【そのほかにも…】
今回乗車した列車ではHPに記載があった、リンゴジュースの試飲などのおもてなしサービスはなかった。まあ僕はそもそもそこまで詳しく見ていなかったので、気にしていなかったが、隣のボックスのオバちゃんがアテンドさんに聞いていた話で知った。
どうやら現在、下り(十日町行き)列車のみのサービスらしい。
全列車での提供が難しいのなら、もう少し具体的な内容は書かずに、ボカシて「おもてなしサービスあり!」ぐらいに宣伝を留めた方がいいのかもしれない。

また、車両の中央にモニター画面があり、そこで観光案内と同時に映像も流れていたらしいのだが、残念ながらボックス席に座っている場合、半数の人はその映像を見るには首をグイっと曲げなければいけない。
僕はモニターに対して逆向きだったため、見るのは断念した。
とはいえ、構造上みんなが見れるように設置…というのも難しい話。
むしろモニターに頼るのではなく、沿線の見どころを紹介したマップの配布なども選択肢に入れてもいいのかなと思う。

とまあ色々書いたが、乗車体験そのものはとても楽しいものだった。列車自体、指定席料金の僅かな追加(まもなく値上げされるらしいが、それも妥当だと思う)で乗車できるものだし、それで観光列車独特の雰囲気が味わえるのは良い経験だ。

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