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夏の18きっぷ東北一人旅(その7)

今日の乗り継ぎはどこかでトラブルが起きたら破綻する。台風の影響による大雨で、仙台周辺は大変なことになっているようだが、ここまで異常なし。
ようやくここまで無事に来れた!という安堵感が、新幹線の電光掲示板を見た瞬間に吹っ飛んだ!

乗ろうとしていた、やまびこ168号の表示が無いのだ!! ?????
何かあったのか?だけど何も運行情報は出ていないし、駅員さんも平然としている様子。
まさか…と思いあたり、時刻表を慌てて繰ると、なんということか、そのやまびこ号は臨時列車で、本日の運転はなし…

とりあえず宿に遅れる旨を電話。まさかの確認ミスで、こんなことになるとは…非常に赤面する思いだ。
すごすごと在来線ホームに後戻りし、一関行きの列車に乗車する。

だけど諦めきれない! 折角なので、ゆっくりゲストハウス架け橋を堪能したいし、明らかなミスで遅れるのも元鉄道員のプライドに関わる。 走り出した列車の中で、もう一度考える。
一関での差はおよそ15分。

何気なくGoogleマップを見て気づいた。 これから乗る大船渡線、ドラゴンレールという別名を持つように、大きくクネって蛇行している。 並行する国道は一直線なのに。
これ、一関から大船渡線の千厩駅までタクシーで追いかけたらイケる? しかしマップの試算で、列車の着時間から計算しても5分も余裕がない。 これは危険すぎる…

しかしよく見ると、今乗っている東北本線を水沢駅で降りたらどうか?そこからも一直線に大船渡線の柴宿駅へ行く道があり、しかもこちらの方が時間が短い。そのことに気付いた時、ちょうどまもなく水沢駅に到着するところ。
もう後先考えず、ヨシ!いったれ!! と、水沢駅で降りてタクシー乗り場へ。それでも時間にあまり余裕がないのには変わりがない。タクシーが居るといいな…と願い駅を出ると、ちょうど2台のタクシーが止まっている。
ありがたや!と、飛び込み、大船渡線の柴宿駅まで!と告げるもやはり知らない。猊鼻渓の方面へ向かってもらって、近づいたら案内するということで出発してもらう。
そんなにリッチに見えないのか、高くなるけど大丈夫?と心配されるが、カードが使えれば問題はない。
実は、ちょっとミスしてどうしても大船渡線の列車に乗りたいんです!と、事情を話す。

途中、大谷翔平の母校だよ!と、姉体小学校を教えてくれる。せめてタクシーでないと見ることのできない景色を堪能する。
8000円近くの散財となったが、無事に柴宿駅へ到着。途中、裏道を使ってくれたこともあり、予定の列車の時間よりも15分近く早く到着することができた。

ひょんなこと(凡ミス)から西村京太郎のトラベルミステリーレベルの、不可能を可能にするトリッキーな乗り継ぎになったわけで、中々面白い経験でした。 まあこんな目立つ乗り方をすれば、間違いなくタクシー運転手には覚えられるだろうから、事件のアリバイトリックには使えなさそうだが。
しかしこのルート、一人だとタクシー代が重たいけど、2〜3人グループなら、結構有効な乗り継ぎショートカットルートかもしれない!
青森や弘前に泊まったあと、青春18きっぷで五能線に乗り、そして気仙沼に18時ごろになんとかして着きたい!という限られた条件にはなるが、覚えておいて損はないかも。
ただし失敗しても責任は負えません(笑)

少し余裕が出来たので、近くの産直センターを物色。誕生日ケーキ?のリンゴケーキ…ではなくリンゴパンをゲットし、列車に乗り込む。

夕暮れの気仙沼に到着。東北は日暮れが早く、もうかなり暗い。
ここからはBRTで陸前階上へ。もう20分ほどで目的地到着だ。
気仙沼はもう10年以上前のウルトラシャルソンで訪問したぶりだが、真新しい三陸道の高架橋が気仙沼の湾内をぶち抜いて横断している姿に度肝を抜かれる。

宿最寄りの陸前階上で下車し、無事に今宵の宿、ゲストハウス架け橋に到着だ。中に入ると、若い熱気で賑わっている。どうやら、田舎へのワーキングホリデーシステムを使って長期滞在している若者が多いらしい。男性ドミトリーは満室だとか。
スタッフさんがチェックインを受け付けてくれて、さっそく夜ご飯のスタートだ。

もう一つのテーブルの組はやけに急いで食べて出ていく。どうしたのか聞くと、震災の語り部との交流会が隣のシェアハウス棟で行われるのだそう。
もう少し早く到着できるなら、そちらも面白そうだったかもしれないが、まあ今回はこちらでマッタリと楽しませてもらおう。
なんと岐阜から来たという女性がいたり、元々JR北海道で車掌をしていた!という方とお話しできたり、明日泊まる予定のミンタロハットから今日出発してきて、ここに来たという方もいたり。なかなか面白いメンバーとお話しできた。
途中で誕生日であることもカミングアウト。みんなから祝福もいただいたりと、とても賑やかなバースデーの夜を過ごすことが出来た。

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