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夏の18きっぷ東北一人旅(その4)

【津軽鉄道へ!】
一日の始まりを朝風呂からスタート!温泉旅館はこれが最高だ。昨日のメンバーで(仕事の方は早朝に出たけど)朝ご飯を食べる。皆さんは、今日は青森県内をツーリングして楽しみ、またここに戻ってくるとのこと。連泊も面白そうだが、残念ながら明日の弘前出発が早朝なので、それは叶わない。

対して僕は、最寄りの長峰駅を9時54分発の列車にあわせてもう少しノンビリする。本当なら9時ぐらいに出発できればいいのだけど、奥羽本線の本数が少なすぎるのだ。
折角なのでもう一度風呂に入り、出発。
いや~、温泉旅館とゲストハウスの良いところ取りと言ってもいい。また青森に来たらここにゆっくりと来たい。

奥羽本線で川辺駅へ。レトロな旧駅舎は閉鎖され、代わりに簡易的な待合室。老朽化で地方の味がある駅舎はどんどん少なくなっていく。
待つこと暫し、1年ぶりとなるサッくんが登場だ!
青森に来るならやはり彼に会わないと…と、連絡してみたら、なんとこの日に丁度予定が空いていたので、一緒に津軽鉄道に乗ろう!と誘った。

クルマで五所川原へと一直線。なんとなく田舎をイメージしていたが、案外駅周辺は栄えていてびっくりした。

ここを立佞武多が通るんだよ!とサッくんが、味のある津軽弁で教えてくれる。いや~彼の言葉を聞くと、青森に来た!って感じがする。なんか軽く自分も言葉が影響受けている気がするから不思議だ。
よく見ると、電線もその通りだけは地上にはなく、立佞武多の通行に支障がないようになっているのがわかる。

駅前の立佞武多が入る整備庫。でかいぞこれは!!

いよいよ津軽鉄道に乗車。こ線橋を渡りホームに着くと、1両のディーゼルカーが。1日に何本か走っている快速?列車だ。

横には、ストーブ列車に使われる旧型客車も留置されている。


待合室に入ると、鈴虫の声がリーンリーンと涼しげに鳴いている。
というのも、この期間、鈴虫列車として全列車に鈴虫が乗務?しているのだそう。(ただこの日は車内で活発に鳴く姿はあまりなかった)


乗ってみると、一両の列車は座席が3割ぐらいは埋まるぐらいか。平日日中のローカル線ならまあまあ頑張っているほうだろう。
この列車はアテンダントさんも乗務し、本来は太宰治列車で運転される列車だそうだが、事情により一般車での運転だそう。

しかしこのアテンダントさん、よくしゃべる喋る。津軽鉄道の紹介、沿線の見どころ紹介からはじまり、太宰治の小説の朗読など。
沿線はどちらかというと田園地帯。小さい駅に停車しながら走っていく。この辺りは地吹雪が激しく、冬場はまた違った光景になるのだとか。ストーブ列車もあることだし、確かに津軽鉄道と言えば冬のイメージもある。

中間の主要駅・金木に到着。ここは太宰治の生誕地ということで、斜陽館があるなど観光スポットとして知られているところ。この列車も過半数の観光客が降りていく。アテンダントさんの乗務もここまでだそうで、引き続き乗車する僕らに、下車はどちら?と聞いて、終点までと答えると、その駅周辺の手作りマップを差し出される。
反対のホームには、2両編成の列車が。どうやら後ろ一両が団体客の模様で、そちらに太宰治列車が使われている様子。なるほど。事情とはそういうことだったかと合点。

随分と静かになった車内は、ある意味本来のローカル線の旅になった気がする。
地元ではあるが、津軽鉄道は初めてだ。というサッくん、こんな機会がなかったら絶対に乗ることはなかっただろうけど、こういうのもいいな。とぼそりとつぶやく。
まだサッくんにプレゼントした切符は弘南鉄道も使えるので、そちらも後日、行ってみたいとのこと。ローカル線の旅の良さを知ってもらえてよかった~

【中泊町あるき】

あっというまに終点の津軽中里に到着。せっかくなのでこの近くでお昼ご飯だ。国道のメインルートからも外れた駅前通り。津軽鉄道にでも乗らなければなかなかここまで来ることはないだろう。
地方あるあるなシャッター通りを行くが、時折頑張って営業しているお店もある。
駅から15分ぐらい歩いて、とあるお店に到着。店内に入ると僕らだけ。しかしここは、とんでもないラーメン定食を出してくるという口コミをみて、気になり突撃したのだ。


まあ、その名の通り変哲もないラーメンである。
ちょっと変わっているというと、麩が入っていることぐらいか。まあこれで終わっては定食ではない。

ああ、別注文で握り寿司も頼んだのか。この大食漢め。で、定食の部分はまだか??

と思われたあなた、蜜入りのリンゴよりも甘い。

なんと、ラーメン定食の定食の部分はこの握り寿司なのだ。
画像は2人前。1人当たり10貫+ミニ卵巻きが二貫。
組み合わせの相性はともかくとして、このボリュームで1000円は破格すぎる。普通に握り寿司で1000円でも満足できるコスパだ。
実はここ、れっきとしたお寿司屋さん・やよい寿司。
ぜひ津軽鉄道に乗車した際は行ってみてほしい。

満腹でお店を出て、行きがけに見つけたコーヒー屋さんへ入ってみることに。サッくんも青森でコーヒーイベントに関わったりしていたようで、お店のオバちゃんと話が弾む。
まだ開業して日が浅いこのお店。しかし、こんな田舎町の人通りがないところに…とよく言われるとのことだが、今までのつながりでお友達が来てくれたり、うわさに聞いて来てくれたりと、少しづつ来てくれているみたい。
向かい側に温泉が建設中らしく、これが出来れば津軽鉄道に乗りに来ている観光客も、斜陽館だけでなく少しは終点まで来て、街を回ってくれないかな?と話す。

思いのほか長居してしまい、ここからどうするか。五所川原の立佞武多会館に行ってみようかと思っていたが、中泊町の博物館も面白いと聞いた。結局列車をさらに一本遅らせて、博物館へ行ってみることにした。
町役場に併設の中泊町博物館。津軽鉄道の昔の映像が放映されていたり、この辺りに線路網が巡らされていた森林鉄道の資料が展示されていたり。なかなか鉄ちゃんにも興味深い内容だ。
今は閑散としている駅前も、昔は林業などを中心に栄え、賑わっていたのだろうなという映像も見ることが出来た。


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