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繁忙期輸送について(駅員時代)

ゴールデンウィーク、お盆、年末年始。世間のみなさんは、旅に出掛けたりと浮ついた雰囲気となりますが、鉄道員にとっては関係なし。そんな時期は臨時に要員を増やしたりもすることがあり、そんな時期に休みをください…というのはなかなか言えないもの。まあどこへ行っても混雑するし、値段も高くなるようなこの時期に、わざわざ休みを取ってどこかへ行きたいとは思わなかったですが。

そんな繁忙期、やはり仕事がいつもとは違うモノになるのです。
みんなが休みになるために通勤ラッシュは緩和されるものの、駅にもよるのだと思いますが、主要駅勤務であった僕は、旅行客が利用されることが非常に多く、とても忙しくなりました。

不慣れな方も多いからか、窓口は大混雑、改札口に立っていても、普段よりも何かしらを問い合わせされる頻度は倍増。まあ忙しいと経過する時間もあっという間ではあります。
特に駅員(改札口)時代に気を使っていたのは、乗り換え改札での勤務時。
新幹線⇔特急列車相互の乗り継ぎなど、同じような時間帯に複数の列車が発着する設定になっているお陰で、ドッという表現が似合う人波が改札口に押し寄せます。

勿論、通勤通学の朝ラッシュ時間帯などは、その倍、いやもっとか?ぐらいの人が波となってくるのですが、まあそこは慣れている方が多い。現代はICカードが普及していることもあり、それほど滞留することはなく、スムーズに通り抜けています。
それだけの人が流れているのに、聞こえる音は話し声は皆無で、足音と改札機で鳴るピッピッというICカードをタッチする音ぐらいというのも異様な光景ですが。

片や繁忙期。みなさん大きな荷物を持っていたり、お子さん連れだったりと、まあ賑々しい。そこへ乗車券と特急券を改札機に入れてください!と叫んでも、まあなかなか難しいものでしょう。
そういったときには、改札立ち番の我々の出番。
グループ旅の方たちは、帰りの切符も含めて20枚ぐらいの切符をドバっと渡されることもあり、そこからそれぞれ切符を区分けして、手渡したり…という感じです。

列車が遅れて到着した時などは、予定の列車になるべく乗せるべく、自動改札機を停止させてノーチェックでとりあえず通過させる!ということもありましたね。

切符関連のトラブルも増えます。
こういった繁忙期間で覚えているのは、切符の有効期間に関して。
切符の有効期間は距離によって算出され、往復ですと片道の有効期間の2倍の期間となります。(私鉄を除く)
普段の2泊3日ぐらいの旅であれば、あまり気にすることはないとは思いますが、こういった繁忙期間は、帰省を含めて1週間などの長期で旅をされる方も増えます。
そうなると、往復で切符を用意した時に、六日間しか有効期間がないのに、帰りの特急券が7日目⇒乗車券のみ有効期限切れ。ということが時々発生します。
係員が特急券も一緒に発券しているので、これは明らかな誤扱い。
本来なら、片道+片道の切符で発券するべきところです。
完全に切符を発券した側のミスであるので、救済でそのまま乗車していただけるように券面証明を行うわけです。


年末年始。すこしだけ嬉しい勤務もあります。それは年越し勤務。
職場で年越しなんて…と思う人もいますが、僕的には比較的オイシイ仕事だと思っていました。
31日もまあ夕方にでもなれば忙しさもひと段落しますし、1日などは、泊まり勤務の終了となる9時前などそんなに人は動いていない。
仕事終わりに初詣でも行って、翌日がそのまま休みであれば、正月気分を味わえるという寸法です。

因みに、元日1日は祝日勤務の手当てが出るため、年越し勤務であればその恩恵を受けることができますが、例えば帰省ラッシュのピークにあたる、30日~31日の勤務では特にナシ。
他の期間も、祝日は手当てが付きますが、連休に組み込まれている土日や、平日扱いの日は特に手当はなし。
繁忙期間内は一律に、繁忙手当ぐらい出してくれてもいいのにな…と思います。

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