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つむつむな日

今日は、朝のランニングから始まった。川沿いの遊歩道を、いつものように往復して5kmほど走ると、汗だく。温かい一日の始まりだった。

「たけちゃーん」

近所で和菓子屋を営む釣り好きのじいさんがいつものようにベランダ目掛けて叫んでいた。ぼくは風呂にいた。じいさんは玄関まで上がってきて、ぼくはバスタオルを腰に巻いて、ランニング後に風呂に入っていたことを伝えた。これまでの暮らしからすると非日常的と思われるコミュニケーションが、日常になっている。夕方、河川管理に動向することを確認すると、じいさんは去っていった。

干し網から、ヤマメの開きを二つほど出して焼いた。驚くほど美味しい。これは塩焼きに匹敵するほど、飽きがこない圧倒的なうまさだ。干す前に浸けた塩水に、日本酒を入れたのが良かったのだろうか。朝飯をたいらげ、デイリーヤマザキで買ったやっすいドリップコーヒーを飲んで、メールチェックなどを済ませた。

さて、仕事でもするか。唯一、椅子に座って仕事ができる食卓にノートパソコンを置いて、ライティングに取り掛かった。調べる情報が多い原稿だった。最近、一人で原稿を書いていると、無性に人と働きたい思いが沸き起こる。これが個の時代。文字以上の意味をなさない、孤の時代かと嘆いてみたりする。とはいえ今日のぼくは、夕方にじいさんの河川管理に仕事のやり残しがない状態で動向することを唯一のモチベーションにしていた。なので、仕事はそこそこ順調に進んだ。さらに昼飯どきには、引越しの挨拶を忘れていた近所のお坊さんの家にもお邪魔した。これは結構、気になっていた。

午後3時前。

「たけちゃーん」

来たな。「あーそーぼ」みたいな感じでぼくを呼んでくる。まあ、河川管理といっても、ほとんど川遊びだ。近くの砕石所から山石をじいさんのジムニーに載せて、それを護岸工事により環境が単調になってしまった小さな支流に投げ入れ、それを漁場ができそうな具合に水流を考慮しながら配置する。今日もぼくは山石の重量記録を更新し、じいさんはいつものように驚いていた。川と砕石所を3往復ほどして、ウェーダーを履いて川に降りた。「おー、いい感じに掘れてますね」「そやろそやろ」「ここはもう魚が入ってそうですね」「いまにいい御漁場になるろ」石を積みながらおのおの川をいじった。

死んだ猫が川に捨てられていた。すでに腐っていて、白い皮膚が露出し、長い間水に浸かっていたのか、ブヨブヨになっていた。直接は触りたくなかった。野ざらしになっていたスコップで猫を運んで、桜の木の下に埋めた。珍しく、徳を積んだだろうか。すでに、午後5時の鐘が鳴ったあとだった。

暗くなる前に、バイクで渓流へ出かけた。夕方で、魚の活性がいいはずだった。何とか坊主は回避し、1匹のヤマメを釣り上げた。川をわたる必要があったので、完全に暗闇になる前に退散。帰宅して一瞬ぐったりし、ヤマメを捌いて干し網に入れた。網から出した干物を焼いて食べ、その日のうちに補充する。延々にずっとやってたいと思った。

最後はこのnote。昨日に引き続き、noteをつけた。あとは攻殻機動隊を酒でも飲みながら見れば、完璧な一日が終わる。いろいろ積み上げた一日だった。そういや、LINEつむつむってゲームあったな。

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