志田岳弥

会社員兼ライター兼ラテンアメリカ愛好家。日本流通産業新聞の記者を経て、南米でチリのサー…

志田岳弥

会社員兼ライター兼ラテンアメリカ愛好家。日本流通産業新聞の記者を経て、南米でチリのサーモン養殖などを取材。「養殖ビジネス」(緑書房)、「BE-PAL(ウエブ版)」(小学館)、「日本ネット経済新聞」(日本流通産業新聞社)などに記事を提供。岐阜県飛騨市在住。

マガジン

  • Hidaから送信

    飛騨に引っ越してからの日々を発信するマガジンです。テーマは自然にまつわるものが多めです。

  • 漕日(そうじつ)

    南米・チリ共和国のアイセン州をカヤックで旅した記録。パタゴニアと呼ばれる地域の、ジグソーパズルを砕いたような地図を描くフィヨルドに持ち込んだ食料は、お米とちょっとした調味料のみ。大自然の中、夢中でカヤックを漕いだ日々を、全20回程度でお届けする予定です。

  • サーモンの生簀から

    南米・チリで、サーモンの養殖産業を取材し、現場や現地の人の暮らしをお届け。環境への悪影響や、食品としての安全性が疑問視されることもあるチリサーモン。とはいえ、いろいろなところで目にし、食されています。「生産国:チリ」だけでは分からないダイナミズムを内包した食品が、チリサーモンなのです。

  • 気まぐれ南米ソング

    元気や勇気をもらえる、最強の南米ソングを気まぐれで紹介します。たまに、ぼくの和訳を入れます。湿っぽい恋愛ソングとかもあるかもしれません(和訳が恥ずかしくなければ)。

  • 南米回想

    南米(ペルー・チリ)を旅行したときの記録です。飛行機移動、バス移動、フェリー移動、カヤック移動ありのバリエーションに富んだ旅行でした。だいたい週1回のペースで更新して行きます。ここでしか見れないもの、少しはあるかと。

最近の記事

  • 固定された記事

お世話さまです

 今年5月に始めた、チリにおけるサーモン養殖の取材関連でお世話になった、あるいは現在進行形でお世話になっている主な人物を勝手に紹介します。ありがとうございます。滞在期間的にも取材は折り返しを過ぎた感触だけど、もちろんまだまだやります。むしろちょっと焦ってる。取材内容は今後、文章にしてどこかで発信しようと思っています。 ーチリの方々ー・最も世話になっているホルヘ・ウィルソン氏(クック・アクアカルチャー・チレ、海面養殖部長)。そのほか、クックのみなさん。 ・養殖会社カマンチャ

    • 和菓子屋とぼくの素晴らしき文化の日

      メモリアルなとっても良い1日だったので、今日の出来事を気まぐれに日記として書いておこうと思う。朝は、小屋から始まった。 小屋は30年前に、地域の淡水魚愛好会が500万円かけて造ったものらしい。正式名称は「北アルプス淡水魚観察保護センター」。この名は、地元出身で若くして亡くなった魚類生態学者が付けた名で、小屋の前にある水槽にはここらの川で観察できるたいていの魚が入っている。ただ、ここ10年ほど使われない状態が続いたことでガラクタが増えたり、小屋内がホコリやカビだらけになってい

      • 漕日#10|島にへばり付く森、森にへばり付く人

        無人島に一人住む木こりのソトと、島の頂を目指して歩き始めた。微小な藻類のせいでつるつるすべる磯を少し歩いたあと、海岸線に対して直角の方向へ折れるようにして森に入った。オレンジ色の分厚い雨がっぱを着たソトの足取りは軽い。このときすでに、東京にはじめていった田舎者が人々の足取りの速さに驚く程度にソトの歩調を感じていたが、一方でこの分なら本当に頂上まで20分だなーー、とたかをくくっていた。 森に入ってほどなくして、急斜面にさしかかる。ソトが木を切り出した痕跡をいくつも通りながら

        • まったくnoteが更新できていない。けど、そろそろチリ領パタゴニアをカヤック旅行したときの話をマガジン「漕日」で更新します。

        • 固定された記事

        お世話さまです

        • 和菓子屋とぼくの素晴らしき文化の日

        • 漕日#10|島にへばり付く森、森にへばり付く人

        • まったくnoteが更新できていない。けど、そろそろチリ領パタゴニアをカヤック旅行したときの話をマガジン「漕日」で更新します。

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        • Hidaから送信
          22本
        • 漕日(そうじつ)
          11本
        • サーモンの生簀から
          26本
        • 気まぐれ南米ソング
          7本
        • 南米回想
          4本

        記事

          川床の芸術。どこかにカジカがいます。

          川床の芸術。どこかにカジカがいます。

          タイトルのない日常

          2020年6月2日。飛騨に引っ越してきて2カ月半が過ぎた。新鮮だったこの土地での日々は、何の変哲もないとは言わないまでも、ずいぶん「日常」として自分に馴染んできた。そして気分がいいのは、その日常に喜びを感じる機会が多いからだ。 朝、和菓子屋の店主がいつものようにやってきた。今日は近くの川に一緒に行く予定だったが、漁協の仕事が急遽入ったんだとか。まあいい。明日も予定は調整できるし、今日は山之村のクラフトマンでも尋ねるとしよう。 午前は午前で、することがあった。バイクを40分

          タイトルのない日常

          箱メガネ

          箱メガネ

          漕日#9|森の生活者

          ソローが書いた「森の生活」に憧れる人は多いが、それを地でいく人は少ないと思う。きこりのソトは、私が実際に会って知っている数少ない「森の生活者」のうちの一人だ。もっとも、彼はその本を読んだことはないだろう。彼が情報を得る手段といえば、ソニーの古びたラジオくらいだし、小屋にも本らしい本は置いていない。 ソトに初めて会ったのは、2017年の1月だった。冷たい雨が降りしきるなか、カヤックを漕ぎ疲れたぼくは、一筋の煙を上げる小屋に立ち寄った。恐る恐る。チャクライ島という無人島で、その

          漕日#9|森の生活者

          春宵一刻値千金。春の宵は趣深く、一瞬一瞬が千金に値するという意味らしい。けれど、昨日一緒にカジカを捕りに行った近所の和菓子屋のおっちゃんは、川虫を採っては「値千金、値千金。ありがとうございます」と言っていた。川虫を餌にイワナを釣ることもまた、千金に値するのです。

          春宵一刻値千金。春の宵は趣深く、一瞬一瞬が千金に値するという意味らしい。けれど、昨日一緒にカジカを捕りに行った近所の和菓子屋のおっちゃんは、川虫を採っては「値千金、値千金。ありがとうございます」と言っていた。川虫を餌にイワナを釣ることもまた、千金に値するのです。

          チリ領パタゴニアでのカヤック旅行を綴るマガジン「漕日(そうじつ)」。次回は、無人島で一人暮らすきこりとの再会について書きます。じいさんになったルーク・スカイウォーカーみたいな人です。

          チリ領パタゴニアでのカヤック旅行を綴るマガジン「漕日(そうじつ)」。次回は、無人島で一人暮らすきこりとの再会について書きます。じいさんになったルーク・スカイウォーカーみたいな人です。

          漕日#8|ウニとカメラ、そこへネコ

          人間は、欲望に駆り立てられるうちに、よくヘマをする生き物だと思う。10月23日、午前7時半に目覚めたときには考えもしなかったが、その日はそういう結論で締め括られた。 昨晩はやたらと寒かった。冷え込む日は決まって空に満天の星が煌めいているから、悪くない。今回の旅では、保温性を高めるインナーシュラフも持参していたので、前回ほど夜な夜な震えて体をさすることがなかった。 北寄りの風が強そうと予感させる朝だった。ここまで幾度となく食べた貝の雑炊を食べながら、午前10時半の出廷を目指

          漕日#8|ウニとカメラ、そこへネコ

          釣ったヤマメを開いて干して、焼いて焦して、考えたこと

          このあいだ、釣ったヤマメを開いて干して、焼いて焦した。そして反省した。すごく反省した。この間まで、ちょっとくらい干物を焦しても、申し訳ないという気持ちにはならなかった。これは、くる日もくる日も渓流で釣った魚を捌いて食べてきた結果だろうと思う。 ヤマメは幸い、食べれないほど焦げているわけではなかった。が、ベストの焼き加減とはとてもいえない。私は一部が黒く変色したヤマメを見て、しまったとある漁協の組合員のおじいちゃんのことを思い出した。 その人は、アユ漁の名人であり、猟友会に

          釣ったヤマメを開いて干して、焼いて焦して、考えたこと

          トンビの死にぎわ

          その日は、岐阜市まで納税に行かなければならないというのに、そういう朝に限って、道路脇に横たわる、死にかけたトンビに遭遇した。 とにかく急いでいたので、一旦はバイクで通り過ぎたものの、100mくらい先で折り返して、戻った。1ヶ月ほど前、死んだ山キジを道路で見かけて素通りし、後悔していた。弔ってやらなかったことではなく、釣り用の毛針を作るための羽を取らなかったことに。 トンビからも、毛針用の羽が取れると思った。ただ近寄ってみると、その猛禽の胸はゆっくりと膨らみ、呼吸をしている

          トンビの死にぎわ

          家でお茶するためのコースター

           外出自粛が続く中、自分も何かできることをしたいと考え、このコースターを作りました。今回は、できあがったプロダクトを紹介します。コースターは希望者の方に、無料でお送りします。このnoteを読んで、もし欲しいなと思った方がいれば、最後に記載しているフォームからご応募ください。 飛騨の森を届けます コースターは、(株)飛騨の森でクマは踊るという、ちょっと変わった社名の企業に製作を依頼しました。材料は、飛騨のクルミを使用しています。材の厚さは4mm。インデザインでQRコード付き

          家でお茶するためのコースター

          なぜ名詞になりたがった?

          博士課程で研究に励んでいる中学時代の後輩が、進路に悩んでいるようだった。どうしても研究者になりたいわけではないけど、公務員やサラリーマンもなんか違う、みたいなことを言っている。彼は少し、名詞とイメージに囚われているようだった。誰にでもそうとこがある、もしくはあったと思う。ぼくにもあった。 彼の話はさておき、ぼくはといえばライターを標榜している。誰しもが秒でなれるこの肩書きだが、一応細々と実名での寄稿や、名前が公表されないライティングをやっている。ただ、別にライターになりたか

          なぜ名詞になりたがった?

          勝手さと気ままさだけの日々なんて

          条件っていうのは、人の行動を制限するけど、それが安全や知恵の引き金になったりすると感じる今日この頃です。 釣りに使う、ウェーダーというウェアがあります。腰まで水に入っても、浸水しない仕組みになっていて、川を渡ったりすることができる。田んぼの作業をかやる時に身につける、防水つなぎみたいなやつです。腰上まで防水のものと、胸まで防水のもので迷っている。でも、たぶん腰までのウェーダーを買うと思う。 なぜかといえば、腰までしか川に入れない方が不便で制約が強いから。水深が腰以上の川は

          勝手さと気ままさだけの日々なんて