『ZARD 永遠 君と僕との間に』感想

ZARDといえば、僕にとっては、『負けないで』は応援歌でもあり、最も耳馴染みのある一曲である。小学生の頃に毎年、体育祭で歌を流しながら準備体操のBGMとしてかかり、体育の教師が壇上でまるで踊る様に振りをやっていたからだ。
懐かしい記憶と共に、寂しい思いも一緒に蘇る。
何年か後に、この体育の教師が亡くなったことを聞かされた。
当時、小学校では名物先生だったし、苗字が似ていて勝手に親近感も持っていたから驚いた。

応援歌と言ったのは、臨床実習を行っていた時にiPodに入れていたリストの中に入っていて、泣きそうになった時や泣いた時に聴いていた。

【負けないで もう少し 最後まで 走り抜けて】
【どんなに 離れてても 心は そばにいるわ】

一人でモヤモヤとしていたから、本当にそばにいて声をかけて見てくれている様な感覚になって、更に目が潤んだ。

実は今までに一度もZARDのCDを買った事がないのだけれど、テレビ番組の主題歌やCMで放送されたり、音楽番組で楽曲が沢山流れていたおかげで、必ず耳にする事が出来た。
だからこそ、急逝されたとニュースで知って驚いた。病気を患っていた事も知らなくて、人知れず闘っていて、もうこの世にいないのだと考えたら一度も会ったことが無いのに時がハタと止まった様だった。
また、ZARD「坂井泉水さん」に関わってきた制作スタッフや友人の大黒摩季さんのインタビューは読んでいて、身近にいた人達だからこそ知りうる本当の坂井泉水さんの姿を想像する事が出来た。
ミステリアスなイメージが強く、ポーカーフェイスな印象を持っていたが、実際はとてもお茶目でスタッフにも気遣いあふれる方、音楽活動に対してはストイックな体育会系の一面がある事を知れた。

この本は、章と章の間にはZARDの楽曲の歌詞が掲載されている。
僕は口ずさんだり、じっくり熟読した。
そして、やっぱり「負けないで」を探してしまい、そこばかり見てしまう。
【何が起きたって ヘッチャラな顔して】
【どうにかなるサと おどけてみせるの】

【負けないで ほらそこに】
【ゴールは近づいてる】

こんなにチャーミングさと力強さのある歌詞に救われてきたことがとても有難くて坂井さんの言葉のチカラに癒される。

等身大の自分、という言葉の通りに素のままの坂井さん。
チーム「ZARD」として、音楽活動を行ってきた想いや生き様をじっくりと読ませて頂き、ありがとうございました。

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#幻冬舎
#読書の感想

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