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浜松町の山手線を串ざすトンネル

一日の仕事を終え、どことなく足早の人々を、
次から次へと、
ベルトコンベアーのように回収して走る電車、
そう、通勤客を大量に乗せ首都圏を、
走り回る山手線。


浜松町には、
その、足早に回り続ける毎日、
終わることのないサイクル、

繰り返される日々の感情の線を、
海に向かって串刺す
「歩行者注意」とだけ書かれた、
トンネルがある。

トンネルの名前は知らない


トンネルの名は知らない、
でも、行き先なら知っている。

「未来」とも受け取れる地名、
「日の出」へと続いている。

日の出、日の出、日の出!
まるで未来と言われている様
こちらが日の出方面から見た、日の出(未来)



トンネル内のオレンジ色の灯りは、
キューブリックの映画「時計じかけのオレンジ」のような、
山手線の内側と外側の世界を繋ぐ、
謎のトワイライトゾーンになっている。

怪しい…、
この先にはきっと何か、
非日常が待っていそうな匂いがする。

何だか怪しい


出た〜〜⁉️

やっぱりトンネルの先には非日常があった。

路上に人が倒れているじゃないか!

しかも、背中にナイフが刺さったままだ。

この人は実際、床に斃れていた


その人の人生に何があったかわかは分からない、
きっと、複雑な事情があって、
繰り返されるけれど、
ある意味安全な、
山手線のサイクルから外れたのだろう…、

そして日の出からコンテナで、
どこか遠くへ、
山手線から遠くへ、
家族や仕事や人々の記憶から、
遠くへ運び去られ、

事件は迷宮入りするのだろう。

夜のコンテナは、なんだかサスペンス


でも、たまたま散歩していた市民の通報で、
現場にパトカーと、駐在員が駆けつけてみると、

どこかジオラマさを感じるお巡りさん


ドラマの撮影だった、と言うこともよくある。
事件が人々を驚かせているのか、
驚きやすい人々が事件を作るのか、

リアルとファンタジーの境界が、
日々交差するのが東京という街だ。

そのドラマは山手線の下で作られている


人々は、回り続ける日常を運ぶ山手線に乗り、
その足元で作られたドラマを、
スマホの中で見ながら、
東京をグルグル回るのだろうか。

山手線の足元


トンネルの上にある、
浜松町駅のプラットフォームでは、

日々産み出される、
人々のグルグル回る感情、
その火消しを担っている、
小便小僧が人知れず仕事をしている。

小便小僧が感情の火消しを担っている


お陰で、そのトンネルの先では、

時間を気にする必要がない、

トンネルの先では、時間を気にしなくていい



安心して、

今日も、日向ぼっこができる。

死体役だった役者の撮影後か…。


浜松町って、いいなぁ。

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