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五感に訴えるセールス:嗅覚の利用

私はマーケティングやセールスの専門家ではありませんが、書籍等で勉強してきたこともあり、電車の車内広告などで「これから何か得られるものはないか?」と考えるようにしていますが、最近、こんなことがありました。

新宿駅の構内を歩いていたら、何やら良い香りがするので、その方向に向かっていくと当然、その香りはさらに強くなっていきます。そこで思い出したのが「これって、以前博多駅に行った時のクロワッサンの香りに似てない?」という事でした。そして店舗が見えてくると、行列が出来ているクロワッサン店がありますが、何とそれは、博多駅と同じ店でした。

博多駅のコンコースには、行列が出来るほど人気のクロワッサン店があり、その場で焼いているため「焼きたてクロワッサンの香り」が漂っています。実際に新宿の店舗でも「博多駅のあの香りが新宿に」とありました。「博多駅の香り」と聞いてクロワッサンを連想するのは、現地に行ったことのある人以外には無理でしょうが、新宿でも行列の出来る人気店となったのは、嗅覚を利用し、さらにその香りをブランディング化した成功例といえるでしょう。

「五感に訴えるセールス」のうち、嗅覚刺激だけは大脳辺縁系に直接伝わる、と以前書籍で読んだことがあります。しかも嗅覚は見えない所、距離のある所の香りを感知し、その方向に誘導するという点では、強力な存在アピールが出来るのは間違いないでしょう。これは集客の手法として古くから存在し、例えば鰻の蒲焼や焼鳥の香りに誘われてつい入店してしまった、という経験は多くの方にあると思いますし、最近だと家電量販店のトースターや炊飯器のコーナーで実演を行っていて「焼きたてトースト」「炊き立てご飯」の香りを使ってお客さんを引き寄せる、といったことも行われています。

もちろん香りには、マクドナルドの店内のように好みが分かれるケースもありますし、さらに商品と一致しない不自然な香り、強すぎる香水のようなものは逆効果ともなり得るので注意が必要ですが、それらに注意し、嗅覚を効果的に利用したいものです。

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